誰も教えてくれない学校事務の住居手当の調べ方
「学校事務になりたいけど、勤務地によっては賃貸に引っ越す必要があるな…。公務員は住居手当が支給されるっていうけど、学校事務はどうなんだろう?」
就職先には働きがいや福利厚生の充実などを求めるのは必須ですが、給料や各種手当がどれくらい支給されるのかも大切な条件ではないでしょうか?
他県の学校に採用が決まった僕は、一人暮らしのために賃貸アパートに引越す必要がありました。
ただ、住居手当がいくら支給されるかわからないと、借りたい家の目星をつけられません。
そこで勤務予定の校長に電話で問い合わせてみると
校長「住居手当?それは事務に聞かないとわからないな~。」
と事務の僕に伝えてきました。
とんとん「…あれ?こうなるとどうすればいいんだ…?」
そうなんです。住居手当を扱うのは事務職員。校長に聞いても教えてもらえません。
今回は事務職員がいくらの住居手当をもらえるのか、調べる方法を紹介します。
結論からお伝えすると、「(住居手当額を知りたい)自治体名+法規集(又は例規集)」で検索をし、「職員の給与に関する条例」に住居手当額が記入されています。
なぜ自治体名+法規集(例規集)でわかるのか
僕たち公務員の給料や諸手当は全て条例によって決められています。
また、各自治体は法規集(例規集)をインターネット上に公開していますので、法規集を見ることで調べることができます。
そのため、各自治体の法規集を見ることができれば、住居手当がいくら支給されるのかがわかります。
自力で調べようとすると…具体的な金額がわからない!
デジタルネイティブ世代にとっては人に聞くよりググった方が早いと考えている人も多いはず。
「グーグル先生に聞けばそんなのすぐにわかっちゃうでしょ」と「愛知県職員+住居手当」と検索をしてみると
のように採用情報として載せてくれているだけで、具体的な手当額の計算方法がわかりません。
「馬鹿な!これではいくらの家賃で上限なのかわからないじゃないか!」
「こうなったら愛知県はあきらめて愛媛県を受験してやる!」
と意気込んで「愛媛県職員+住居手当」で検索してみると、
のような結果に。愛媛県の採用情報では、住居手当が支給されることはわかりますが、いくら支給されるのかはわかりません。
「グーグル先生にもわからないことがあるのか…。もう適当な家賃で家を借りよう…」
と心が折れてしまいます。
実際に法規集を見てみよう
それでは僕と一緒にグーグル先生の向こう側を見に行ってみましょう。
愛知県の場合
・まず「愛知県 法規集」で検索します。
・愛知県法規集のデータベースのページに移動し、利用を開始します
・「第2編職員」をクリックし、「第5章 報酬、給与等」をクリック
・下にスクロールし、「職員の給与に関する条例」をクリック
・左にある目次から「第九条の五(住居手当)」をクリック
・難解な表現をしていますが、住居手当の支給要件についてわかります。
つまり、賃貸物件を自分が住むために借りている人が、16,000円以上の家賃を支払っている場合に支給されます。
具体的な支給額は、
①16,000円~27,000円までの家賃額であれば、「家賃額-16,000円」
例)家賃23,000円の家なら、23,000-16,000=7,000円の住居手当
②27,001円以上の家賃であれば「(家賃額-27,000)÷2+11,000円」
例)家賃53,000円の家なら、(53,000-27,000)÷2+11,000円=24,000円の住居手当
※(家賃額-27,000)÷2の部分が17,000円を超える場合は、一律17,000円とするため、家賃61,000円以上の住居手当は28,000円で統一されます。
注意しておきたいのは、ここでいう家賃とは純粋な家賃額であり、敷金・礼金・共益費・駐車場代・ガス代・水道代・電気代などを含まないこと!
条例には具体的に記載されていませんが、「住居手当に関する規則」の届出用紙の下に書かれています。これは愛知県に限らず、他の自治体でも同様です。
愛媛県の場合
・「愛媛県 法規集」で検索します。
・愛媛県HPから「愛媛県法規集データベース(外部サイトへリンク)」をクリック
・「目次」をクリックしたら、左にある目次の「第2編公務員」をクリック
・「第1章 公務員」をクリックし、「第4節 給与」をクリック
・「職員の給与に関する条例」をクリック
・目次の「9条の5(住居手当)」をクリック
・こちらも難解な表現をしていますが、住居手当の支給要件がわかります。
つまり、賃貸物件を自分が住むために借りている人が、12,000円以上の家賃を支払っている場合に支給されます。
具体的な支給額は、
①12,000円~23,000円までの家賃額であれば、「家賃額-12,000円」
例)家賃23,000円の家なら、23,000-12,000=11,000円の住居手当
②23,001円以上の家賃であれば「(家賃額-23,000)÷2+11,000円」
例)家賃53,000円の家なら、(53,000-23,000)÷2+11,000円=26,000円の住居手当
※(家賃額-27,000)÷2の部分が16,000円を超える場合は、一律16,000円とするため、家賃55,000円以上の住居手当は27,000円で統一されます。
さらに、単身赴任手当が支給されている職員の配偶者が賃貸物件を借りているならば、そちらの分の住居手当もプラスされて支給されるようです。(詳しい計算は割愛)
こんな自治体もあるんですね。僕も今回の説明のために他県の条例を初めて調べてみましたが、新しい発見でした。
さらにさらに調べると、横浜市では支給年齢の上限が40歳と決められ、手当額もどんな家賃でも一律19,600円となっているようです。こうなってくると生涯賃貸派の人にとってライフプランに関わるレベルですね。
応用させれば他の手当額もわかるようになる
住居手当が調べられるようになれば、同じようにして扶養手当・通勤手当・地域手当など様々な手当を調べることができるようになります。
単純にグーグル先生に聞いただけでは出てこない情報も調べることができるようになりますので、気になることがあれば調べてみてください。
住居手当が全てではない
働きたい自治体を決める要因は住居手当だけではありません。
しかし、自治体が変わると同一家賃であっても支給される住居手当額は変わってきます。
そして就職が決まった後に賃貸物件を探す目安の家賃額がわかっていないと、後々家賃が高すぎて引越すことになってしまいます。(僕はこれでやらかして引っ越しをしました…)
「自治体名+法規集(例規集)」と調べるだけでわかりますので、気になる自治体があったら調べてみましょう!
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