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業界の新陳代謝

岐阜駅から徒歩10-15分ほど。新岐阜サウナに行ってきた。2022年の8月にオープンされたそう。

ここは機能売りで、サウナの引き出しを得るのには良い場所だなという感想。

サウナには意味売りと機能売りがあって、同じ岐阜でも大垣サウナは意味売り、新岐阜サウナは機能売りにカテゴライズできる。

新岐阜のサウナは至ってスタンダード。サウナパンツ式ではなくオレンジのマットの持ち込みルール。4段式の大容量。口に含める氷も置いてある。

サウナ室はしっかり熱い。特に2段目と3段目にはキャズムが存在しており、3段目に行くと途端に体感温度が上がる。

赤い間接照明が足元を照らしていた。今日のイベントが110℃の高温サウナだったからなのかな。オレンジ色の間接照明の方がリラックスできて良いのでは。

水風呂は7℃のシングルと大きな水風呂と寝湯の3種類。温かい浴槽は1種類だけなので、作り手の愛を感じる。水資源が豊かな岐阜県のため水質が良いので余計嬉しい。

新しかったのは、7℃のシングルの水風呂と水風呂の寝湯のコンビネーションだ。球速(絶対値)ではなく体感(相対値)による緩急を使い分ける投球術。

要は脳が温かい、冷たいを感じられれば実際には何℃でも関係ない。複数要素のコンビネーションによるギャップにより相対値を作り出している。

良いサウナは温度ではなく体感だと思っているが、その体感を作り出すのは作り手の設計だ。新岐阜サウナはしっかり計算されている。

受付の際にマイアロマが販売されていることに気づいた。なんでだろう?と思ってたらなんと個室のサウナ室でセルフロウリュができるらしい。

なるほど。マイアロマでキャッシュポイントを作っているのか。個室のサウナ室は3つ。土日は混んで使えないだろうが、僕が訪問したのは平日だったので空いていた。

もちろん個室サウナはマイアロマを購入していなくても使用できる。半畳ほどの個室はロウリュをする前でもしっかり熱い。ロウリュをすると1バッチでもかなり熱くなる。

ロウリュの水は自分で補給できる。水道の前には「長良川の水」と書かれている。わざわざ記載をして水に意味を持たせている。だけどなんだかありがたみが感じられる。

やっぱりサウナを作るとしたら川の近くがいいなぁと思う。川を水風呂として使うのではなく、やはり水質が良い。

お金を出しても買えない天然資源なので東京都水道局とは違う。ここはロケーションありきなので全国まわって調査していきたい。

薬草サウナはミスト感高め。ミスト感が強いとやっぱり耐久性の面から木製は使えないのかな。窓が曇ってしまうなら、いっそのことミストで視界が消えてしまうくらい強くできると最高。そして塩サウナができるとミストが有効活用できる。

僕としてはもう少し強烈な香りがする薬草サウナが好きだなぁと感じた。もちろん利用者の方にも香りの好き嫌いはあるので、中間レベルに設定しているのだろう。

やはり薬草サウナ括りで言うと「適度な香りを楽しんでください」のように利用者に合わせに行くよりも「お前、俺の香りに付いてこれるか?」的なしきじが最高なんだよなぁ。

自分たちの提供したいものに振り切れると、マスにはウケなくなるが一部には刺さるのでファンは作りやすくなる。

3階は飲食店が入っている。調べてみると、飲食店がサウナを経営しているらしい。サウナの中に入った飲食店というより、飲食店の中に入ったサウナということか。

これは理にかなっていて、食べもののクオリティ(絶対値)を高めるよりもお客さんが美味しく感じられる(相対値)をサウナで作り出している。

アイスクリーム屋さんを始めるならば坦々麺屋さんの横のテナントを借りる的な発想。施設全体での全体最適になっている。

今回は時間がなくサウナだけになってしまったが、雰囲気も良さそうで利用してみたい。ただ、利用してみたいと利用するというのはまた別のフェーズなのでそこら辺は施設側の飲食店への集客施策は課題なのだろう。

とにもかくにも新岐阜サウナはサウナの引き出しを広げる凄く良い体験だった。マーケティング面にもサウナの顧客体験も考えて作っていることは伝わってくる。

大垣サウナと同日に行ったので、岐阜の新旧のサウナの差をより解像度高く体感できた。

大垣サウナの記事では、2軒目は限界効用下がるので満足度も下がるよ的な話を書いた。自分の中でも矛盾しているのは自覚している。

ただ今回は岐阜県はなかなか行く機会がないこと、かつインプット目的が高いので2軒行くことに。

各々に特徴があり、良し悪しではない。大垣サウナは意味のあるサウナ、新岐阜サウナは機能のあるサウナ。ここら辺の差はまた別の記事で深掘りしてみる。

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