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[小説]深夜の妄想局 ep3

一度疑い始めると、それは真実より真実を紡ぎ出す。
小さな疑問を立証することで、疑いを証明する方法しか残されていない。

嘘の証明を続けることと、相手を信じることは似て非なるものであって、交わることは無い。

一度疑い始めたら、もう元には戻れないのだと、遠くを眺めた。

いつからこの世界線に迷い込んでしまったのだろう。この世界線の先に何があるのだろう。
暗い。ただ薄暗い。一瞬光ったと思ったらまた消えた。まるで夏の蛍のように。

一瞬の幸せを大波がさらってゆく。
そのまま遠くへ追いやって、幸せな瞬間を奪い去った。

さよなら、愛してる。

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