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ウチの子が不登校になった話

「もういいから、行きなさい。じゃあね。」
そう言って、女は僕を学校へ送り出した。

僕は、仕方ないのかと思ってた。どれだけいじめられていても、学校に行かなければいけないのか。


僕は女と何処か見えない部分で食い違っている様だ。僕は、どうすれば良いのか分からない。

朝起きると、女が僕を起こしに来る。もう起きているのに。コイツはしつこい。僕は女に、「学校に行きたくない」と言ってみると、女は僕を睨みつけて、いいから行きなさいの一点張りだった。僕は、女に相談しても無駄だとこの時に悟った。

僕の中で、女の信用は無くなった。
あぁ……この人話……通じない。

僕が2階から1階に行って、朝ごはんを食べていると、姉が来て、「学校に行かないなんて、ありえないから」って僕に言って、洗面所に行った。




僕はこの環境が嫌だったし、学校も嫌で、少しの間不登校になった。好きでこうなっている訳では無い。こんな自分を自分で肯定したいけれど、僕は不登校になっている僕が嫌だった。

何かに負けているようで嫌だった。女は毎晩僕の部屋に来ては、僕の話を聞くよりも、女の一方的な説教だった。ここから抜け出さないと、とは思っているんだけれど、そうできていない、自分も僕は嫌いだった。スマホも取られた。ライフラインが絶たれた。僕のゴミ箱がなくなった。

女が何をしたいのかよくわからなかった。僕の話を聞く耳を持っていないし、スマホを取り上げるもんな。よくわからない本当に。

ん?あれ?
僕は女が学校に行く前提で、僕の話を聞いていることに気づいた。僕はそれに気づいたんだけれども、それを言いに行く勇気は持ち合わせていなかった。

正直、
言った後どうなるかを知っていたからだと思う。
これが大人か。
子供には、人の話は「ちゃんと」聞きなさいと言うくせに、それを言っている本人がそれを実行出来ていない。何処か矛盾しているような感じする。

この女が子供であった頃も、そうだったのかな。だから、こういう対応なのか。イマイチよく分からない。

僕が特に嫌いだったのは、最初から、「学校に行く」っていう前提というか、ゴールが設定されているところだった。

僕は、それ以降それが分かった瞬間に、
「あぁ……この人本当に、僕のこと思ってくれてないな」って、考えるようになった。

だって、本当にその人のことを思うのであれば、その人の話を聞くはずだと思うから。

まぁ、聞き手側の人間が、「超能力」的な何かを持っていたら、別かも知れないけれど、だとしてもだ。だとしても、悩んでいる人間の悩みを、聞き手側が聞かない限りは、何にもならない。不毛な時間を消費するだけ。

悩みは持っている人は、あくまでも、その問題を解決するのではなくて、ただ、少しだけでもいいから、話を聞いてほしいという側面を、持っている方が多いと思う。

まぁ、その人の気持ちを全て理解することは難しいけど、その人の気持ちを慮ることや、それを共有することは誰にでもできることだと僕は思う。


そこからどうするかはその人次第だと思う。

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