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独りで立っているようで

わたしたちは二隻の舟 ひとつずつの そしてひとつの

中嶋みゆき「二隻の舟」(『アルバム『EAST ASIA』1992年)


心臓が不意に不審に響く
鎮める術を持たないから
不審な響きを凌駕する何かを確かめたくて
独りで立ちながら宙を泳ぐ

曳き摺りながら
誤魔化しながら
不覚(おぼえず)届いた
言葉に落ち着く

独りで立っているようで
「同行二人」
もう少し生きていられる

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