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通信プロトコル_階層モデル TCP/IP OSI参照モデル・ネットワーク入門【高校情報1・基本情報・ITパスポート】

通信プロトコル_階層モデル TCP/IP OSI参照モデル・ネットワーク入門

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PDF
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GoodNotes
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【文字おこし】

今回は、インターネットをはじめとする情報通信ネットワークとプロトコルの概要について説明していきます。

今では、インターネットを使って世界中の人と色んな情報をやり取りできますが
情報通信ネットワークの歴史として1837年に 米国のモールスが電信機とモールス符号を発明しました。
そして1876年に米国のベルが電話の特許を取得しました。

1967年に 同じく米国で 現在のインターネットの起源であるアーパネットが誕生しました。
日本におけるインターネットの起源は1984年のJUNET(ジェイユーネット)と言われていて、東京大学、東京工業大学、慶応義塾(けいおうぎじゅく)大学の3大学を結ぶネットワークとして実験が開始され、最終的に約700の機関を結ぶネットワークとなりました。

そして1992年、日本初の商用インターネットプロバイダ であるIIJ Internet Initiative Japanが設立され、1993年にインターネット接続の商用サービスを開始しました。

 余談ですが、IIJは以前私が技術部門の正社員として非常にお世話になった会社です。
インターネットに関する世界的な権威者もいて、めちゃくちゃ凄い人の集まりというのが感想です。

インターネットサービスプロバイダーは皆さんの家や学校や会社のネットワーク環境とインターネットの世界を仲介してくれるサービスを提供する会社で、IIJの他、NTTコミュニケーションズのOCN、ビッグローブなど今ではいろんな会社が存在します。


ネットワークには大きくLANとWANの2種類があります。
LANはLocal Area Network の略で、その名の通りLocalつまり限られた範囲のネットワークになります。例えば学校や会社、家庭内等のネットワークは、お互いのパソコンやプリンタ等の機器が繋がっていますよね。その組織の中の人はアクセスできますが、外部の人はアクセスできませんよね。このような限られた範囲で、独立したネットワークをLANと言います。
家庭で使用するネットワークを「家庭内LAN」、会社で使用するネットワークを「社内LAN」と言ったります。
LANでもケーブルにつながっている有線LANとケーブルの代わりに無線電波でデータをやり取りする、無線LANがあります。最近は駅などで、このようなWi-Fiスポットを見かけると思いますが、Wi-Fiは無線LANの中で相互接続を保証している規格を使った技術製品のことです。Wi-Fiと無線LANは同じ意味で使われることが多いです。

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このLANには国際的な規格があります
有線LANは、IEEE802.3に従った通信で
無線LANは、IEEE802.11で規格されています。

IEEE802.11の中でもこんな風にいくつも種類があります。
下に行くほど、一度に多くのデータを送信できます。
最近主流なのはIEEE802.11nとIEEE802.11acで11nの最大通信速度は600Mbpsで一秒間に600Mビットのデータを転送できます。
11acは1秒間に6.9Gビットのデータを転送できます。
規格 周波数帯 最大通信速度
IEEE802.11b 2.4GHz 11Mbps
IEEE802.11g 2.4GHz 54Mbps
IEEE802.11a 5GHz 54Mbps
IEEE802.11n 2.4GHz 600Mbps
5GHz
IEEE802.11ac 5GHz 6.9Gbps
IEEE802.11ax 2.4GHz 9.6Gbps
5GHz

周波数帯は大きく2.4GHzと5GHzがあります。
周波数帯 特徴
2.4GHz 【メリット】
壁や天井などの障害物に強く、離れた部屋でも比較的通信が届きやすい
【デメリット】
同じ周波数帯を利用する機器が多いため、電波干渉により接続状況が不安定になったり、通信速度が低下しやすい。分かりやすい例だと、電子レンジを近くで利用すると通信ができなくなくなることが多い。
5GHz 【メリット】
無線LAN専用の周波数帯のため近隣住居や他の家電製品の電波干渉を受けにくく、接続状況が安定しやすく、通信速度の向上を見込める
【デメリット】
壁や天井などの障害物に弱く、2.4GHzより通信距離が短い


無線LAN関連で ホテルなど、公共施設にこんな紙貼られているの見たことある人が多いと思います。
これをWifiや公衆無線LANなどと言ったりします。
これを利用しなくても、スマートフォンは通信はできますが、Wifiを使うことで通信料金を節約できます。

ただ、気を付けなければならないのがセキュリティになります。
通信を盗聴されて、大切な情報が盗まれてしまう可能性があります。

無線LANのセキュリティについて、認証方式と暗号化方式について説明していきます。

まず、認証方式は、WiFiのアクセスポイントにアクセスすると、アクセスポイント側がどのような方法で認証するかを表しています。例えば、この例だと、接続したいアクセスポイント名であるSSIDを選ぶと、パスワードの入力を求められて、パスワードがあっていれば接続できます。
つまり認証方式はパスワード認証方式になります。

暗号化アルゴリズムは文字列を暗号化する方法と、元に戻す方法になります。
そして、暗号化方式は、さきほどの「暗号化アルゴリズム」を用いて、どのように無線LANの通信を暗号化するかなどを規定したものになります。
ここで覚えておいてほしいのは、2021年現在の主流はWPA2になります。
暗号化方式のWEPや暗号化アルゴリズムのRC4は、暗号化したものが第三者によって解読できる方法が確立されているので、現在ではほとんど使われていない。

情報セキュリティ上の欠陥のことを脆弱性といいます。
そして、暗号化技術は今は安全でも、コンピュータ技術の発展と共に解読方法が出てくる可能性がある。
このように、コンピュータの性能向上によって暗号化技術をはじめとするセキュリティ技術の安全性が、相対的に低下していくことを「危殆化」といいいます。
WPA3は比較的新しい方式で、まだあまり普及していませんが、これからWPA3に置き変わっていくことが予想されます。

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WANとは、「Wide Area Network(ワイドエリアネットワーク)」を略したもので、遠く離れたエリアとつながったネットワークのことを指します。
インターネットもWANの1つで、LANとLANをつないだワイドなネットワークになります。
日本国内はもちろん、世界中の人たちと家や会社にいながらコミュニケーションを取ることを可能にしています。

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このLANやWANの中で使われる、パソコンやスマートフォンやサーバにあるデータを適切に転送するための機器のことをネットワーク機器と言います。
色んな種類のネットワーク機器がありますが、基本的な機器としては「ルータ」と「スイッチ」というものがあります。

ルータは、一言で言えば「ネットワークを区切り、相互接続する機器」になります。
家庭内のような、狭いネットワークは大抵の場合、1つだけですが、例えば大企業の社内ネットワークの中には、多くのネットワークが存在します。例えば、人事部のネットワーク、営業部のネットワーク等に分けたりします。
ネットワークっていう言葉は、とても広い意味で使われますが、技術的な意味でのネットワークは「ルータ」で区切られる範囲をしめします。

一方、スイッチは同じネットワーク内でデータ転送を行う機器のことになります。
自宅に、ルータ1台しかない人も多いとおもいますが、その場合、このスイッチの役割も担っています。
そのスイッチには、例えばプリンタとか他のパソコンとか複数のネットワーク機器が繋がっている場合が多いです。
複数のケーブルを接続するための端子(ポート)が並んだ機器のことをハブと言いますが、ハブでスイッチの機能をもつものをスイッチングハブと言います。
具体的には、スイッチングハブは宛先に関係する端子からだけデータを送出し、端末同士が通信できます。


インターネットに接続する機能を持つ個人向けルータの背面を見てみましょう。
LANケーブルの差し込む穴をポートといいます。機種によって若干異なりますが、大きくLANポートとWANポートがあります。LANポートは先ほど説明したように、ネットワーク機器を接続するポートでWANポートは、IIJの様なインターネット接続を仲介するインターネットサービスプロバイダ経由でインターネットに接続するためのポートで1つしかありません。

【参考】
5.1 LANの構成 (waseda.jp)
http://www.f.waseda.jp/kane/sp_net/chap_5.html
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ネットワークを利用したコンピュータのシステム形態は
大きく集中処理システムと分散処理システムに分けられます。
集中処理システムは、ホストコンピュータと言われる中心となるコンピュータに複数台の端末を接続して、すべての処理をホストコンピュータで行う形態になります。

分散処理システムは、ネットワークを利用してそれぞれの端末で処理を分担するシステムで、サービスを提供する端末をサーバ、要求する側をクライアントといます。
クライアントとサーバが明確に分かれている形態をクライアントサーバシステムと言います。
対等な関係な形態をピアツーピアシステムと言います。

他のコンピュータと接続しないで単体で動作するシステム形態をスタンドアロンと言います。

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コンピュータネットワークの接続形態を3種類説明していきます。
ネットワークの接続形態は「ネットワーク・トポロジー」ともいいます。

「スター型」は、ハブなどの機器を中心に放射状にコンピュータをつなぐというもの

「バス型」は、「バス」と呼ばれる高速なケーブルに、コンピュータや機器をつないだものです。
バスの終端には、信号が反射しないようターミネータ(終端抵抗)が必要です。
バスに問題が生じるとネットワーク全体がダウンしてしまいます。

「リング型」はバスがリング状になっており、各コンピュータや機器はそのリングにつなぐというものです。
データは、一方向にバスを回っていき、接続されたコンピュータや機器は、順にデータを受け取ります。
バスやバスにつながっているコンピュータや機器が故障すると、ネットワーク全体に影響します。

メッシュ型は、どれか1つの線が通信不可になっても他の経路から通信が可能になります。

―――

先ほどサービスを提供する側の端末であるサーバの話をしましたが、1つのサーバが複数サービスを提供することは可能ですが、大きなシステムになるほど、1つのサーバは1サービスと言ったように役割が決まっています。
代表的なサーバの種類について説明します。

まずは、ホームページの閲覧を提供するWebサーバがあります。
このサーバ構築によく使われるソフトウェアは、Apacheがあります。
以前の動画で自分自身のパソコンに無料でWebサーバを構築するハンズオン動画を提供していますので興味ある方は是非ハンズオンしてサーバ構築してみてください。

他にはデータを蓄積するデータベースサーバがあります。
代表的なソフトウェアはORACLE社のORACLEやMySQLがあります。これも以前の動画で、ORACLE社が提供するクラウドサービスを使って無料でデータベースサーバを構築する動画を提供しています。
日本ORACLE社の社長も見てくれたらしく、非常に喜んでくれたようです。
プロキシサーバは仲介サーバで例えばWebサーバに接続する際に中継するサーバになります。
不正なアクセスではないか、ウイルスが潜んでいないかなどのチェックや
キャッシュと言って以前アクセスしたサイトのデータを保持しておいて、同じサイトへのアクセスならWebサーバまでアクセスせずにキャッシュからデータを返して速度を上げる目的などがあります。

他には、メールの送受信を行うメールサーバ
ファイルを共有するファイルサーバ
動画や音楽を配信するストリーミングサーバなど色々あります。


★参考サイト
情報通信白書 for Kids:暮らしを支えるインターネット:インターネットの誕生(たんじょう) (soumu.go.jp)
https://www.soumu.go.jp/hakusho-kids/life/what/what_12.html
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インターネットを通じて、世界中のコンピュータとデータをやり取りできるのは、共通の決まりをお互いが守れているからです。

例えば、会話の例で相手の言葉を知らない状態で一方は日本語で話して、もう一方は英語で話しても通じませんよね
お互い英語を使おうという風に、通信を行う上での決まりごとのことを「プロトコル」といいます。

異なるコンピュータ同士を通信できるように国際標準化団体のISOが定めた国際標準プロトコルとしてOSI参照モデルがあります。
全部で7階層あって
上から  
7層 アプリケーション層 HTTP,FTP,DNS,SMTP,POPなど 個々のアプリケーション www,メール
6層 プレゼンテーション層 SMTP,FTP,Telnetなど データの表現形式 HTML
5層 セッション層 TLS,NetBIOSなど 通信手段 HTTPS
4層 トランスポート層 TCP,UDP,NetWare/IPなど エンド間の通信制御 TCP,UDP
3層 ネットワーク層 IP,ARP,RARP,ICMPなど データを送る相手を決め
最適な経路で送信 IP
2層 データリンク層 PPP,Ethernetなど 隣接する機器同士の通信を実現 Ethernet
1層 物理層 RS-232,UTP,無線 物理的な接続、電気信号 UTPケーブル,光ファイバーケーブル


になります。

実際には、現在のインターネットでの通信は、TCP/IPモデルという4階層のものが利用されています。
TCP/IPモデルは「米国国防高等研究計画局(DARPA)」が定めたものになります。
上から


https://attadesign.co.jp/blog/590/

上から、第4層のアプリケーション層、第3層のトランスポート層、第2層のインターネット層、第1層のネットワークインターフェース層
1層はリンク層とも言います。

上から説明していきます
まず、アプリケーション層は、例えば、WEBブラウザやメールソフトをイメージしてもらえると分かりやすいとおもいます。アプリケーションで扱うデータのフォーマットや手順を決める役割があります。
代表的なプロトコルとして、ホームページの閲覧ならHTTPやHTTPS、メールの受信ならPOP、メールの送信ならSMTPなどがあります。

トランスポート層の役割は、データを適切なアプリケーションに振り分けることになります。
主なプロトコルはTCPとUDPがあります。TCPは、コネクション型と言って、送信中にデータが破損してしまったり損失してしまっても、これらを検出してデータの再送を行い確実に通信をしてくれます。
UDPは、コネクションレスといって途中でデータが欠損しても再送はせずに、信頼性よりスピードを重視するものになります。

インターネット層は複数のネットワーク間のデータ転送を行う役割があります。多数のネットワーク同士を接続してデータ転送を行っているのはさきほど話した「ルータ」になります。ルータによるネットワーク間のデータ転送を指して「ルーティング」と呼とよびます。具体的なプロトコルは、ネットワーク上の住所であるIPアドレス関連の「IP」やIPアドレスから機器固有の番号であるMACアドレスを取得する「ARP」などがあります。

そして、ネットワークインターフェイス層の役割は、スイッチにデータ転送を行ったり、サーバからルータにデータ転送を行う際は「0」「1」の「2進法」でデータ転送します。このデジタルデータを電気信号などの物理的な信号に変換して、伝送媒体で伝えています。代表的なプロトコルは、有線LANの「Ethernet(イーサーネット)」や無線LAN、PPPなどがあります。


―――

TCP/IPモデルを使ったデータ伝送の仕組みについてもう少し詳しく見ていきます。
WebサーバがWebページデータを相手に届けるパターンで見ていきましょう。
相手のコンピュータにデータを送信する場合は、データの発信者側ではTCP/IPモデルの4層から1層に向かって、上から下に順番に処理を行います。受信側のコンピュータでは1層から4層に向かって下から上に処理が行われます。
送信されるデータには、各層のプロトコルで行われた処理を示すデータであるヘッダ情報が付与されていきます。
アプリケーション層では、HTTPヘッダ
トランスポート層では、TCPヘッダ
インターネット層ではIPヘッダ
ネットワークインタフェース層では データの破損チェックのためのトレーラという情報も付与され、0と1のビット列は電気信号に変換されて相手先のコンピュータに届けられます。

受信側では、
ネットワークインタフェース層で電気信号を元の情報にもどし
インターネット層でIPヘッダの読み取り
トランスポート層でTCPヘッダの読み取り
アプリケーション層でHTTPヘッダの読み取りを行い
相手から送られてきたWebのデータが表示されます。

今回の通信ネットワークの説明は抽象的でイメージ掴みずらかったと思いますが、個々の1つ1つの技術ついては、IT用語動画辞典で検索すれば更に詳しく説明しています。


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