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モンベル ミニタープHX 使用感

お一人様キャンプを始めるに当たって、せっかく購入した製品もあるし、前から持っているが一人で使ってみてあらためて良かったという製品もある。レビューというのはおこがましいので、あくまで1ユーザーの使用感として書いてみたい。

今回取り上げるのは、モンベル(mont-bell)のミニタープHX。商品詳細はこちらのページを。

モンベルと聞くとなんとなくヨーロッパのメーカーのようだが、本社が大阪にあるコテコテの日本企業だ。創業者の辰野勇さんという方は山男で、商品の品質には強いこだわりがあるとお見受けした。それは、このミニタープHXだけでも伝わってくる。実に丁寧な作りの製品だ。

「本格的な」キャンプ歴25年にして大当たり

本格的なキャンプ歴の始まりが何を指すのか難しいところだが、テントやタープを所有したときからと考えると、僕の場合は、妻と一緒にオートキャンプに行き始めた1994年か95年からとなる(記憶があいまい)。かれこれ四半世紀。

うちはなぜかタープが外ればかりで、最初に買ったウィングタープ以来、次のヘキサタープも、がんばって買ったドームタープも、みんななぜかフォルムが悪い。へナっとなってしまうのだ。今も現役のヘキサタープはかなりマシだが、心の底から満足していなかった。

ところがこのミニタープは違った。ようやくタープってこんな感じの形に張れるものだよねという製品に出会えたのだった。タープって、そんなに奥が深いのだろうか?(安物ばかり買っていたからかもしれない)

冒頭の写真は実際の使用時のものだが、実に美しいフォルムだ。

当然だがコンパクト

一人でキャンプ場に来ているライダーさんなどで、タープを張っている人を見かけたことがなかった。

昼間さんざん日に当たっているし、タープ自体張るのが面倒という人が多いのだろうか。あるいは一人で張れないものだと思っている人もいるのかもしれない。

ということで一人用のタープなどあるのか疑わしかったのだが、探してみたらやはりあったという感じだった。あたりまえか。

バイクや自転車に積めることが前提なので、当然ながらコンパクト。

写真左がタープをスタッフバックに詰めた状態。ウエットティッシュのケースと比較すれば、そのコンパクトさがわかるだろう。

ポールは別売り

なお、モンベルのサイトにはしっかりと明記してあるが、ポールは別売り。通販サイト(私はAmazonで買った)ではわかりにくいので、注意されたい。

ポール単独で売っていることは知っていたが、それは折れたときのためで、通常ポールはタープについてくると思っていた。それで追加注文する羽目になり、送料が二重にかかってしまった(僕はAmazon Prime会員だが、Prime対象外のショップでしか売っていなかった)。

なおポールは付属していないが、ポールの袋はなぜかタープについてくる。上の写真真ん中は純正のポールを純正の袋に入れた状態。

ポールがいきなり折れたが怪我の功名としよう

さてせっかく買ったポールだったが、近所の河原で試しに張ったときに強風で折れ曲がっててしまったのだ(T^T)

これはモンベルの名誉のために言っておく。悪いのは僕だ。家を出るときに風が強いなあとは思ったのだが、天気予報を確認しなかった。ポールが折れてしまったので、泣く泣く撤収し、自宅でテレビをつけたら、なんと台風並みの強風とのこと。最大瞬間風速20mを超えたらしい。

こんな日にタープを張るなんて、絶対にしてはいけないことだ。

実際モンベルの純正ポールは硬く、手で伸ばすどころからハンマーで叩いてもびくともしなかった。おそるべきは自然の力だ。キャンプでは特に風が怖い。

仕方なく再注文しようとしたら在庫がないという(さっき見たときもなかった。製造中止?)。どうせ別売りなら他社製品でもよかろうと探してみたところ、「FIELDOOR アルミテントポール 2セット入り」というのが見つかった(ちなみに短いポールは意外と売っていない)。

ざっと調べただけなので間違っていたらごめんなさいだが、FIELDOORというのはクローバーという家具や雑貨を販売している会社のアウトドアブランドのようだ。

モンベル純正ポール高さ165cmで直径14.5mmだったのに対し、FILEDOORのは高さ155cmで直径16mm。要するに短くて太い。太いから丈夫とは限らないが、安心感はある。

高さが10cm低くなったことで圧迫感があるかと思ったのだが、僕の持っているテーブルと椅子は、地べたで使うようなタイプのものなので、155cmはむしろちょうどよい高さのようだ(写真)。

本番で一度も使わずに折れてしまったポールはもったいなかったが、いいポールに出会えたのは怪我の功名だった。

ところで先ほど「一人用のタープ」と書いたが、このテーブルと椅子なら2人でも十分の広さだ。

ペグが素晴らしすぎる

さて、ここまででも大満足のミニタープHXだが、使い終わって片付けるときにさらなる驚きが。

それはペグが素晴らしすぎたことだ。

使用した若洲公園キャンプ場は土がけっこう硬く、また埋め立て地だからかところどころ石に当たることがある。つまりペグが曲がりやすい土質なのだ。実際、テントについていたペグの数本が曲がってしまい、1本は再起不能となった。

ミニタープHXに付属のペグはアルミ製で極めて軽い。いっけん頼りない。強引に打ち込んだペグも何本かあったので、曲がってやしなかったかとちょっと心配だったのだ。ところが、1本も曲がっていない!

それどころか傷さえついていない。そのため汚れも取りやすい。

さらに抜くときにわかったのだが、刺さり方が実にきちっとしている。純正ポールが曲がってしまったときに、普通はポールが曲がる前にペグが抜けるだろうと不思議に思っていたのだが、それはこの刺さりの良さのせいだったのだ。

だから抜くのに力がいるのだけど、ペグ用ハンマーのフラッドスペイド(鋤、土を掘り起こすための道具、写真の赤丸)を、ペグのロープを掛ける部分にひっかけて釘を抜くように抜くと簡単に抜けるのである。

実に考え抜かれたペグである。全部これで揃えたいと思った。モンベルのサイトを見たら、1個から売っている上に安い(税抜160円)! 20本注文した。

1つだけ注意事項

大満足のモンベル ミニタープHXだが、1つだけ注意事項がある。

それはロープが細くて絡まりやすいことだ。そして細いロープにありがちなことだが、一度絡まるとほどけにくいのだ。

これには細心の注意が必要だ。畳むときには数本単位でまとめたりせず、1本ずつ丁寧に短く結んでおくことだ。

これも軽量にこだわりがあるモンベルならではのことだろう。だが、できれば絡み合わないような材質のもの(技術的に可能かはわからないが)に変更してほしいものだ。

という欠点もあるにせよ、5点満点評価なら5点をつける。

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