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【翻訳部辞書:E】Escalator

こんにちは。プロジェクトマネージャーの小沢です。翻訳部辞書は晴れてシーズン2を迎えることとなりました。このシリーズは、翻訳部のメンバーが26文字のアルファベットから連想する言葉から、徒然なるままに書き記していくシリーズになっています。シーズン2もどうぞお付き合いください。

今回はEということで、選んだのはEscalator(エスカレーター)です。エスカレーターって、エレベーターと混同しがちですよね。わたしの2人の娘たち(9歳と5歳)も間違えますし、夫ですらいまだに間違えています(夫の場合はツッコんで欲しいだけだと信じたい)。みなさんの中でも間違える方、身近によく間違えるひとがいませんか?わたしも子供のころはよく間違えていたのですが、今ではこの2語を間違えないことをモットーにしています(どうでもいいモットーですが)。

今回はこの2語を混同しないよう、単語の意味を掘り下げてみようと思います。もしかしたら鍵が隠されているかもしれません。

エスカレーター

Wikipediaによると、エスカレーターの定義は「主として人が建物の各階に移動する目的で設置・利用される階段状の昇降装置。自動階段のこと。」また、名称の由来について書いてあることを要約すると、1900年にアメリカの発明家チャールズ・シーバーガー(Charles Seeberger)が、パリ万博に出展する際に”escalator”を商標にしたそうです。ラテン語のscando(よじ登る、乗る)から派生したscala(物事の起きた回数を示す「度目」、あるいは物事の進む段階としての「階梯」を意味)に、接頭辞としてeを、接尾辞としてtorを付けてescalatorとしたとのことです。

てっきり、escalate(段階的に拡大する、次第に上がる、エスカレートする)から派生した言葉だと思っていましたが、逆にescalateがescalatorから派生したものだということも書いてあります。ちょっとびっくりしました。

じゃあ主に空港にある水平のものや、階段状でないものはエスカレーターとは言わないのかな、と思って調べてみると、水平のものは「動く歩道(moving walkway)」、斜めのものはオートスロープ(auto slope)という名称がありました。確かに動く歩道は聞き覚えがありますが、実際そういう名称だったのですね。*

*参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%95%E3%81%8F%E6%AD%A9%E9%81%93

エレベーター

こちらもWikipediaで調べてみました。こちらは、「人や荷物を載せて垂直または斜め・水平に移動させる装置である。日本語では昇降機(しょうこうき)ともいう。工学の分野などでは最後の長音を省略するルールによってエレベータとも表記する。」とあります。

語源については詳しく載っていなかったのでWiktionaryで調べてみました。まずElevatorのページにはelavate+-orで成っているとあります。

では、elevateの語源は?と見てみると、” From Latinelevatus, past participle of elevare (“to raise, lift up”), from e (“out”) + levare (“to make light, to lift”), from levis (“light”)”「接頭辞”e”(outの意味を持つ)と、ラテン語の「軽い」という意味のlevisから派生したlevare(軽くする、持ち上げる)から成る、ラテン語elevatusの過去分詞elevare(上にあげる、持ち上げる)から派生しているとのこと。

“or”は「特定のことをするもの」という意味があるので、要は「上に持ち上げる役目を負うもの」というところからきているのですね。

Wikipediaによるとエレベーターの歴史は古く、紀元前からロープと滑車で操作するものが存在していたとのこと。コロッセオには剣闘士と戦う猛獣を載せてフロアまで運ぶ人力エレベーターがあったとも書かれていますが、すごい演出ですね。歌舞伎で演者が舞台の下から急に出てくる「セリ」や「スッポン」の仕掛けは、今でこそ電動で行われているようですが、昔は人力で動かしていたようですので、コロッセオの仕掛けと同じですね。

参考:https://www2.ntj.jac.go.jp/unesco/kabuki/jp/stage/index.html#no1

エスカレーターとエレベーター

はじめてこの2つを深堀してみましたが、まとめると、エスカレーターは階段状の昇降装置。エレベーターは基本上下まっすぐに昇降する装置というところでしょうか。「エスカレーターは階段、エスカレーターは階段」を子どもたちに刷り込んで効果を確かめたいと思います。

エスカレーターでの思い出 in 大阪

最後に、エスカレーターで思い出したエピソードを1つ。社会人になりたてのころ、同期の男性社員1名と一緒に大阪に出張する機会がありました。新幹線から降りて、地下鉄に移動するのにエスカレーターに乗っていたときに、わたしが「なんか、大阪に来た実感がまったくないですよね~」と彼に話しかけると、その彼が「え?まじっすか?本当に何も感じてないですか?」と驚いている様子。なんで驚いているのかがわからなかったので「え?全然感じないんですけど」と返すと、彼、「エスカレーター、左側じゃなくて右側に立ってますよね」。「言われてみればそうでした。ぼーっとしていて気がつきませんでした!」 2人で失笑し、基本無口な彼との距離が縮まった瞬間でした。

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