見出し画像

世界からバッシングを受ける「プラスチック成形加工産業」の憂鬱



セルロースナノファイバー複合材の実用化で課題解決に取り組む


★今日は共創の時代・・・サスティナビリティ(93)

<株式会社吉川国工業所>
 1932年に奈良県葛城市で『𠮷川セルロイドエ業所』として創業し、歯刷子ケース、コンパクト、ピン球等を製造販売していた。1959年に設立し、プラスチック日用品雑貨の企画・製造・販売。主力製品は、収納用品、調理用品、掃除用品、ペット用品などを製造販売している。資本金2000万円、従業員数112名の中小製造業だ。

同社は、独自の技術で開発した「Like-it」ブランド製品を、子会社の「ライクイット株式会社」を窓口に様々なチャネルで販売し好評を得ている。

「Like-it」ブランド製品

<プラスチック問題>
日本の一人当たりの年間のワンウェイプラスチック容器包装排出量は、世界第2位(2018年統計)の排出国で、プラスチックは、燃やすと地球温暖化効果ガス(CO2)が多く発生。さらに原料である石油資源は有限で資源の枯渇に繋がり、世界全体で年間数百万トンものプラスチックが海洋へ流出していると推計されており、2050年には魚の重量を上回る量のプラスチックごみが海洋を占めると予測されている。

.
★ 同社は世界からバッシングを受ける「プラスチック成形加工産業」に属していることで、環境保全の社会課題に取り組んだ。
2012年頃に、ポリプロピレンに植物由来のセルロースナノファイバー(CNF)※を複合し、ポリプロピレンに新たな特性を付加した複合材の実用化研究を始めた。そして、新素材であるセルロースナノファイバーは、重さは鉄の5分の1、 強度は鉄の5倍以上という優れた性能があり、ポリプロピレンに複合させることで、剛性・ 難燃性・成型安定性・耐薬品性・耐油性・耐水性等が付加される。現在はポリプロピレンの3倍の強度を実現し、廃棄焼却時に発生するCO2排出量も削減できる環境への配慮も担保する。

※セルロースファイバー:木材チップから木材繊維を抽出・微細化し、他の樹脂に混ぜ込んでつくるもので、軽さと強度を実現しながら、環境にも配慮した成形材料になりうるバイオマス素材。
_

◆ これらの機能性から、高強度による長く使える製品(長寿命化)。プラスチックの循環型工場の開発で(リサイクル化)ができるものづくり。などをめざしてセルロースナノファイバーとPP(ポリプロピレン)の複合素材※による製品づくりや、生分解性のプラスチックの研究開発と製品化を志向している。
※環境配慮型FRP『Nacel light』、環境配慮型FRP『Nacel』

同社のSDGs宣言

❤ 2019年「プラスチック資源循環戦略」は経産省が中心となり、省庁横断的な取り組みがされ、世界規模でプラスチック資源を循環活用するという取り組みが始まった。プラスチック廃棄物のリデュース、リユース、徹底回収、リサイクル、熱回収、適正処理などを行う。レジ袋の有料化に象徴されるように、プラスチック資源循環体制を早期に構築し、プラスチックごみによる海洋汚染を防ごうという取り組みが実施されている。

.

時代の変化を捉え
これからの生き方を
考えてみよう!

.
◎株式会社吉川国工業所 コーポレートサイト
http://www.yoshikawakuni.co.jp/
◎ライクイット株式会社
https://likestore.like-it.jp/
◎ 新素材事業が「Newsweek」と「THE WORLDFOLIO」に掲載
https://www.atpress.ne.jp/news/357066
◎容リ法の対象となる素材(日本容器包装リサイクル協会)
https://www.jcpra.or.jp/law_data/tabid/988/index.php.
◎海洋プラスチック問題について
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3776.html

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?