略語の使用はほどほどに
こんにちは。プロジェクトマネージャーの小沢です。この時期、外を歩けば美しい花や、新入生、新入社員など、フレッシュな雰囲気に満ち溢れていて元気をもらえる気がします。あとは花粉症さえなければ最高の季節なのですが、今年も飛んでいますね。なんだか常に目がカユイです。
さて、話は変わりますが、みなさんはビジネスメールにおいて英語の略語をよく使われますか?今回は、略語にまつわる私の赤っ恥エピソードからはじまり、翻訳業界でよく見かける略語、仕事で略語を使う場合の注意点について書いてみたいと思います。
略語で赤っ恥
ある日、海外の取引先から下記のようなメッセージがきました。
そして、これをチームのメンバーにSlackで共有したのですが、その際に「"ooo"は”off"のタイポかと」と一言添えて伝えたのです。実際は「ウー」ってどういうこと?と想像したりもしました。
するとすかさずメンバーの一人から、「ooo = out of office ですよー。」とツッコミを頂き、赤面したという次第です。
以前、船関係の会社で数年働いていたことがあるのですが、そこでは英語ネイティブではない船長さんや乗組員とのやりとりがベースにあるからか、短く、簡潔に、という文章が多く、略語や独特の表現が多く使われていた印象でした。しかしながら、“ooo”は見かけたことがなかったので略語だということに気が付きませんでした。
翻訳業界で飛び交う略語たち
“ooo”以外に、入社した当初は社内のミーティングの最中、ひとり頭が「?」になっていることが多々ありました。当時メモしたものがあったので、いくつかご紹介します。こちらのnoteで何度か登場したものもあります。
CAT tool(Computer Assisted Translation Tool):翻訳支援ツール
EOB(End of Business):終業時間
EOD(End of Day):今日中に
HB(Hand Back):納品
HO(Hand Off):ハンドオフ(作業ファイルや指示書をわたすこと)
LQA(Linguistic Quality Assurance):言語品質保証
MT(Machine Translation):機械翻訳
PE(Post Edit):機械翻訳(MT)のあと、人間が手直しをすること
TAT(Turn Around Time):ハンドオフされてから納品するまでの時間
TM(Translation Memory):過去の翻訳物のデータベース
いかがでしょうか。翻訳業界になじみのない方が見ると見慣れないものが多いかと思いますが、業界の人間にとっては日常的に使っている略語たちです。
また、翻訳の管理業務では海外のオフィスとやり取りをすることが多いので、タイムゾーンの略語も頻繁に使います。時差があるなかで、正確な時間を指定するために必要なのです。例えば、納品時間を日本時間の17:00とする場合は、日付と曜日のあとに”17:00 (JST)”と記載します。“JST”(Japan Standard Time)を明記しないと、どこの国の17:00なのかがわからず、相手の都合のいいように理解されてしまう可能性があるからです。日本時間のその日中に納品、とする場合は同じく日付と曜日のあとに”EOD (JST)”と記載します。
MM
最近少し頭を悩ませた略語です。あの、丸くて小さいカラフルなチョコレートのことではないですよ。
普通に考えると「ミリメートル」ですが、翻訳の打診メール内の作業量に使われていたので、「ミリメートル」なわけがありません。こちらは調べてみると「百万」という意味でした。”million”のスペルの中に”m”は一つしかないのに不思議ですよね。もともとローマ数字でmは1,000を表すそうで、m×mで1,000,000として使われているそうです。
自分の知らない略語を使われると一瞬心がざわつきますね…
思い込みは危険!
以上のように、普段のやりとりのなかで沢山の略語が使われています。その業界や、ビジネス上で常識的に使われている略語でしたら使っても問題ないと思いますが、それ以外のものについては受け取る相手に疑問を抱かせ、余分な時間を費やさせてしまう可能性もあります。また、相手が自分の意図と違う解釈をしてしまう恐れもあります。
自分の常識=相手の常識ではないということを念頭に置いて仕事を進めるほうが、略語を使って時間を短縮するよりもスムーズにビジネスが進むかもしれません。