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SHARK COP (シャーク•コップ)第1面
「へへっ。大声を出しても無駄だぜ。
ここは夜になると誰も寄り付かなくなるのさ」
「やめてよ!誰か!!助けて…。」
「無駄だってお嬢さん。さあこっちに…冷テェ!何だ。なんでこんなに地面が濡れてやがるんだ。なんだ海水じゃねぇか。これじゃ寝れやしねぇよなぁ。ヒヒヒ。ほらこっち…え 誰だ!!!出てきやがれ!…この影はなんだ?形…背ビレ…か?」
「!」
「ヒィィ! 」
「シャークコップ だあ!!」
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第1章
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「馬鹿もんがあああ!!」
本部長がまたカミナリを落としやがった。
「チーク“ホワイト”シャーク!! これで今月何件目だ⁉︎ 犯人を追い詰めるのはいい。
だが何でいつもバラバラにしやがる。片付ける者の身にもなってみろ! 正当防衛か知らんがホワイト!お前はやり過ぎだ‼︎身元確認も危うかったぞ!」
はいはい。いつもの事でしょ。しかし検挙率はダントツだぜ。本部長。
「…お前のオヤジさんも荒くれ者の刑事だったが…やっぱり息子だな。手に負えん。」
…いつまでもオヤジの写真を壁に飾るんじゃねえよ。そろそろ外してくれ。【2112年 最優秀刑事 ハンマー“ヘッド”シャーク 】
…10年も前の出来事じゃねえか…ダセえ。
「お前達シャーク家の者と関わると夜も眠れんわ。全く…」
「俺も親父も眠らないからな。悪党退治向きだろ?」
「うるさい!もう出てけ!!今日はもうお前の顔は見たくない!」
こっちだって、ですよ。本部長。
「待て‼︎」
「…?」
「…良くやった。」
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ここはロサンゼルス。
陽射しはキツいが海も山も街もある最高の場所だ。
30年前、人間達と魚類が和解し、望む者達は人間の街で暮らし始めた。俺のオヤジとお袋もその移民団だ。今でも人間を許せない者はまだ海に留まっているが、両親は自由とチャンスの国アメリカを選んだ。
気の短いオヤジは中々仕事が続かなかったが、元々眼が良かったので万引きGメンになり、そこで異例の成績を残し、LAPDーロサンゼルス市警察にスカウトされた。
お袋のホエール・シャークはおっとりしていてオヤジとは真逆のタイプだ。代々大昔から人間と仲が良かったらしい。これはお袋のオヤジ、甚兵衛から何度も聞かされた話で、そのせいで人間嫌いにならなかったから良かった。といつも話していた。
俺はこの両親の元でアメリカで生まれた。
体格に恵まれた俺は大学ではアメリカン・フットボールをしていたがたまたま相手の学生の腕に歯が当たり、大怪我をさせて退学になった。
…腐っている俺に刑事にならないかと何度もオヤジは声を掛けてくれたがその度にウゼェ、そんなクサい仕事と貶していた。
そんなある日ー親父が死んだ。
LA最大のギャング団“ORCAS-オルカス “にリンチにされ、肝臓を喰われた。
その日から親父の仇に辿り着く為だけに俺は刑事になった。
そして現在。
ー俺はLAナンバーワンの刑事になった。
かつてのオヤジがそうだった、
”シャークコップ“
になったのだ。
(続く)
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