やってみることで足りない部分が露呈される

志賀高原100というトレランのロングレース(100キロの部)に参加。

結果は69キロでリタイア。人生で初めてのリタイア。悔しい。このまま葬り去りたい。だがこのまま言語化せずに有耶無耶にしても成長はない。

完走率は54%だったそうだ。

いまの僕にできることは、この悔しさとその原因を言語化して次に繋げること。この体験を経験にする昇華すること。自分の弱さを受け入れること。

結論、マラソンとトレランは別競技で各々の準備が必要と分かった。参加してみて初めて分かった。やってみないと分からないことが多い。

キックボクシングとMMA(総合格闘技)のような関係性なのかな。素人から見れば「格闘技括り」として、似たような競技なんだから適応するの楽でしょ、となりがち。

その素人をトレランでやってしまった。トレランはキックボクシングではなく走るMMAであった。

結局、僕はマラソンの経験があっても純トレランの経験は1回のみ。それも2019年9月の武尊スカイトレイルビューの32キロまで遡る。自分の身の丈をわきまえていなかった。

ショート&ミドルの大会で経験を積まずにいきなりロングに参加してしまったことが敗因。マラソンで100キロ走れたからトレランもいけるっしょ、と言う素人を出してしまった。

本を読むより、映像を見るより、自分でやってみたことで足りない部分を知れた。やってみたからこそ分かることがたくさんあった。そして悔しさも。それはすぐには受け入れたくないが、受け入れないことには前には進めない。

ポジティブに言い換えるなら、トレランのデータを取れたこと、そして自分に足りない点が明確になったことが明確。もし完走していたら、トレランを甘く見たままだったと思うので、このタイミングで良かった。

これを糧にこれからのマラソン&トレランライフを構築していきたい。とりあえず健康な心身で帰ってこれたことは合格。

朝6:00スタート。小雨が降る。いきなり山岳エリア。ぬかるんでて踏ん張れない。膝丈まで両足泥まみれ。

おまけに大渋滞で最初のエイド(22キロ地点)に到達するのに5時間かかってしまった。

第三エイド(37キロ地点)でスタート地点に近い場所に戻ってくるのだが、そこでやめようと思った。

体力的にはまだ余力があったので、結局、第五エイド(69キロ地点)まで続けた。

そこから出発したら15キロの坂のぼりが始まり、4時間くらいの競技継続となる。歩けば制限時間の朝8時まではゴールできる可能性もあったが、その気力は残っていなかった。

制限時間は26時間。リタイアした時点で残り12時間はあった。この長時間のレースはしたことがない。ここは脳の限界の範囲に引っかかりGOできなかった。

時間感覚もトレラン仕様にしていく必要がある。時間感覚だけでなく、マラソンとトレランでは使う筋肉が異なる。乗ってる車(フィジカル)を変える必要がありメンタルに頼らないところにベースを持っていくこと。

具体的にはトレランは基本、登りは歩く、降りは走る。この繰り返し作業。フラットを走るランニングでは鍛えられない部分がある。

登りではポールを使っている人が多く、これを活用するのもアリ。

「デボバッグ」という自分の荷物を途中のエイドで使えるシステムがあることを学んだ。F1のピットイン的なもので、ここで装備品の入れ替えが可能。デボバッグは荷物が入れば形は問わない。クーラーボックスに入れている人もいた。

デボバッグでは着替えを含めてしっかり準備しておくべきと学んだ。トレランは1時間ずっと歩いてることもあるので、汗をかいたままのだと身体が冷えてしまう。

脚も濡れるのでソックスを変えるなど、気分転換は必須だ。些細なことに聞こえるが、長時間のレースになるほど気分転換が重要。ランニングのソックスだとドロが入りやすいので、トレランソックスもアリ。

今回は運営の計測ミスで100キロのはずが、「実は107キロでした」とのこと。この7キロってめちゃくちゃ大きくて精神的に重くのしかかった。

69キロ地点で残り38キロと31キロでは感覚が全く違う。格闘技の試合前の計量で契約体重オーバーされた感覚。

まぁ僕自身が強くなかっただけで自分の問題。

トレランの場合、レース選択は距離ではなく制限時間も含めて判断することにする。制限時間には距離には見えない強度の情報が含まれている。これはこれまで持てていなかった視点。

僕の今の実力はトレランだと、70キロが1つの基準。14時間かかっているので5キロ/hくらい。つまり70キロ前後で13-14時間のレースを最大距離として設定する。この基準が作れたのは大きい。

トレランはエイド間の距離が長い。トイレも少ない。ここら辺にマラソンとは異なる難しさを感じた。使う筋肉もスキルもマラソンとトレランでは異なる。これを肌で体感できたのも収穫。

給水ボトルは2本で挑んだが、3本あっても良いのかなと感じた。1本はウエストポーチに入れる。500mlだとしても500gなので重さとのトレーオフ。

水分不足対策はかなり重要。ボトルは走ると揺れるのでしっかり固定することが大事。走るたびに荷物が揺れるのは走ることに集中できない。ボトルに水を入れた状態で普段から走る練習も必要。

ヘッドライトを付けて夜間を走れた経験は大きい。普段の練習ではなかなかやらないことなので、これは経験値になった。

サングラスは以外と使わない。視覚処理する情報量がマラソンよりも多いので、できるだけ裸眼の方が望ましいかも。

あとはスマホのキャリアについて。トレランはスマホの携帯が必須となる。僕は楽天モバイルなのだが、電波が届かず機能していなかった。今後本格的にトレランをやっていくならば、森の中でも電波が届くようなdocomoに戻すこともアリ。

そしてゴールしないと、達成感はもちろんのこと、充実感も満足感もないことに気づいた。まだできたんじゃないかという想いなど、消化するのが難しい感情もある。

なのでやはりゴールすること、コレはこれからもやっぱりこだわりたい。

今回の経験で学んだこと。
1.ポール、ゼッケンベルト、トレランソックスは揃えた方が良い
2.デボバッグはピットイン。着替えも入れておいた方が良い
3.ショートからミドルの大会で知識&経験とトレランの脚を作る
4.マラソンとトレランは別競技
5.トレランはエイドの数が少ないので自助が必要
6.トレランのロングは歩くので伴奏者が望ましい
7.レース選択は距離ではなく制限時間で判断
8.トレランの自己ペースは5キロ/hくらい
9.トレランはエイド間の距離が長い
10.ボトルは3本あっても良い
11.ゴールしないと充実感も満足感も得られない
12.トレランやるならキャリアはdocomo

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