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「人は夢を二度見る」は「羽根の記憶」の後日談(乃木坂46)

乃木坂46の32ndシングル「人は夢を二度見る」の配信が開始されたので、電車のかなで全曲ずっとループで聞いてみた感想(評価とは批評とかではなくあくまで感想)とそれにまつわる思ったことを書きましょう。


32ndシングル選抜メンバー

乃木坂ANNで初オンエアで聞いたときにはメロディーラインが引っかかって「おろっ?おろっ?」ってカンジだったけど、くり返し聞くとその違和感もなくなってとてもすきになりました。
春という季節に次に向けて出発する人たちへの応援ソングであり、(ワシみたいに)年齢を重ねてきた人々へ「まだまだ大丈夫」っていう気持ちにさせてくれる曲でした。

なかなか公開されなかったMVですが、素晴らしくステキに仕上がってました。Youtubeのサムネイルとして表示される幸せそうなくぼしたを見るだけでもうオールオッケーですね。

MVの頭で山下ちゃんのため息から始まってるけど、音源のド頭がちょっと不自然な始まり方だなって思ってヘッドフォンで耳を澄まして聞くと、かすかに吐息っぽい音が入ってたから、それが山下ちゃんのため息なんだろうって勝手に推測。

MVでは冒頭でやる気がないくぼしたの二人が幽体離脱して彷徨ううちにNOGIZAKA46の仲間たちに誘われてダンスを始めるっていう展開です。Wセンターとしてダンスを踊り始めるも暗い表情のままで、途中でグループの輪から抜け出してしまう二人。
ここらあたりは夢を持って乃木坂46に参加したものの、途中で休業したくぼした二人の暗示かなって思ってみてました。で、その後にはまた乃木坂のメンバーたちが彼女ら二人をいざない一緒にダンスしているうちに二人にも笑顔が戻り、また一緒に踊り始めるっていう展開には、休業明けから不安なまま乃木坂に復帰したら、メンバーみんなが優しく迎え入れてくれたってことを表現してるんかなって思いましたよ。
乃木坂メンバーになるという夢を叶えた二人が、挫折を味わいつついま自分たちが中心となった乃木坂で次の夢(それがはなんだろう?)に向かって進んでいくぞっていう意思を感じたMVでした。
って、表題曲について長く書きすぎた。

最初のサビ直前のこのグループ名が出るタイミングにテンションがアガった
なんてかっこいいんだろうって

乃木坂46 全メンバー

2代目キャプテン秋元真夏さんの卒業ソング。
タイトルの「サヨナラ」がカタカナなのは、橋本奈々未さんの卒業シングル「サヨナラの意味」からのつながりを感じさせるためでしょうか。
アレンジや曲調がちょっと古めな印象ですが、だからかリズムやリフレインが好きです。単純にいい曲だと思う。
ラストの「さよなら」は「僕が手を叩く方へ」のラストのアレンジは最初男性の声で「がんばれー」っていう語りだったってことを誰かが(山下ちゃん?)話してたけど、そのアイディアをこの曲に持ち込んだのかなって思いました。


5期生

杉山勝彦大先生が作曲の5期生曲です。素直で純粋な明るくかわいい王道アイドル曲だった「17分間」と比べるとちょっと影があり、メロディーは「バンドエイド剥がすような別れ方」のうねるようなサビのメロディーに続く、サビに引っかかりがありまくりの印象的な曲でした。
アウトロの「思ってもいないのに」っていうフレーズがとても良いです。
「ありがちな恋愛」な感じも味わいました。

MVは32nd表題曲と同じセンターメンバー(てれぱん)が眠っているような表情から始まるのが「夜明けまで強がらなくていい」の齋藤飛鳥さんを思い出しました。(あちらはバスタブの湯に浸かってたけど)

普段の不思議ちゃんモードを封印して美少女モード全開なてれぱんを始め、メンバー全員が美少女モードで迫ってきます。特におかひなの印象が普段(定点カメラとか)と全然違う。
みんな可愛くて強力です。やっぱ乃木坂5期生は強い。


遠藤さくら 井上和

今回のシングルは全体的に昭和感というかちょっとレトロ目な印象を受けるアレンジの曲が多いのですが、これが筆頭かも。ワシラ世代にとっては絶頂期の松田聖子のアルバムに入ってても不思議じゃない曲と感じるにちがいない。1980年代のJ-POPの女性歌手が、たとえば若い時分のEPOとか竹内まりやとかが歌ってそうな曲。スキです。

遠藤さくら&井上和というこの上なく強力メンバーがタッグを組んだこの曲で、最近ワシが褒めてるさくちゃんのウイスパーボイスとなぎちゃんの高音が力強い歌声とが意外にマッチしてるのはミキサーの人がすごいのか。ふたりとも特徴をもった声が良いと思いました。
二人にぴったりな曲です。
バックの演奏やコーラスに初期の乃木坂を思い出しました。

リップをつける回数まで 盛ってしまったくらい
可愛くみられたくて

「黄昏はいつも」

「可愛くみられたくて」って誰が言ってるんだーってなことですよ。現代の本邦アイドル界でも可愛さのトップを争ってるっていっても過言でない二人が「可愛くみられたくて」って「キミらは今でも十分過ぎるくらい可愛いだろうに!?」ってことで現実味がない気もしますが、よく考えればこの歌詞は彼女らに好きな人ができたとき心の奥に発生するだろう本音の端っこなのかもしれませんね。

「可愛くみられたくて」って、そんなこと誰が言ってんですか?

街角を歩いても ばったり会えないかな
そんなことを想って一人歩いてる

「黄昏はいつも」

ワシも若い頃そんな気持ちを持ったことがあるような記憶があるような無いような。
秋元康が書く歌詞はやっぱすごい。


久保史緒里 向井葉月 金川紗耶 黒見明香 柴田柚菜

もう少しリリース時期が早かったらWBCの応援テーマソングになったかもしれないと思える曲。ワシ的には32ndシングルでお気に入り曲一等賞有力候補です。

CHAGE and ASKAかゆずあたりが歌ってそうな曲調と歌詞ですね。1980年代あたりの洋楽にありそうな気もしました。

いろんな現場で頑張っている人たちに対する応援歌です。
正直、歌詞を読めば具体的に野球を表現しているのが少し残念で、そこをうまく処理すれば野球だけではなくてスポーツ全般に渡る、そしてスポーツ以外に対しても普遍的な応援歌ってことでもっと広く浸透する可能性が高くなったんじゃないかって思います。

所謂アイドル楽曲らしくない曲で、試合前に大音量で流すとかやればテンション上がるし、たとえ試合結果が負けであっても「よし次こそはやるぞ」という気持ちになれる、選手もファンも一緒に前に進もうという気持ちになれる、そんな曲でとてもスキです。

で、この曲WBCには間に合わなかったけれど、日本プロ野球界にもいる乃木坂ファンの選手が、自分の登場曲として使いそうな予感。ってか、球団がこの曲を試合前、イニングの切れ目、試合後に流せばいいのに。ショートバージョンのMV作ってバックスクリーンのビジョンで毎試合流せばいいのに。球場ごとの別バージョン作ればいいのに。
せっかく乃木坂野球部が活動を活性化し始めたんだから、野球部ユニットメンバーで各球団の始球式をやればいいのに。そのときにMV流せばいいのに。記念グッズを配布すればいいのに。
特に楽天(久保)、西武(葉月)、ロッテ(ゆん)、日ハム(やん)はそれぞれにメンバーにファンがいるからオファーしやすいだろうし。で、もうひとり広く野球を愛するこの曲のセンター(?)である(べき)プロスピ番長のみんごはどうする?個人的にはカープを応援して球場へ来て欲しいな。

みんごはカープがもらった
雑な写真編集ですまん

うまく作戦を展開すれば、乃木坂ファン以外にも愛される曲になり結果として乃木坂ファンを増やせるぜ。

余談ですが、この曲は1980年代の洋楽っぽい雰囲気があるなぁって感じたけど具体的に思い出せんもんで、今評判のopenchatに似た曲があるのか聞いてみたらこんな具合になりますた。

ワシ>
乃木坂46のNever say neverに似てる1980年代の洋楽は?

openchat>
乃木坂46の「Never say never」は、アップテンポで力強いポップソングです。1980年代には、同様のテンポや雰囲気を持った曲が多数存在しました。以下に、乃木坂46の「Never say never」と似た1980年代の洋楽をいくつか紹介します。

Bon Jovi - 「Livin' on a Prayer」
Journey - 「Don't Stop Believin'」
Survivor - 「Eye of the Tiger」
Michael Jackson - 「Beat It」
Madonna - 「Like a Prayer」
Queen - 「Another One Bites the Dust」
Prince - 「Let's Go Crazy」
Wham! - 「Wake Me Up Before You Go-Go」
The Police - 「Every Breath You Take」
Huey Lewis and The News - 「The Power of Love」

これらの曲は、乃木坂46の「Never say never」と同じようなエネルギッシュで前向きなメッセージを持つ楽曲ばかりです。是非、1980年代の洋楽を探索してみてください。

決して間違いじゃないけど
「テキトーな返事すんな」 笑


32ndシングルアンダーメンバー

32ndシングルのアンダー曲です。りりあんとるるるのWセンターで強力です。そのうえ今回は5期生の参加もあってより一層強力です。

31stシングルで選抜に選ばれたときは戸惑いがちなるるるでしたが、その心境についてワシは「アンダーライブへの意気込みを強く持ち始めていてやりたいことをたくさん考えていた矢先、そこから離れることに戸惑ってた」と推測してたけど、そんなるるるが今回アンダーセンターとしてライブへ望むことでどんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみですね。

曲はイントロで久保田早紀の「異邦人」を思い出しました。ちょっと中東風っていうかアジアンテイストであり、曲自体はちょっと演歌風な味付けも感じて、こちらも今回のシングル全体に漂う雰囲気の古めな曲調だなぁって思います。ひとつ引っかかったのは歌詞に「あの日 僕らが出会った原宿で」ってのがあって、ここは「原宿で」の代わりに「あの街で」でも文字数も不自然じゃないのに、あえて「原宿」にしたことで余計に昭和感が醸し出された気がします。ヤスス先生の事だから狙って書いたに違いない。

ここ数曲ハードめで暗めな曲が続いたアンダー楽曲ですが、ここに来てちょっと方向性が変わった感じですが、今ひとつ爆発力が足りない気もするのが正直な気持ちですね。

とはいえMV見てると「アンダーってなに?」っていう気持ちになりますね。前から書いているけれどパフォーマンスやメンバー個々人の魅力って言う点では選抜もアンダーも差はありません。たまたまユニットが別れたってくらいの感じですね。なのでもう少し魅了的な(キャッチーなあるいは実験的な)楽曲があれば、もう一皮むけてすごいチームになるんだろうけどって少し残念でもあります。


岩本蓮加 筒井あやめ 小川彩

曲の出だしと曲名でチェッカーズの「涙のリクエスト」を思い出したのは歳のせいです。

乃木坂3,4,5期それぞれの最年少メンバー3人のユニットで可愛い曲。これもまたアレンジに1980年代のテイストを感じるのと「ぐるぐるカーテン」の味わいもあります。デビュー直後の乃木坂風です。まあ1期生のデビュー直後ってちょうどこの三人くらいの年齢なんですね。そういう意味では乃木坂原点に帰ってみたってことでしょうか。

ライブで披露されることが予想できる曲。曲調も明るくユニットメンバーもみんな可愛いし、披露しない理由がない。


まあそんなわけで一通り感想を書きなぐってみたけれど、全体の印象はやはり「1980年代風アレンジ」だなぁーって個人的には思ってます。29thからちょこちょこ混ぜていた新しい試みは一旦お休みにして原点を意識いした王道乃木坂をやってみたという印象が強いです。もっとも「Never say never」って曲もあるから最近の平常運転って言えばそうですがね。

1,2期生が完全にいなくなり、新たな乃木坂として出発する記念すべきシングルですが、過去の栄光を頼みにせず、しかしそれを大切にしながらまた次の一歩を踏み出してゆこうという意思を感じる楽曲群でした。

「人は夢を二度見る」という表題曲タイトルの意図については、前に投稿したnotoの一部を引用しときます。

この曲のタイトルの意味としてワシが思ったのは、なにもないところから成功を夢見て乃木坂を立ち上げてきた1,2期生が卒業して、これから乃木坂を支える3,4,5期生が見る次の夢(それが何なのかははっきりとみえてないけれど)、それを指して「夢を二度見る」ってヤスス大先生は言っているんじゃないかってことです。

「人は夢を二度見る」銀河系初OA(乃木坂46)

たぶんこれですよ、これ。

あっ、それから「人は夢を二度見る」の歌詞に

10年後の自分とか 想像なんてできなかった
10年前の僕からは 今の自分がどう見えるか?

「人は夢を二度見る」

ってのがあって、これを読んだときに「羽根の記憶」を思い出しました。「羽根の記憶」の主人公があれから10年経って夢を叶え、そして次の夢へ向かって進んでいくっていうつながりを感じたわけです。

去年の46時間テレビでこの曲でピアノ弾き語りに挑戦した久保ちゃんと、納得出来ない結果に涙を流す久保ちゃんのもとに同じく涙を流しながら集まる3期生たちの中にいた山下ちゃんの姿も思い出しつつ、今回のタイトルはそんな想像からつけました。


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