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メキシコ道中私日記-1日目-旅立ちの理由

※この記事は、別のアカウントから移行したものです。

【成田~メキシコシティ】

 これは47歳の私がネットで知り合った23~31歳のメキシコ人の男の子たち6人それぞれとの出会い、旅を通して体験したリアルなメキシコの文化や習慣を綴った物語(ノンフィクション)です。

※会話は基本的にスペイン語で行われています。会話の内容は私独自の解釈もあると思いますので、若干の相違があるかもしれないことをご想像してお読みください。

 私は2009年に訪れて以来約15年ぶりにメキシコの地を訪れた。メキシコ移住を考えていた折でもあった。就職斡旋エージェンシーの人から「物価が随分上がっている」とか、メキシコの知人からも私が行った時とは随分変わっているという話を聞いていたので、永住する前に一度見ておいた方がいいかもしれない、と思いチケットを手配した。
 というのは第1.5くらいの理由で、本当は会ってみたい人がいたからだ。その会ってみたい人というのは、国際交流アプリで知り合った人で、「愛してる」「いっぱいチューして」とかいったやりとりや、「メキシコ住んだら一緒に住もうね」みたいなやりとりを毎日インスタのチャットで数か月やりとりをしていた。やり取りする中で、そのほぼ中身のないやり取りに対し”なんなんだこの不毛なやりとは?”と感じることも時折あった。ただ時々シリアスな内容のメッセージを送ってくることもあって、私の息子が少し学校で問題会った時とかも、彼の幼少時代はかなりのワルで、お母さんを困らせた。お兄ちゃんはもっと悪で、自分が更生した後もお兄ちゃんは悪いことを続けようとしてよくケンカになった、といった内容をかなりの文字数を使って送ってくれたり、今の会社員として働いている仕事の傍ら始めた新ビジネスについて熱く語ることもあった。
 もしかしてチャットではこんな感じだけど、実際に会ったら意外に普通なただのバカなのかもしれない、という期待もしていた。なぜなら私の息子の父親もそういうタイプだったからだ。

 ところがチケットを買っていざ出発3週間くらい前になったころだ。私が「何日空いてる?」と聞いた瞬間から返事がパタッと来なくなったのだ。初めはちょっと返事が遅れているだけかな?とも思ったが、2-3日くらい経ったくらいで、これはもう来ないな、と確信した。なんとなくだがそういった予感もしていた。チャットのほとんどがリアルタイムで行うラリーのような会話でなくて、来たメッセージに返信をするメールのようなタイミングで送ってくることや、他の人たちとの会話と比べて彼との会話は軽い感じの内容が多かったので、私に何を求めているんだろうという疑問は常にあった。ただ目的なんて人それぞれだし、勉強だけしたい人もいればがっつりチャットをしたい人もいる、ただなんとなく繋がっていたいという人もいるので、彼には彼なりの目的があるんだろうなぁと思っていた。同時にそんな中身のない会話のみの毎日のやりとりが不毛だなと感じることもあった。だからチケットを買った時も、メキシコに行くときまでに関係が続いていないかもしれないし、向こうに行ってもすっぽかされて会えないかもしれない、ということは想定していた。でもまぁそうなったらなったらで久々の海外旅行を楽しめばいいや、くらいに思っていたし、行く前に分かったため事前に予定が組めたので良かった。なぜ連絡が来なくなったのか本当の理由は分からないが、直接は会えない理由、例えば既婚者だったとか、何かしらの嘘があったんじゃないかと想像している。
 私は彼のことは頭の片隅に少しだけ残しながら、向こうに行ったら会いたいと思っていた現地の知人数人に連絡をとった。急な連絡に皆驚いていたが、皆会えるということだった。中には私の旅の最初から最後まで付いて行きたい、という人もいた。「他の人にも会うので・・・」と言ったら、「じゃあ自分も一緒にその人達と会う」と言う。困ったなと思い、「他の人は多分望まないと思うよ⁉」と、他の人のせいにして丁重にお断りした。実際他の人も、もし別の男がついて来たら全員が全員快く思うとは思わない。何より自分が一番嫌だった。だって何があるか分からないし二人きりで会いたいでしょ⁉
 そういえば逆の体験をしたことがあった。やりとりしていたアルゼンチン人の人が日本に来るというので、じゃあ会おうか、と言って待ち合わせ場所に行ったら一緒に日本人の女性が付いてきた。彼女が来た事は問題ではなかったし、日本でもそういうことはたまにあるけれど、知らない人に出会えるの嬉しいと思うが、事前に聞いてなかった私は驚いた。後で彼に聞くと、彼女は彼のことが好きで、心配で付いて来たということだった。

賑やかな機内

 アエロメヒコの直行便のだったため、見た感じ8割はメキシコ人だった。飛行機に乗り込むと、修学旅行生か!というようなノリの賑やかな乗客たち。飛行中も立って集まっておしゃべりをしている。海外旅行自体しばらくぶりだったので文明の進化に驚かされた。タッチパネルで操作可能なエンターテイメントの内容が以前よりも充実していて、食事のメニューもパネルで確認できるようになっていた。映画はオリジナル言語以外にもスペイン語の吹き替え版でも見れるような仕様になっていた。

機内座席パネル:食事メニューがモニターで確認できる

 CAさんが歩いてきて「ワインいりませんか?」と勧められたので赤ワインの方を指差し、「ください」というと、まだグラスにビールがたんまり入っているのを見て「入れらんないじゃん」って顔をして通り過ぎて行った。しかし最後の列まで配り終えると、赤ワインが入ったグラスを持ってきてくれた。無駄に丁寧なサービスはないが、やることはやってくれる。それでいいと思った。

入国審査

 空港に着いて道なりに歩いて行くと、荷物を受けとっていないのに入国審査の場所に来た。あれ?見落としたか?するとやはり同じ心配をした男性が空港職員に荷物受け取り場所はどこ?と聞いていた。空港スタッフが入国審査の後にあるよ、みたいな説明をしていて少しホッとしたが、まだ心配なので周りの人の持っている荷物を見回す。皆機内持ち込み荷物しかもっていないようなのでようやく安心した。
 それにしても以前同じ空港に来ているはずなのに全く覚えていない。初めて来たような感覚だ。
 ずっと我慢していたトイレに行くと「ここ空いてるよ」と教えてくれる親切なおばちゃん。いわゆるチップおばちゃんか⁉チップおばちゃんとは、海外のトイレによくいる、トイレットペーパーを渡したり、場所によってはマッサージをしてきた利と色々サービスを押し売りしてきてチップを貰おうとするおばちゃんだ。この気軽にトイレに行けないシステム。あー面倒だー、と思ったと同時に海外に来たんだなぁ、という実感も同時に湧いてゾクゾクしてきた。

 入国審査の列に並んでいると、自分の交代だからと言って審査官がどこかに行ってしまった。さらに他の審査官も次々と抜けて、沢山人が並んでいるにも関わらず審査官は1人だけになった。取り残される入国審査待ちの人々。元々1人の審査官に対して1列だったので、1人残っている審査官の列しか処理が行われない状態になってしまった。処理が行われない列の人達はただ茫然と待ちぼうけ。交代が来てから行けばいいのにそこはメキシコ。客のことなんておかまいなし。しばらくして、メキシコ人向けだった審査窓口が外国人向けに解放されたり、全部の列を順番に案内されるようになって前列が公平に審査されるようになった。審査の内容は「何日間滞在するの?」という質問ともう一つ簡単な質問をスペイン語でされただけで難なく通れた。それでも自分のイメージでは質問すらなくパスポートを渡すだけで行けると思ってたので、いきなりちゃんとした質問をされて少し緊張した。日本と違うのは、連れがいる場合は一緒に審査を受けられこと。これは誰かと来ている人にとっては心強いと思う。私は海外旅行は大概1人なので関係ないが。

WiFi事情

 空港にはネットで知り合って9年ほどになるL君(31)が迎えに来てくれることになっていた。私はL君に会うのは初めてだったが、実は私の知人のYさんはL君に会っていた。Yさんがメキシコに行くと言った時に、知り合いいるんですか?と聞くと誰もいないということだったので、確かL君が日本人と交流したがっていたなぁというのを思い出し、L君に「私の友達案内したい?」と聞くと、「したい」と答えたので紹介したのだった。
 空港に来てくれるといったL君に連絡しようと思い、事前に買っておいた"airalo" というeSIMでネットに繋げようとするが全然繋がらない。フリーWiFiを探すと空港のフリーWiFiとメキシコのフリーWi-Fiがあった。しかしどちらも繋がらない。一応便は伝えてあったので、来てくれているかなと思い出口でL君を探すも見当たらない。
 あーヤバいヤバいヤバい、どうしようどうしようどうしよう。
L君が来ていないかなと出口付近をウロウロする。なんせ写真では見た事あるけど、実際に会ったことはないので気づいていないだけかもしれない。それでもそれらしき人物は見当たらず、何度もフリーWiFiにつなごうとしているとようやく繋がった。L君に連絡がとれると、まだ着いていないという。後で聞くとL君は別のターミナルに行っていたということだった。

 初めて会うL君は、写真のイメージ通りまんまだった。見た目も写真通り、キャラも想像通り、‟いい子”といった感じの子だった。L君と感動(!?)の対面を終え、街に出るバスに乗ろうとバス停に移動した。するとL君がバスやメトロに乗れる日本でいうSUICAみたいなカードをハイって渡してくれた。お金は既に入っていてもう乗れる状態になっているという。やるじゃん、L君。バスに乗って会話をしながらL君のスマホを見ると、充電が27%だったので、「27%しかないよ!」と言うと、「あっ!」と何かを思い出した様子のL君。「自分空港にまた戻らなきゃ行けない」と言う。
「なんで?」と聞くと、
「バッグをトイレに忘れた」と言う。
 そのバッグにモバイルバッテリーが入っているので気づいたのだ。
 正直メキシコでバッグなんか忘れたらもう戻って来ないと思った。
 途中停車するバス停がほぼないバスだったので、一旦目的地である街中まで行き、再び同じバスで空港に戻る。空港に着いてすぐにトイレを見に行くL君。バッグは見つからない。トイレ掃除のおじちゃんみたいな人に話しかけるとお客さんが届けたのか、そのおじちゃんが届けたのか分からないが、バッグは管理事務所にあるという。おじちゃんや警備員たちと笑顔を交えた雑談で和やかな雰囲気になっている。てっきりもう盗まれていると思っていた私はメキシコを見直した。

 再び同じバスに乗ろうと乗り場に行くと、L君がカードにチャージをすると言ってカードをカード置きに入れて財布からお金を出そうとする。私がL君がチャージする様子を眺めていると、カードを入れる場所にどう見ても違うカードが入ってる。Suicaクレジットみたいなものかなと思ったら、「あ、銀行のカードだった!」とL君。そしてお金を入れようと財布からお札を出すとお札はバラバラっと地面に落ちた。色々抜けているL君。こんなんで本当に治安が悪いと言われているこの街で生きて行けているんだろうか?
「本当にメキシコシティで生活してる?」と聞くと、照れ笑いをしながら「うん」と答えた。その後もバスの乗り場や地下鉄の乗り換えも全部人に聞いていて、とてもこの街の人には見えなかった。

メトロ(地下鉄)

 2009年に来た時メトロは2ペソだったが5ペソに値上がりをしていた。メキシコのメトロはどこまで乗っても同じ金額だ。今回は1ペソ10円くらいだったので、50円で乗り放題。そのメトロに比べてタクシーは高い。日本と同じくらいの金額か、ぼったくりタクシーもいるから下手するともっと高い。最近は皆タクシーよりも安くてぼったくられることのないUBERを使うのが一般的だ。

 日本で購入したeSIMが使い物にならなかったので、メキシコ人から聞いていた”メキシコはこれしか使えない”と言っていたtelcelという会社のSIMカードをメトロのコンコースの出店で購入した。5G分のパケット込みで約80ペソ(800円)くらい。こいつのおかげでその後のネット問題は快適になった。

メトロ:キース・ヘリング風(⁉)のパッケージ車両

 メトロに乗ろうとすると、平日昼間にもかかわらずラッシュ並みの人の多さで、スーツケースを持っている私達は簡単に乗れない。L君に「前に来た時こんなに人多くなかったよ」と言うと、「移民が増えているし、月曜だからじゃないかな」という。その後月曜以外もメトロは混んでいたが、移民が増えているのは本当のようだった。IMF - World Economic Outlook Databasesの情報によると、2009年に約1億2千万人だった人口は、2023年には約1億3千万になっている。

メトロ:女性専用車両の表示。比較的空いているので女性ならこちらに乗るのがお勧め。

 何本か列車を見送り、まぁまぁ空いている電車に乗り込んだ。実際には日本人の私から見たら行けるじゃん?と思った電車も何本かあったのだが、スーツケースを持っているからか、私を気遣ってか、普段からそうなのか、L君の判断で何本か見送ることになったのだった。電車の中でもL君は、ちゃんと私が危なくないように立ち位置を誘導してくれたり、降りるタイミングを教えてくれたりサポートしてくれた。

 十数年ぶりにメキシコのメトロに乗ると、色んな顔や髪型、ファッションの人がいるなということに気が付いた。当然どの世界に行ってもそうなんだが、日本の場合、ある程度‟あるべき姿”という枠に収まった人が多いのに対し、メキシコではふり幅が大きく、それぞれがしたいような恰好をしているように見えた。

 日本の地下鉄には普通にあるもので、メキシコのにはないものがいくつかあった。まずは、エスカレーターやエレベーター。設置されている駅もあるけれど、全駅にあるわけではない。だから、スーツケースなどの重い荷物を持っていても一生懸命階段を上るしかない。レディファーストの海外なので、私のスーツケースは男であるL君が持ってくれた。
 他には、点字ブロックやホームドア。それらがなくても白状の人はちらほら見かけた。驚いたのは、盲目の親子3人が歩いていたことだ。一瞬なんちゃって盲目でお金を稼ごうとしている人達かとも思ったが、目が潰れていたので本当に見えないのだろう。盲目って遺伝するんだっけ?そうでないとしたら・・・少し嫌な想像をしてしまった。いや、街を見ている限りそういった事は想像しがたいし、そう思いたい。パパが杖も持たなければいけないため、両脇から抱えていて、子供は脇だけで支えられている状態なので落ち着かないのだろう、ギャン泣きしている。ただの日常の親子風景なのかもしれないが自分の妄想も加えて痛々しく見える。主観って怖い。お母さんが変わりに抱っこするとその子は落ち着いた。電車が着くと電車の中にいたおっちゃんが親子3人の肩を抱き電車の中に引き入れた。
 逆に日本の地下鉄には無いけれどメキシコにはあったのは、ホームに取り付けられたモニター。行先表示とか直接電車の運行に関係しているものではなく、映像と音楽をギンギンと流すためのものだ。

メトロ:音楽流すためのモニター

ソカロ(Zócalo)

 本日泊まる予定のホステルがあるソカロに着いて、お昼を食べることになりピザ屋さんに入った。
 カットピザを頼むとハラペーニョソースがついてきた。おー、これぞメキシコ!「このソース辛い?」とL君に聞くと、「辛いかもしれないからちょっとだけ舐めてみた方がいいと思う」と言う。一応聞いてはみたが正直現地の人が言う辛い辛くないの基準は信用していない(ごめんよ、皆。でもこのやりとりが好きなんよ)。アドバイス通り少しだけピザにかけて食べると、タバスコ程度の辛さだったので、「辛くないよ」とL君に伝えて残りのソースをピザにかける。安心してピザにのっている緑の具を口に入れた。その瞬間。
 辛っーーーーーーーーーーー!!!
 いや、さっきのハラペーニョソースの非じゃない!舌を一瞬その緑の物体につけただけなのに鋭い刺激が舌を襲った。緑の物体はハラペーニョだったようで、そいつも澄ました顔でピザにのってるから油断してしまった。
 隣でL君がニヤニヤ笑っている。いや、あんたもソースよりこっちを注意するべきでしょ!その後、その緑の危険物は取り除いてピザを完食した。
 2人でカウンターで食事をしていると、まだ5、6歳くらいの女の子が店の中に入って来て、私達に話しかける。手には袋に入ったお菓子みたいなものを持っている。子供の物売りだ。女の子はまだ小さいのに活舌よくハキハキと商品説明をする。
 「いくら?」と優しく女の子に聞いて商品を買うL君。「何それ?」と私が聞くと「お菓子。子供の頃よく食べたんだよ。食べる?」とパッケージを開けると中に入っていたのは砂糖のような粉。一口もらって食べると、砂糖の甘さにピリ辛の後味が残る。砂糖の粉にチリパウダーが混ざっているような代物だった。
 2009年に来た時にも驚いたことだが、普段物売りとかがいない日本で育っている私は、こういう物売りから物を買うという習慣はない。それどころかなんだか騙されたような気がして、”買ってはいけない”という意識すらある。しかしメキシコではこういう人たちは普通にいて、街の人達もあしらうこともなく普通に接している。物売りだけでなく駐車の時に頼んでもいないのに勝手に誘導してチップをもらおうとする人もいる。でも私の知人は普通にチップを支払っていた。

ソカロ広場

 クリスマス前のせいか人口増加のせいなのか、ソカロも人で溢れている。私の知っているソカロはもっとゆったりとしていた。
 街中には大音量の音楽、自分はこれを売ってるぞと歌を唄っているようなリズムで大声で叫ぶ商人達、車が通る音、通りの真ん中で手回しオルガン(オルガニジョ)を回す人、メキシコシティは視覚的にも聴覚的にも賑やかな街だ。

ソカロ

 前回来た時と季節が違うからか、ただ記憶にないだけなのか、2回目だから見方が変わっただけなのか、今回の旅で見たメキシコは前回の印象とまた少し違っていた。前回スペイン語が全く分からなかったのに対し、今は日常会話くらいは出来るようになっていたというのも、メキシコの違う面々が見えた大きい理由かもしれないが。

ソカロ広場

ホステル

 L君に付き添ってもらい今回の宿泊先である‟ホステルアミーゴ”というソカロ駅から徒歩5分ほどのホステルに行く。最寄りの交通機関はイサベル・ラ・カトリカ(Isabel la Catolica)というメトロバスのバス停なのだが、それに気づいたのが最終日だったので、もっと早く気づいていれば無駄な乗り換えしなくて良かったのになと思った。今回泊まるところは2009年の時にも泊まったホステルだった。当時は4人ドミトリーで1泊8USDだったので都会にしては安いと思ったが、今回は約19USD、2倍以上値上がりしていてたので、メキシコシティの物価の上昇を実感した。
 L君はその後仕事があるということでここでお別れをした。

ホステルアミーゴ:手で窓を閉められないくらい天井の高い部屋

 久々に訪れたホステルアミーゴは、同じホステルではあったけど、15年前とは随分変わっていた。内装も変わっていて、フロント横にあったソファの置かれたロビーも無くなっていた。前回の賑わいも減っていて、建物の随所随所に物が置かれていたりして、なんというか少しさびれた感じがしていた。全く変わっていなかったのはスタッフの対応の良さだ。スタッフの対応の良さと気軽に話しかけられる雰囲気は健在だった。前回泊まった時は今回無くなっていたロビーのソファで日本人数人と男性スタッフが集まり雑談をしていたのだが、私はスペイン語が全く分からなかったので遠慮しようとしたら、男性スタッフが、「一緒に座りなよ、英語に訳してあげるから!」と言って一生懸命訳してくれた。チェックイン時に対応してくれたスタッフの女性に「私2009年にここに泊まったんだよ」と伝えると笑顔で「あらそう」と答えてくれたけど、それ以上に話が膨らむことはなかった。

ホステルアミーゴ:以前はなかったような家具が配置されていた


 女性スタッフに指定された部屋に行くと、4人部屋で予約したはずなのにベッドが8個ある。あれ、間違っている?4人部屋が8人部屋でも大した分からないけどもしここが男女混合部屋だったら嫌だなと思い一応フロントに確認しに行った。
「4人部屋を予約したはずなんだけど」と伝えると
するとフロントの女性が
「4人部屋がいいの?」と聞いてきたので、追加料金を請求されては困ると思い、予約したBokking.comの画面を見せると、
「大丈夫よ!」と部屋を変えてくれた。
新たに案内された部屋に入ると、女性が一人と男性が話していた。
「Hola~!」と言うと「Hola~!」と返って来た。
男性はただ女性に用があって来ただけの人だったようで、すぐに出て行った。
 で、その女性。その後もずっと私の滞在中ずっと居た。”居た”というのも滞在していた、というのではなく部屋にずっと”居た”のだ。彼女はずっとベッドに横たわっていた。たまに咳をしていたので体調を崩していたのだろう。よく数時間にもわたるビデオチャットを男性としていて、その内容も男性がぐずぐずしているのに対して慰めている様子でどういう状況なのだろうと気になった。そんな長い期間ずっとホステルの部屋に籠っていた理由も含めて彼女と話をしてみたかったが、流石に行き過ぎた質問かと思い聞くのは控えた。

メキシコ道中私日記-2日目に続く


左:排気ガスと乾燥が凄すぎて購入したマスク下:女の子の物売りから購入したピリ辛砂糖真ん中:メトロとメトロバスに乗れるカード右上:telcel SIMカード上:20ペソ紙幣とコイン


#airalo #Zócalo #Mexico #CDMX #telcel




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