見出し画像

時間の矢

 宇宙の始まりは、空間と物質の始まりです。詳しい人はビッグバン以前のインフレーション、超高温の中での物質・反物質に詳しいでしょうが、私は全くの素人で詳しいことは何もわかりません。

 インフレーション直後の超高速の宇宙の膨張、物質の誕生は少なくともこの宇宙での物理法則による現象が始まったことであり(様々な物理定数の決定により今の宇宙になった)、すなわち時間の始まりです。※ここで神の存在を私は決して信じません

 私が「時間」というものを最初に意識したのはニュートン力学ではなく、1990年に刊行された「ホーキングの最終宇宙理論」と言う本です。※現在は絶版かもしれません。

 実はこの本には「時間の矢」と言う章があります。その前の章が「虚時間」であり、自分には理解がかなり困難でした。「時間の矢」というのはあらゆる物理現象がある方向に不可逆的に進行する、簡単に言えばそれに尽きるのです。よって、宇宙物理学は逆戻りしない初期の宇宙の観察、理論の確率、そして現在では宇宙の熱的死まで理解をしています。

 熱力学的にはエネルギーは安定する方向に、エントロピーが増大する方向に現象が進むとされますが、マクロ的に宇宙を見るとエントロピーの高い星雲はその重力により星を成形、中心部で水素による核融合でヘリウム誕生し、太陽の数倍程度の構成はやがて赤色巨星となりにほとんど燃え尽きた白色矮性になるでしょう。

 これに対して太陽より10倍程度の星は赤色巨星になった後に大爆発(超新星爆発)を起こし、ヘリウムより更に重い元素を宇宙空間に空間します。ここで放出された元素がすべての星、そして生命の起源となります。

 更に大きい星は最後には自らの重力に耐えきれずに、いわゆるブラックホールを形成します。

 今まで列挙したのは、現在の天体物理学での成果ですが、当時の自分にはホーキング博士に「一言物申したい!」がありました。もちろん自分の誤りなのですが、時間の矢は「主観的」にしか観察できない。すなわち、通常の人間の時間の矢は「誕生→成長→成熟→死」。自分たちはこれ以外のものを観測できない、それは主観で物事を理解しているからだ、と思いました。

 また、ダークマター、ダークエネルギーの計算以前によると、当時は宇宙の終焉に「ビッグクランチ」がありました。宇宙は普遍ではないのは分かっていました。現在では最終的には無限に膨張してすべての粒子が引き裂かれるという悲観的なものですが、膨張はある点で収縮期に転じてビッグバン状態に戻るというもの。これが「ビッグクランチ」。この考えだと、収縮期には膨張時の逆の現象が必要になる。

 われわれは何百億年後の宇宙に収縮が始まれば、物理現象を成立させるには、宇宙誕生の逆のプロセスが必要になります。あらゆる物理現象を逆方向にして、最終的には大きさゼロ、質量無限大のビッグバン以前の宇宙に戻さなければならない。時間を逆にします。それで全て物理学では説明がつく?(分からないけど)、人は死んで若くなりから生まれる。所詮人間の主観でこのような結論しかできない。無理でしょう。

 現在では、宇宙は加速度的に膨張しています。これは宇宙空間が膨張しているのであって、太陽系やアンドロメダ銀河を始めとする近傍銀河団は膨張していますか?否。ハッブルが発見した宇宙の膨張、赤方変異などはチコット遠い宇宙での簡素です。観測可能な銀河の向こう(後日なにか話したい)、宇宙の外側(あるんかいな?)

 今回もとりとめがありませんが、宇宙における「時間の矢」を考えるときには、人間(知的生命体)は不要です。先に「万物の理論」を理解した人類の功績をたたえましたが、、人間や生物がいなくてもこの宇宙は滞りなく「時間の矢」に進んでいます。おそらく。そして避けられない宇宙の熱的死は、10の100乗年先としても避けられません。その頃は巨大ブラックホールもX線を放射して蒸発して存在しないかもしてません。

 何も起こらない宇宙は、時間が止まったまま永遠に続くはずです。何も起こららければ、時間は意味を持ちません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?