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失意の中で(メリークリスマス)

 8年間、好きな人といつか一緒になることが希望だった。
でも、希望というのは時に、いとも簡単に終わってしまうもので、後悔しても誰も助けてはくれないし、無残なままひとり部屋で過ごす夜があるものだ。今振り返るとそれは、ただの感傷的な夢だったのだろう。相手を傷つける言葉を吐き、終わっただけの片思いだった。
「人に傷つけられることよりも、人を傷つけたことの方がよく覚えている」と誰かが言った。
受けた傷も与えた傷も、覚えているけれど、たしかに傷つけたことは
ずっと忘れられないらしい。後悔しながら生きている。消えない後悔がいつか、自分の首を絞め切ってしまうだろう、その時にはもう生きながら死んでいるのか、あるいは。

クリスマスだというのに、明るいことを話せていない。
クリスマスが来ても、来なくてもこの人生は続いていき、
1000回目の後悔がささやかに繰り返され、失意の中で
カップ焼きそばを食べたりするのだろう。

心が疲れた。
人の心を傷つけた代償は、いったいどうやって払えばいいのか。
人として成長すること、絶えず成長することだと言い聞かせて
生きてきた数か月だった。

でもずっと心が痛い。
救いは、どこにも、ない。

だが、今日は誰かが幸せであることを祝う。
どこかの誰かが、誰かを幸せにする一日を願う。
ひどく感傷的かもしれないけど。

メリークリスマス。

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