ひかるジャム

君のシャツを汚したジャムがひかってる　現実よりも美しい朝

悪い癖悪いなぁって許さなくてもホットケーキの膨らむ午後だ

バッグインバッグみたいな構造です精神のそと容器のある

思うに地球滅亡後も止まらない迷惑メールの海、海、海

詩人は誰とも心中できない　600円のポテチキバスケット

結露する窓辺　伸びない前髪　犬を撫でた手のまま眠りたい

「夜の花屋に行ってみたい」とひざを折る　叶えるつもりもないみたいに

「うちの風呂、水が水色に見えるんです」って、セックス中に言うことかよ

キャンドルでマックナゲットあたためる　海岸に出て泳がずにいる

見えている光、ショートケーキじゃなくてフレーズだよと君が正す

カレーにも、シチューにも肉じゃがにもなれるこの状態をイーブイと呼ぶ

ベッドサイドの水飲みほして（肩甲骨）君はイカロスの末裔

裏打ちではじまる曲で春だった線路の奥のみどりを見てた

君が言う「貫通扉みたい」って比喩に一度も納得してない

平行する直線でいよう　直線は終わりなく永遠（とわ）に伸びる線