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洞窟の番人、スー=チーを使いたかった


「洞窟の番人、スー=チー」は兄弟戦争で登場した8マナ無色のアーティファクト・クリーチャー。レアリティはアンコモン。
8/8/8と大振りなサイズに加え、警戒、護法4の能力持ち。
更に死亡した時にはターン終了時まで失わない無色8マナを残す。

元ネタであるSu-Chiというクリーチャーが4/4/4で死亡した時に無色4マナを残すクリーチャーであり、全てを2倍にしたといった所か。

そういう訳でこいつ自身の名前がスーチーみたいになっているカード名は
翻訳がおかしいとされているらしい。
「スーチーが生息する洞窟の番人をしているクリーチャー」ってことか。

※でもこの記事ではこのカードを「スーチー」と短く呼ぶので
 よろしくお願いします。

このカードを使いたい。
イラストはかっこいいし能力もザ・無色という感じで魅力的だ。
しかし大きな問題がある。
リミテッドではともかく構築では8マナという超ファッティは、リアニメイトが前提になるだろうからその重さは受け入れよう。
しかしリアニメイトとなると強力なライバルたちが同セットにいるのだ。


「ファイレクシアの門」は場に出たら相手のクリーチャーを3体生け贄に捧げさせ、アップキープの開始時に墓地のクリーチャーを毎ターンリアニメイトする。相手がクリーチャーを使わないデッキでもなければ、着地した時点で大きな有利となるだろう。
「街並みの地ならし屋」は唱えた時と攻撃時に相手の土地でないパーマネントを破壊して、パワーストーンに変換させる。効果は「唱えた時」なので
リアニメイトで出てきた時には仕事をしてくれないが、相手が除去を持っていない場合は毎ターンパーマネントを破壊しながらトランプルで大ダメージを与える、破壊力抜群のカードだ。

現スタンダードにおいての「無色の超重いカードで、リアニメイトしたら強い」枠はこの2枚が席巻している。


どうせリアニメイトするならこのあたりの方が強い気もするが、今回はあくまで「無色」カードにこだわっているのでご了承頂きたい。これらを使うと「リアニメイトカードの色」「クリーチャーの色」をデッキに入れるようになってしまうので、ぐちゃぐちゃになってしまう。無色にこだわる理由はこの点での差別化だ。


私は神話レアのワイルドカードに余裕ができたらさっきの2枚を作ろうと思っていたのだが、余裕など出来るはずがなかった。
そういった懐事情も踏まえて、アンコモンであるスーチーを使いたいのだがどうすれば良いだろうか。

どうすれば、と言ったもののやるべきことは明白で、
死亡した時の無色マナ8点を上手く利用するべきだろう。
この8点で「街並みの地ならし屋」を出したところで何がしたいのか意味不明なので、(それなら最初から地ならし屋をリアニメイトすればよい)
分かりやすいのはX点火力を使うことだ。


となると、やはりこれだろう。「トーテンタンズの歌」。
現スタンダードにはプレイヤーに撃てるX点火力は存在しないので、
(クリーチャーにしか打てないカードばかり)
これが唯一の実質的な本体火力になる。
スーチーが死亡して8点出れば、赤マナが1つあると仮定すれば8点出せる。

しかしこれでは足りない。ブロックされる可能性も考えると相手のライフを半分も削ることが出来ない。もう少し工夫が必要だ。



分かりやすいのはスーチーを死亡させるために投げ飛ばし系のカードを使うことだろう。8点を顔面に投げ飛ばし、8点をトーテンタンズの歌で殴る。
幸いここまでのカードの色は赤黒2色で済んでいる。

しかしこれでも足りない。コンボデッキはしっかりと20点以上の火力を
用意しておきたいものだ。スーチーを2回投げられるような手札など
あまりにも都合が良すぎる。
どうすればスーチー2体を死亡させられるだろうか?



ここから結論が出ずに私は一度デッキ作成を諦めたのだが、
「ブルームバロウ」でピッタリなカードが登場した。


それがこの「とぐろ巻きの再誕」である。
リアニメイトに加え相手にカードを1枚与えれば1/1のコピーも付いてくる。
これでスーチーを2体用意できる。狙いは死亡した時の8点マナなので、
コピーが1/1で出てくることは何も問題が無いのだ。


とぐろ巻きの再誕を使うならもっと良いリアニメイト先があるだろうと言いたい気持ちは分かる。しかしスーチーは「除去されて良い」強みがある。
自分から生け贄に捧げる手段は必要だが、相手がすぐに除去を使ってきたら
むしろありがとうという感じだ。

スーチーの死亡時8点マナはそのターンの終了時に無くなってしまうため
相手ターンに除去されると厳しい。
リアニメイトした自分のターン中に勝負を決めたいので、事前に準備をしておこう。


サクり台としてはこのあたりか。見たことのないカードが多いが、
探してみたら意外とあるものだ。こういう発見がデッキ構築は楽しい。
「屑肉の再利用者」の1点ドレインが結構響くかもしれない。
「タリアンの日誌」はアーティファクトで壊されにくいしドローも出来る。
「王国の未亡人、アヤーラ」はサクるだけで8点ドレインになる。
3種目の 投げ飛ばしとカードと見ていいだろう。
「人体改造期の供儀台」なんかは差し引き10マナも出せる。すごいぞ。



では、ここまでのコンボをまとめよう。
①【洞窟の番人、スー=チー】を墓地に落としておく
② サクり台となれるカードを出しておく
③【とぐろ巻きの再誕】を唱え、スーチーを2体戦場に出す。
④ サクり台でスーチー2体を生け贄にする。投げ飛ばしもあれば8/8に使う。
 無色16マナが生まれる。
⑤【トーテンタンズの歌】で1/1速攻が15体。投げ飛ばしが1回通っている
 なら、20点は狙えるだろう。


これで完成だ。






いや弱いってこれ。必要なパーツ多すぎる。

相性の良いカードとかシナジーを求めすぎてぐちゃぐちゃになってる
パターン。最悪だ。ワンショットキルするためにはとぐろ巻きの5マナだけでは足りないのも駄目。
「リアニメイトしたクリーチャーを生け贄に捧げる」というゴールが間違っているのかも。普通そんなことしない。

突然ですがこの記事は終わりです。


デッキビルドが上手くいかない時ってこんな感じ。
散々考えた末に放り出して寝ることが良くある。
でも考えている時間も楽しいからOK。
もちろんデッキが形になって、それで勝てるのが一番良いのだが…






「とぐろ巻きの再誕」俺で良くね?

あなたは出てこなくていいです。




追記:9/6
茶単デッキにスーチーを採用してみました。


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