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大阪マラソン2023 初心者レポ


2023/2/7


昨日は大阪マラソンに参加してきました。
究極のめんどくさがりな私が、走るだけという果てしなく作業的なイベントに出るなど、この先一生ないでしょう。




しかし、職場の同期が参加するという点や、自社の協賛のため安く出場できるという点から、走ってやらんくもないという気持ちで挑戦した次第です。




今回は苦肉を乗り越えた証を残し、次世代のドMへバトンを繋ぐためにもレポを残しておきたいと思います。
推しのライブレポのような、伸びがない単発的な感情で書いてはおりません。練習なしの状態で挑んだ私の捨て身の闘いを、生半可な気持ちで読まないでいただきたいです。
何故か冒頭から棘のあるスタートになってしまいました。
それではいってみましょう。

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0キロ地点





憂鬱な気分でしぶしぶ歩きながらスタート。
仮設のトンネルのような場所をくぐり、見上げるとアンミカがいた。ポジティブなことを言ってるんだろうが何を言ってるのかは全く聞こえませんでした。



やっぱり存在感が大きいなあと思いましたが、
なるほど…これは作為的に視界を遮り、距離が縮まってから姿を見せることで大きく見せる、ユニバのホグワーツ現象だな…さすが大阪マラソン!としょうもないことを考えているうちに、同期が遠のいていきます。



5キロ地点

道路の中を駆け抜けるのはなんとなく楽しい。
意外と市民の方達も応援してくれて、なんて優しいんだと温かい気持ちになりました。






7キロ地点
意外な歓声に喜んでいたのも束の間。
女友達と仲良く並走していましたが、徐々に、徐々に身体が蝕んでいきます。
これで7キロだなんて…




10キロ地点

北浜のおしゃれなカフェに並んでいるカップルにイライラし始める。



インスタで見ていたパン屋も発見した。


10キロまでは無言だった自分の足も、マンドレイクのようにキーキー言い始め、一瞬肉離れのような感覚を起こしました。
もちろん苦しくもありましたが、完全に筋肉が分離している…となぜか勝ち誇った気分になり、ここでリタイアしても逆に「フルマラソンに挑戦し、肉離れになるまで走った果敢な女」という称号を得られるのではないかと考え初め、脱却の可能性を考えます。
勝利と敗北を同時に飲んだ、極めて卑劣で体験したことのない心境でした。
※3分ほどで肉離れは止む。


給水

大阪マラソンでは、5キロ刻みに給水エリアがあります。




なんと、お水だけだと思っていたらアクエリまで…!
オアシスとはこのことか!と思いがぶのみします。
‘’調子に乗ってはいけない”という出走前の私の目標はいつの間にかその場の高揚感に打ち負け、見事腹を下します。
しかしトイレに行くわけにはいかない、ましてや行っている時間もありません。
なんなら肉離れを起こしても休まなかった私がトイレに行くなど、恥の化身だと思ったのです。
少々迷いながらも、確実に歩を進めます。



12キロ地点

足全体に疲労を感じ、走り方を変えようと決意。
すり足をさらにすり足に変え、足裏にかかる負担を減らしました。なんて機転が効く女なんだ。
仕事もこうだったらいいのに…!と負け惜しみながら3キロは保ちます。



15キロ地点

止まってしまうと肉離れが再発するという直感があったため、休む女友達を見捨て1人で走り続けました。
市岡元町という、自分の思い出にかすったこともない街の名前にむしゃくしゃしながら、給水エリアで同期から恵んでもらったロキソニンを投与します。



20キロ地点

ロキソニンが効いてきて体感楽になったものの、やはり疲労を誤魔化すことはできず、人生で初めて強烈なモルヒネを投与したいと強く思いました。

モルヒネをよこせ…




等間隔で喉が渇くので、毎回給水エリアで水分補給を怠りません。
糖分が過剰に欲しくなるのですぐにアクエリを飲むルーティンだったんですが、20キロあたりではアクエリの向こうにまさかのなっちゃんオレンジが置いてありました。
そう、アクエリを飲んだ、その奥にあったんです。

いやアクエリの前におけよ!!!!違うだろ違うだろー!!!

と私の中の豊田議員が騒ぎ立てます。
腹下し第二弾というイベントを並行してやるわけにはいかなかったので、オレンジは諦めました。。



22キロ地点

身体は麻痺しているものの、やけくそに楽になる走り方を模索する。
とりあえず小学生の頃に教わった、積極的に腕を振る方法で走る。





24キロ地点
骨盤で走る。



25キロ地点

肩甲骨で走る。




26キロ地点

競歩を真似して走る。




27キロ地点

足の薬指で走る。

この時にアンミカを思い出した。
走り方は200種類あるのだろうか。



30キロ地点

全てがアホらしくなる。
今自分が走っている意味も、進まない形勢もすべて虚像に見え、それでも30キロまで来てしまったというどうしようもない現実を地点パネルで認識せざるを得ない。

「ここまできたら走るしかない!」というポジティブな感情もなく、ここまできたら「無」である。
その先に夢も目標もない。
何時間も同じ動作をするこのはたらきが「スポーツ」と呼べるのかはわからないが、そうなればスポーツなどくそくらえだと、とにかく投げやりな気持ちになる。


もちろん、精神力の強化に「無」という感情がスポーツ学上必要なことなどわかっている。
わかっているからこそ、イライラする。

セリヌンティウス、すまないセリヌンティウス、、、と見えない同期のことを考えながら、私はひたすらに逃避を重ねる。






35キロ地点

途方もない折り返し地点を幾度なく乗り越え、目標であった35キロ地点に見事到達。
ここからアホほど飛ばしてやる予定だったが、魂は分離しアンミカもいなくなったので、とぼとぼとノミのように歩く。



よく35まできたな…と読者の方は思われたかもしれませんが、音楽を聴き始めたことで精神的なゆとりがあったのかもしれません。
大好きなバイオリニストのユウキさんの音楽から、JPOPを垂れ流していましたが、






この曲で一気に自分の機嫌が悪くなりました。



チェッカーズの悪口を言っているわけではないです。
人には人の乳酸菌という言葉があるように、副交感神経と大好きな音楽はリンクしています。
いきなり曲調が変わって賢者モードにならないよう、みなさんは事前にプレイリストを作っておくことをおすすめいたします。




37キロ地点

応援してくれている観客の女の子から、神戸ショコラ2つをいただきました。



今だかつて、ここまで人間に感謝したことはありません。
BIG LOVE…BIG LOVE…
塗りかべのような顔(こうべ)を垂らしながら、オーバーリアクションで喜ぶ私を見て女の子はドン引いていたと思いますが、そんなことに毛ほども気になりません。
終わってから死ぬほどチョコを貪ってやろうと、強く生理現象を感じた人間味あるシーンでした。




39キロ地点

あれほど「応援してくれて嬉しい…温かい…」と思っていた観客もすべて悪に見えます。
森羅万象すなわちこの世にあるすべての事物、要素、空間が自分にとって鬱陶しく、
温かいエールを送ってくれる人たちにも「応援するなら食いもんよこせ!」となんとまあ、あるまじき23歳OLの姿がそこにあったんですよね。



※家なき子 抜粋


沿道のおっさんに『あと3.5キロ!頑張れー!』と叫ばれましたが、その0.5キロで死ぬほどだるくなりました。
終わった今でも思いますが、改めて謝罪に来てほしいです。




41キロ地点

25キロ付近で抜かしたはずの会社の先輩の姿が右前方に見え、自分の目を疑いました。


「〇〇さんのこと抜かしたんですよ〜笑」とオフィスで談笑することだけをモチベーションに走ってきたのに、それさえも失ってしまうなんて自分のプライドが許さないと、鼻水を垂らしながら狂ったように走りました。
鼻水を垂らすことにもプライドはあるだろと思われるかもしれませんが、お門違いなことは聞かないでください。
あくまで、マウントを取るために仕事というものは存在しています。




42キロ地点

『あと100メートル!』という詐欺師の言葉を聞きながら、もう何も考えずに死に物狂いで先輩を追い抜いてゴールしました。
これほどまでに自分の実力を認めた日はありません。

おじと一緒にゴール





月化粧とよくわからないお菓子1つという、一目で対価に見合わない物をありがたくいただきながらも、達成感で溢れました。




こうして、波乱の6時間を終えました。



取れた


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とまあ、こんな感じで完走いたしました。
文句が多くて申し訳ないですが、なんだかんだ完走したことによって自分なりに達成感を感じられたので、挑戦したことは良かったと思います。
あれですね、きっと、
自分の中の自分の精神年齢が高ければ、成功する確率がグンと上がると思います。




こちらがタイムです。
6時間10分でフィニッシュしました。
私のような煩悩を抱えながら走るとこれくらいになります。ぜひ参考にしてください。





この後は、同期とお風呂に入って焼肉という素晴らしいコースでした。
しかし、お風呂に入っている間寒気が止まらず、どれだけ激アツな湯船に入っても自分の体が落ち着かないといった悲劇の体調不良に見舞われ、冷えによってひどい腹痛が襲いかかりました。
第二次世界大戦の突入です。




結果気分が良くなることなく、焼肉を断念しました…。
お腹が痛くなったので、やはりあの定期的な5キロインターバルがぶ飲みが効いていたんだと思います。
そして、日頃からゴミのような自炊をしている自分にツケが回ってきたのだなとひしひしと感じました。
当たり前ではございますが、文化的で最低限の生活は心がけておくことをおすすめします。



ここまで読ませておいて、そんなにしょうもないアドバイスしかないのかという後味になってしまっていたらすみません。
正直、自分のためだけに書いたブログでした。
これから、自分の将来に進む上で何かにつまずき、キャリアに傷心していたらこのブログを見返そうと思います。



私の勝手なレポートにお付き合いいただき、ありがとうございました。


今日は徒歩5分の場所にあるスーパーまで、筋肉痛で15分かかりました。
もう二度と参加しません。

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