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「切り絵で世界旅」ガンジス川の売り子(ベナレス/インド)いたるところで働く子どもたち
ガンジス川のガートの風景を水上から見たいという観光客のために、岸辺には数多くのボートが繋がれていた。その一つに乗り込むと、漕ぎ手がゆっくりとオールを動かし、沖へ進み出す。すぐ近くで沐浴する人もいれば、大きな傘の下で瞑想しているバラモンもいる。その背後には数多くの解脱の家や寺院などが折り重なるように建っていて、ガート全体の様子が手に取るようにわかる。
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ふと見ると、3人の子どもが乗ったボートが近づいてきた。10歳から12歳くらいの年齢だろう。男の子は必死の形相で懸命にボートを漕ぎ、2人の女の子たちは花びらを入れたお皿を持っていて、1人が私たちに向けて差し出す。ガンジス川に流す花びらを買ってくれということだろう。同じボートに乗っていた女性がルピーを渡して買った。海ほどの広さのガンジス川に撒かれた淡いピンクの花びらは、赤茶けた水の上に健気に浮かびながら流れていった。
インドではいたるところで、物売りや農作業など、学校に行けずに働いている子どもたちの姿を見た。あるヒンズー寺院を撮影している時、可愛い女の子が近寄ってきた。服装も小綺麗で装飾付きだった。「写真を撮ってもいいの?」とカメラを持って訊ねると、うんと頷いた。写真を撮ると、彼女はすかさず手を差し出してモデル代を要求した。これが彼女の仕事だったのだ。
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