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四国のひとに聞いてみる!Vol.1 〈NPO蛸蔵さん〉 -芸術に今、これから出来ること-

今回は、高知で活動されているNPO蛸蔵の吉田さんにお話いただきました!

NPO蛸蔵とは・・・NPO蛸蔵は、高知市を拠点に活動する演劇、自主上映、音楽、出版などを手がけるメンバーが設立したNPO法人です。アートゾーン藁工倉庫の施設整備・経営・雇用は「NPOワークスみらい高知」が行っていますが、蛸蔵における各種公演や日々の貸出に関する実務は本法人がサポートしています。詳細はこちら


吉田


インタビュイー:吉田剛治(よしだごうじ)氏 
〈プロフィール〉
1973年高知市生まれ。1992年有限会社キャットキッズクラブへ入社。コンサートツアーの現地制作業務に携わる。その後株式会社コール(舞台照明・音響)、須崎市立市民文化会館(自主事業及び舞台技術担当)を経て2001年より高知市文化振興事業団に勤務。
現在は同財団に勤務する傍ら、藁倉庫を改装した劇場「蛸蔵」の運営や、市民による音楽交流団体「国際的な音楽交流を中心に高知を楽しくするプロジェクト」、自主上映団体「Sound=Cinema」の事務局を務めるほか、地域に暮らす方のお話から立ち上げる市民参加の演劇公演「須崎のまちの物語」(2018/2019)や、高知の若手演劇人の底上げを目的とした「タネマキカク」(2018)のプロデュースを行う。


- NPO蛸蔵さんのこれまでと現在の活動、四国での活動についてお聞かせください -

蛸蔵の立ち上げからの詳細はこちらに掲載しておりますが、
http://yoshida-works.undo.jp/?p=508
もともとは、高知で文化活動を行う有志により設立された「ART NPO TACO」という組織が作った多目的スペースを蛸蔵と名付けました。
2007年にオープンし、ギャラリーやワークショップスペース、映画上映会やコンサート、演劇の会場として使用され、2011年12月に日本財団の助成を受け、現在の場所に耐震補強工事や劇場機能を盛り込んで移転オープンしました。
移転オープンにあたり、ART NPO TACOに加え、施設利用の中心であった高知演劇ネットワーク演会、高知県映画上映団体ネットワーク、高知市内で音楽イベントの企画を手がけるterzotempoのメンバーが集まり、NPO蛸蔵が組織され、現在NPOのメンバーで施設運営を行っています。
現在は高知県の小劇場の中心的会場として、県内外から多くの団体に利用されています。


- 昨今の新型コロナウイルスによる団体/施設の活動の影響やそれをどう捉えていますか? -

2月後半から3月にかけて予定していた一般利用が全てキャンセルとなりました。また毎年春から初夏に開催する「演劇祭KOCHI」は本年、高知演劇ネットワーク演会の設立20周年記念として、過去最大の14団体が参加して盛大に開催する予定でしたが、こちらも時期未定の延期となりました。
蛸蔵の運営は、家賃や光熱水費などの支払いを会場利用料収入でまかなっており、現在収入が途絶えてしまった状況で、経済産業省の持続化給付金の申し込みや、大家さんへ家賃減額の交渉をしているところです。
この他、毎年8月に地域の方へ施設を親しんでもらうために開催している「わらこう夏祭り」や、10月に開催予定の小作品公募プラグラム「蛸蔵ラボ」といった自主事業も、開催の可否を検討している状況です


- この状況下に置かれた舞台芸術がなせることは何だとお考えですか? -

人の営みや社会生活の基盤が大きく揺れ動いている中で、舞台芸術も新たな価値観や新たな表現手段にシフトしており、先鋭的な事例も多く見受けられます。
そういった活動や表現者の心意気は素晴らしいもので、画面越しに応援をしておりますが、個人的な考えとして、それでも演劇は「同じ場所に表現者と観客が集い、同じ時間を共有する」からこそ成立する芸術だと思っています。
新しいスタイルの表現も生まれる一方で、従来の舞台芸術も今、この荒波を体験することで、それぞれの表現者の中で生まれてくる「何か」があるんじゃないかと思います。
いつか事態が収束して、稽古場に集える時が来たら、そこからが演劇の巻き返しじゃないかなと思っています。


- 高知/四国での今後の活動についてお聞かせください -

今後の活動予定はあるのですが…。例えば高知演劇ネットワーク演会の20周年事業や、個人的にも秋以降に計画している公演について、開催できるスケジュールと開催できない場合のリミットを考えながら、状況を注視している状態です。


吉田さんありがとうございました!


インタビュアー:田中直樹(東温市 地域おこし協力隊)


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