ロゴ制作実績-04

「デザインのルールを売る商品」を発想した話

大学を中退してから、フリーランスデザイナーとして食っていくために頑張る雑記。

(↓1回目の記事はコチラ↓)


今回は、フリーランスで食っていくために必死に走り続けた三ヶ月間で、印象的だったデザインのお仕事と、そこから商品を発想したお話。


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自分がフリーで活動し始めたこの三ヶ月間で、一番印象的だったお仕事が、古本屋「葉っぱや」様のクリエイティブディレクションだった。

ロゴ・キャラクター・web等、クリエイティブディレクションという関わり方で、活動のビジュアルイメージ作りを広く担当させていただいた。
(↓制作物を詳しくみたい方↓)


このお仕事では、プロジェクト全体に共通するデザインのコンセプト、マナーのようなものをまず決め(=クリエイティブディレクション)、その後具体的な制作物に落とし込むまでを担当させていただくことになっていた。

ここまで大きな仕事をいただけることはあまりなく、実績が少ない駆け出しのフリーランスである自分を、信頼してご依頼していただいたクライアント様には、本当に感謝してもしきれない思いだった。


しかし、制作を進行している途中で、予算の関係から、「具体的な制作物の依頼は取り消しして、ロゴやイラストを素材として納品してほしい」という、依頼内容の変更が発生した。

①コンセプト、テーマ決め(クリエイティブディレクション)

②ビジュアルの土台になるロゴとキャラクターの制作

③それらを具体的に適用したwebデザイン、DTP等のデータ制作

という進行の中で、②まで制作したところで、依頼内容に変更があり、ロゴとキャライラストを素材として納品して、そこから先のwebへの実装等、具体的な制作は、クライアント様にお任せするという形になったのだ。
(なので、上記画像のDTPとWEBは想定イメージのもの。)

もちろん、この変更に不満があるという話ではない。
確かに、ロゴとメインビジュアルになるキャラクターがあれば、デザインは作れる。
ただ、変更のお話を聞いた時に、「自分がコンセプトから丁寧に制作したデザインを、最後のアウトプットまで面倒見きることができない」という状況に、不安を覚えた。


自分は、ロゴやキャラクター等、それぞれの見た目をただオシャレにデザインしたわけではない。
プロジェクト全体の幹になる、デザインのコンセプトを作り、その幹が枝分かれするようにロゴやキャラクターを制作した。
その幹は、クライアントの目的を達成すること、クライアントが表現したい世界観を具現化するということのために存在している。

そして、具体的なグラフィックを制作する際には、ロゴだけでなく、余白感はどうなのか、どんなフォントと組み合わせるのか、どんなカラーの上に置くのか、、等検討する要素は沢山あり、それらがすべて幹に則っていることで、意図したビジュアルが完成する。
つまり、ロゴが使われていればそれでいいという話ではないのだ。

クライアント様はデザインに対する感度もあり、ソフトも最低限は扱えるという方だったので、そこまで的外れなアウトプットになることはなさそうだったが、作ったデザインを、100%の形で受け手に届けたかった。



そこで発想したのが、「デザインのルールを、素材データと添えて納品する」という方法である。

つまりは、クリエイティブディレクションの部分を、具体的なルールとして納品し、それをもとにクライアント様がデザインを組み立てていくという方法である。

・色はこの色のみ使ってください(カラーコード指定)
・フォントは大見出しにはこれ、小見出しにはこれを使ってください
・余白はなるべくゆったりとって、余裕のある感じをだしてください

このような具体的なルールが添えてあるだけでアウトプットの質が上がるのでは、と考えた。


大きな予算感のプロジェクトでは、このようなルール作りやそれに則った制作は、当たり前に行われていると思うが、予算に限りがあるプロジェクトでは、どうしてもビジュアルすべてに対して面倒をみることは難しい。
とくに、クラウドソーシング系の案件を過去にやった時などには、それを強く感じた。(素材としての納品がほとんど。)

そのような状況に、このデザインルールがあれば、デザイナーの手を離れても、ビジュアルに統一感や意図が生まれて、アウトプットの質が上がるのではないだろうか。
クライアントに最低限の制作スキルが求められることが難点だが、素材のみで納品するよりかは何倍も良いし、ツールやサービスを使えば、だれでもデザインを作ること自体は可能な時代だと思う。(このクライアント様は、baseでの実装をするとのことだった。)


ということで、「ロゴ」、「メインビジュアルになるキャラクター」、「デザインのルール」という三点を最終的には納品し、クライアント様にも喜んでいただけた。



そして、、、

「この納品方法、商品としてパッケージ化したら、需要があるかもしれない、!」と納品を終えて一休みしている時にひらめいた。

まず丁寧にヒアリングをして、プロジェクト全体のビジュアルイメージを制作。
次にそれに準じたロゴ等の素材と、デザインルールを作って、
最終的にセットで納品。

こうすれば、コストを抑えながら、ビジュアルの質を高められる。
いわば、「最小規模のクリエイティブディレクション」が成り立つのではないか。


ということで、「ロゴ+デザインルールのセット」を、アメーバ様のスキル売買サービスREQUにて販売開始してみることにした。

需要があるのか正直謎ですが、もし興味があったら覗いてみてください。

僕自身も未知数ですが、言えることは、「安価で、素材としてのロゴ制作を頼むなら、ちょっとお金だしてこのサービスを選んだ方が、効果的なものが作れるかもよ、!」ということです。
(ロゴ制作の商品なので、何か新しくプロジェクトを起こしたりする方に、フィットするかなと思っています。)

もちろん、商品でなく、仕事としてのクリエイティブディレクションもお待ちしております!



と言うことで、長文になりましたが、実績から商品を発想したお話でした。
「目的を達成するために、そのアウトプットが効果的に機能するのか」ということを考えて、柔軟に対応するということは、デザインのお仕事では常に意識するべきだなあと感じる、印象深いお仕事だったなあと思います。


フリーで活動し始めて三ヶ月、前回のイラストの取り組みと合わせると、多方面に仕事が発生する種をまいたつもりなのですが、はたして芽は出るのでしょうか、、(遠い目)


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