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お通夜のような英語会議を活性化させる方法

はじめに

 フリーランスとして、洋書を活用したライフデザイン講座を提供してます、伊藤知子です。

 突然ですが、誰もが誰か他の人が発言するのを待っている、重た〜い空気が流れる会議を経験したこと、ないですか。そう、「あなたが発言してよ!」という目配せがあちこちで発生している、発言しないのは悪だ!と言わんばかりの雰囲気が漂う会議です。

 今日は、お通夜のような会議を3ヶ月程で活性化し、海外駐在経験のある部長からも絶賛された、英語会議の進行方法について、ご紹介します!

 会社員をしていた頃、ヨーロッパの同僚との月次業績会議が、まさに、そんな会議でした。ヨーロッパの同僚と日本本社を繋いだ電話会議だったのですが、発言するのは、ヨーロッパ側と日本人は隣の部署の上司のみ。ヨーロッパの同僚からは、「本社は、こんなに大勢のメンバーが参加しているのに、何で一人しか発言しないんだ。発言しないのに、こんな大勢で出席する意味あるのか。」と思われてるんだろうな、と会議が終わるとただ、その場に居ただけなのに、どっと疲労感が押し寄せてきます。

 ところが、半年程した頃、何とその会議のホストに、部門最年少だった私が任命されてしまったのです。

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「なんてこったぁ〜あああああ」

結論

1.まずは、原因を明確にせよ。

2. 会議は、事前準備が9割!

3. 多様な参加の仕方を認め、積極的に役割を与えよ。


1.まずは、原因を明確にせよ!!

 会議のホストになってしまった私が最初に考えたこと。「何で、この会議は、お通夜みたいにし〜〜〜ん、としてしまうのか。」「どうして、発言しにくいと感じるのか。」自分が感じたことを箇条書きで洗い出した上で、まず上司にぶつけてみました。また、「この人なら協力してくれそう!」という同僚にもヒアリングを実施。全員を一同に集めた会議でヒアリングすると尋問のようで意見が出にくいですが、1対1でのコミュニケーションだと率直な意見をくれることも多いです。ヒアリングを通して、1対1で関係性を紡いだことで、会議の雰囲気自体が少し軽くなったのかもしれません。

 自分の仮説とヒアリングを踏まえて分かってきたことは2つ。1つは、英語力に自信がなくて、発言出来ないメンバーが居ること。もう一つは、ヨーロッパ側だけ話していて、本社側からの情報提供がない、こと。言い換えると、コミュニケーションが、双方向になっていない、ということです。課題は、明確になったので、次はどうしたら良いか?ですよね!

 まず、1つ目の課題、「英語力に自信がなくて、発言出来ない」に関しては、概ね3つのパターンに別れます。

A)本当は話せるけれど、自信がなくて、出来ない

B)発言するタイミングが掴めなくて、チャンスを伺っている

C)英語だとどう伝えて良いのか、皆目検討がつかない。

まず、上記でお伝えした、A,B,C,3パターン共通の対策として、月次会議の前に、本社側の出席者だけで会議を設け、「ヨーロッパ側に質問・確認したいことを事前に洗い出す」を徹底しました。

以下、タイプ別対策について、お伝えします。

 Aのタイプについては、”自信がないだけ”なので、とにかく、場数を踏んで貰い、”あっ、伝わった!!”という成功体験を重ねることが大切です。事前会議で上がった質問のうち、「〇〇の質問については、〜さんから聴いて下さいね。」と事前に伝えて了承を得ます。本番で本人がタイミングを探っている場合、目配せで合図をしたり、〜から質問があるみたいなので、聴いてね、と相手に投げかけ、間を作って支援します。相手に伝わってないかな、という場合は、司会として、言い換え、意図が伝わったかどうか、確認します。

 次に、Bのタイプについてです。Aのタイプと重なりますが、とにかく、相手の話を一回切るのが苦手、発言する流れが作れない、というのがこのタイプの悩みです。なので、「〜から質問があるので、聴いてね」とコメント後、必要に応じて、一度マイクをミュートし、「〇〇に関して、発言されてた質問、今聴いてみてもらえますか。」と発言内容についても誘導します。

最後にCのタイプについて。このタイプについては、今すぐ出来る解決策はないので、こちらで代弁します。このタイプの人には、本番の会議以外で、活躍して貰える場を創ります。

 因みに、何も相手に伝えないままの沈黙はお互いに気まずいだけですが、私は、日本側の参加者の理解度を図るため、2−3分のタイムアウトをお願いしていました。「ここまでの話を本社側で整理したいので、2、3分時間をくれますか。」と依頼し、マイクをミュートにして作戦会議をします。参加メンバーが眉間に皺を寄せて、「何か分からないぞ」という表情を見せた時に、話の流れがひと段落した所で依頼するのがオススメです。

も一つの、「ヨーロッパ側だけが話していて、本社側からの情報提供がない」については、課題意識を伝えると、上司が、「リーダー会での内容や他地域での施策について、トピックを探して、発表」してくれることに!

 なぜ、より多くの人に会議で発言して貰うことにこだわるのか。「欧米では発言しない人は、会議に参加していないも同然とみなされる文化だから」というのも一理あります。でも、それ以上に、参加者の集中力を切らさないためです。ずっと同じ声のトーン、速度で話をしていると、人は飽きて集中力が切れます。だから、なるべく多くの人に声を発して貰う機会を意識的に作ることで、会議の質を上げることを意識していました。

2. 会議の成功は、事前準備が9割!

会議の成功は、事前準備をどれだけしたかによって、決まります。「そんなの当たり前じゃん!」と思ったあなた、どれだけの時間を会議準備に割いていますか。私は、英語で1時間の会議をするにあたって、初めのうちは、最低でも4時間は準備に費やしていました。

先ほどお伝えした事前会議も、ただ、設定すれば良い訳ではありません。事前に議題を共有し、議論が円滑に進むために、参加者に考えて来て貰いたいことは何かを洗い出し、余裕を持って伝える必要があります。私は、会議の1週間前にはメールで案内を出していました。

また、本番の会議のホストとしては、1時間の会議なら、1時間の流れを組み立てて臨む必要があります。ここで、私が、オススメするのは、その会議で最低限実現したいこと(これだけは外せないこと)、この会議が最高に上手くいった場合(最高のシナリオ)の2つを事前に自分の中で設定することです。例えば、私がホストをしていた会議は、ヨーロッパの社長から、ロシア、トルコ、中近東、南アフリカそれぞれの国の業績とその要因、各地域の課題を聴き出すことを目的としていました。ただ、1時間という時間の都合上、全ての地域の話を満遍なく聴くのは得策ではないと考えました。そこで、例えば、ヨーロッパ全体の業績で見た時に、月次計画を達成した場合は、どの地域の業績が一番効いているか、またその要因は何かにフォーカスして、それだけは絶対に押さえることを最低限の目標とします。加えて、業績不審な地域とその要因についても聴く(業績好調の要因と業績不審な地域とその要因両方を聴き出す。)、を最高のシナリオとして設定する。また、出席者の職位を意識しながら、会議の議題を組み立てることも重要です。社長に聴くことと担当者に聴く内容は、全然違いますよね。

3. 多様な参加の仕方を認め、積極的に役割を与えよ。

 会議を活性化する上で、大事なことは、多様な参加の仕方を認めること、だと思います。会議の場で発言するだけが参加ではない、ということです。例えば、議事録の作成に専念して貰う、会議本番前のミーティングで質問を出して貰う、会議での改善点についてフィードバックして貰う、会議の議題について、理解を深めるために教えて貰う、など本番の会議以外で必要となる沢山の役割があります。だから、本番の会議外も含めて、参加者一人一人の強みに則した役割を創り、主体的な態度で臨んで貰う、ことが一番大切だと思います。そのためには、会議のホストは、一人一人の同僚の強みをきちんと把握しておく必要があります。これは、一朝一夕にはいかず、日頃から意識してコミュニケーションを積み重ねる他ありません。結局の所、会議の質は、参加者一人一人の参加姿勢と貢献意識に左右されるのです。参加者一人一人に主体的な姿勢で会議に参加して貰うための一助になれば嬉しいです。

 

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