わくわく。
あるロボットクリエーターの言った言葉が、僕の心の中にあった思いを言い表していました。
「生まれてから手に入れるものは全てレンタル。お金で買うものも自分の物のようでも、いずれは無くなってしまう。自分の体ですら、いつかは土に返すのだからレンタル。でも心だけは自分のもの。いつだってワクワクしていたい。」
そういえば、17歳の若さで旅立った情熱の塊のような人も言ってた「人を感動させるなんて、つまらない。僕は僕を感動させるために絵を描く。」と言っていた。
料理人は料理を作り、それをお客様にお出しして、お客様はそれを食べる。
作るのは料理という形のあるものだけれど、もっとも大切なのはそれを食べて感じていただく事。目に見えない思いだったり、感覚だったり、記憶だったり、願いだったり。
と書くと非常に分かりづらいですが、要は「喜んでもらいたい」という事。
そしてそれと共に料理人は、生産者の事や自分の考えや伝えたいことを料理と共に皿に盛ります。
心を込めて料理を作る。
よく聞くフレーズですが、これが実はとっても難しい。
でも一番大切な事なんじゃないかと思っています。
料理に心を込めるために、たくさんの調理法やテクニックがり、多くの時間と体力と精神力を使います。
24時間全てを料理のために使い、見たこと、感じたこと、全てを料理に生かす。
僕は夢の中でもしょっちゅう料理をしている夢を見る。
初めてお客様にお出ししたのはグリーンサラダ。
ただカットした野菜をのせただけのグリーンサラダだったけど、30年経った今でもその時の光景と自分が作ったサラダをお客様が食べてくださった感激をはっきりと覚えています。
その時から僕はずっとワクワクしているし、料理に夢中です。
どうすれば、美味しい料理が作れるのか。
そのことを考え続け、料理を作り続け、ありとあらゆる料理本を読み漁り、色んなお店を食べ歩き、20年経って辿り着いた答えが、「食べてくれる人のことを思いながら、楽しく作る」でした。
なんだか子供が言いそうな言葉ですが、そこから更に10年経った今もその答えに揺るぎはありません。
もっとも10人の料理人がそれぞれペペロンチーノを作ったら10種類のペペロンチーノができるように答えは人それぞれ。これはあくまで僕にとっての答えです。
目に見えないものを伝えようとし、目に見えないものを信じる。
本当に大切なものは目には見えないものです。
だから不安になるし、手に入れているのに気付かない。
毎日一生懸命に生活していても、感情を揺さぶられるようなことは突然起こります。
理不尽なことも、不甲斐ないことも。
慌ただしくて、ちょっと疲れた時は、是非お気に入りのお店へ行ってみてください。
飲食店に限らず、「喜んでもらいたい」そんな一心でお客様をお迎えするお店がほとんどです。
少し時間に余裕を持って、そんなお店の人の気持ちを感じようとすれば、お店を出る頃にはきっと少しは気持ちがあたたかくなっいるはず。
僕はお客様がそんなふうになってくれると全てが報われる思いになります。
炎のような情熱で優しい料理を作りたい
なんだかまるで何もかも分かったようなちょっと偉そげな文面になってしまいましたが、僕はそんな心持ちで今日もキッチンに立っています。
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