すみれ色の集団 その2(乃木坂46)
乃木坂46と宝塚歌劇団は似てるということは前回書いたんだが、今回書くのは次の記事を読んだことから思いついた話です。
書かれている趣旨としては「日本のアイドルや宝塚歌劇団は成長を楽しむもの」で「K-POPは完成されたものを楽しむもの」という違いがある(大雑把なまとめですな)ということでした。
言われてみるとたしかにそうですね。ダンスも歌もビジュアルも完成されたK-POPと、素人同然の新人時代から経験を積むごとに技術が磨かれて、姿も洗練されてゆく日本のアイドルという比較はよくわかります。(宝塚もそうらしいけど、ワシは詳しく知らんからとりあえず置いとく)
芸としてみるならば当然完成された方(たとえばK-POP)のほうがよいはずなんだが、日本ではまだまだ未熟なままのアイドルでも高い人気を得たりする。それは何故だろうということを考えたときに、日本での他の事例も思いついたのですね。
たとえば「歌舞伎」あるいは「大相撲」
歌舞伎の場合、概ね歌舞伎役者の子供が代々歌舞伎役者を継ぐわけで、そんな彼らの初舞台は小学校に上る前頃が一般的な印象ですね。当然それくらいの年齢だから大人のような芸は無理。でも贔屓筋はそんな子どもたちの稚拙な芸を見て大喜びするわけですね。それからずっと自分の贔屓役者の息子の成長を見守り、立派に名跡を襲名したときには「○○さんのことは、初舞台の頃から見守ってきたんだよね」などと自慢する。それがよいとされる文化がある。大相撲でも(中学卒業直後の)新弟子時代から地元の商店街などがかわいがって、関取になった暁には化粧廻しを送ったりして喜ぶ。これって新人時代(乃木坂でいえばお見立て会か?)にこれから伸びる(あるいは自分の好み)と思うメンバーに目をつけて、ずっと応援し続けるっていう風潮と同じ。応援してきたメンバーがセンターをつとめたり様々に活躍すると「彼女はグループ加入直後から応援してたんだな、ワシは」などと自慢する。全く同じ。
海外では、メインカルチャーの世界で子供が大人と同じ舞台にのぼるってことは殆どないと思う(印象論です)。世界的なバレエの舞台にちびっこが出てきたら大ブーイングでしょう。でも日本が誇る歌舞伎の世界ではそれがある。それが許されているし好まれている。グループアイドルに限っていえばアイドルとして成長してしまったら次世代につなぐため卒業してしまう。そういった「成長する姿を楽しむ、あるいは愛でる」という日本人気質がアイドル文化(むーさんが指摘された宝塚歌劇団も)の奥底で脈々と息づいている気がしてなりません。
なんて勝手な印象論です。どっとはらい。
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