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ポートレートに最新のカメラは必要なのか?

やあ、僕です。
お前いつも新機種買っとるやんけ?というツッコミが来そうですが、カメラ初めて4年、CANON、Pentax、ハッセルさん以外一通り使用したと思うので、それを踏まえて僕が落ち着いた場所をnoteにまとめていけたらと思います。

以前相談された方で「初心者でうまく撮影できないのでアドバイスが欲しい」という方がいました。初心者の人からの相談もないわけではないのですが、大体が撮れないとか、なんか違うというふわっとした違和感のある中級者の相談が多く、それを他者視点でアドバイスする、みたいな相談事が多い、この方は結局はカメラの問題という点に落ち着いたのですが、カメラの中の問題と外の問題を分けてアドバイスしました。そこに至るまでの内容が個人的に大事だなと思ったので、文章にします。

*カメラ歴4年の僕の主観なのでその点含めてお読みください。機種変更を検討中の方によく響くと思います。

最新のカメラとは

最新というワードは時代時代で一番新しい技術が導入されているということではないでしょうか。

この技術がどういう方向で進化しているかというと、撮り手を補助したり、失敗が少なくなるような方向でメーカーは設計しているように私は感じていてます。2024/01現在だとAIによるオートフォーカスなど、さらに便利に快適になりつつありますね。技術すごい!
視線でフォーカス移動できるとかもあるよ、マジですごい!
連写数なんか秒間120コマ?しかもプレ撮影までできる!すごい!

以前、LumixのS1を借りていたのですがフォーカスがちょっと弱かった。現在のS5iixはZ軸、奥行きまでしっかりフォーカスが追いかけます。すごい!
某Fujiがフィルムシミュを推してるのはレタッチに軸さくなら写真撮って欲しい、みたいな哲学があるみたいで、そこも追求してきたのは技術。すごい!

ってことで基本的に技術はすごいです。
すごいんだけど・・・

最新技術がポートレートにどう活きてくるのか?

これはまあ技術ごとに違うわけですが、ぶっちゃけ最初に結論言っちゃうと、そこまで最新の技術って必要?と思うわけです。
特にポートレート。
案件で子ども撮る場合なんかは最新のオートフォーカスが強すぎてありがたすぎて本当に感謝なんですが・・・

例えばjpegの色味調整

これは毎回、仁義なき戦いが起こるので深くは掘り下げませんが、jpeg撮って出しなら断然便利です。でもレタッチしちゃうならこの機能、あまり入りませんよね?
jpegの利点は、複雑なレタッチをせずとも成立する写真をカメラが出してくれることです。最近は各機種ここに力を入れている気がします。あとは、現場で被写体さんに写り見せるときに胸を張れる。ここは結構大きい気がします。

高速連写

主に報道やスポーツなどで活用されるんじゃないかなと思うんですが、ポートレートに連写枚数っているだろうかと思う次第です。僕が連写する瞬間は被写体側にいいね!を伝えたい時で、それは連写音によって伝えたいと思っています。その連写音のテンポも大事で、「カシャシャシャシャシャ」ではなくて「パシャ、パシャ、パシャ」なんです。ここ大事。試験に出ます。
押しっぱのビームではなく、単発を繋げる、みたいな。このシャッター音は結構テンション上がると思いますが、ビーム系の連射だとテンションがあがらんのです。僕はね。

フォーカス

ここは結構顕著ですね。ただ用途によって要不要は変わってくるかと思います。スタジオでやるならそこまで精度は必要ではないでしょう。時間短縮という点では精度は有用ですが、一方で優先度が高いかと言えば高くない。
スナップっぽいポートレートだとまた変わってきて、人認識でホイホイ撮影してたら後ろにピントが飛んでいたとか、ゾーンにしたら看板に吸われたとかあります、ここは精度が大事になるポイントですね、ただこの例はキャンディッド・フォト的というか、セッティングなしで撮影する感じだとあるあるですが、一般的に立たせてある程度セットするポートレートならそこまで大事ではないです。

手ぶれ補正

これも結構大事。特にスローを多用する僕は結構注目ポイントです。
部屋撮影、如何にシャッタースピードで明るさを稼げるかが大事です。特にフラッシュ使わない時。
最近はすげえ段数を補正してくれるのでびっくりします。ない機種は筋肉で補正です。筋肉。

画素数

これは後から調整が効かないところなので、自分なりに必要な画素数を考えておきましょう。んなことわかんねーよ!みたいな人、わかります。
僕も昔は画素数は高ければ高いほど強いと思っていました、が、用途によってある程度方向決めておかないと大変なことになります。そう容量問題・・・
画素数が多ければ多いほど1ファイルの容量はデカくなります。保存先のHDDなど買い足してなんとかなるかもしれませんが、レタッチで処理かけるなら画素数高いファイルはそれなりの処理能力を持ったPCが必要になります。GFXユーザーがたまに泣いているのをX上で散見しますね。
スマホレタッチの場合はここに容量が加算されるわけで・・・
ちなみにですが、GFXを使っていた時、某被写体さんからお前のファイル容量デカすぎてスマホがオコ!って言われたことがあります。

現代だと、1,600万画素〜1億画素まで幅広いラインナップがあります。
個人的に2,000万画素あれば大丈夫です、展示でもA1くらいだとちょっと悩むかもですが、昨今だとレタッチソフトでなんとかなるパターンもあります。ファイルの大きさもそこまで大きくないのでスナップでバシバシ撮っても安心。一方で画素数が大きいと大きくクロップできたり(Leica Q3の項目参照)、やはり色味、解像感的にも強い気(あくまで気分ですよ)がするので、そこはトレードオフ。ISOもある程度影響しそうだけど厳密に解説するのはしんどいのでまあ割愛。

本体のサイズ感

これも後から調整が効かない、というかどうにもできない。
僕はGFX100Sにズームレンズ+単焦点、そこに予備機を入れて歩っていた時期がありますが、真面目に体にキツかったので今は軽量、小型を重視しています。
一方、上記の技術がいい機種に限って重いのが世の通り。

その他

動画性能やらブラケット撮影などなどありますが、ポートレートからはちょっとズレるので割愛です。

さて、ポートレートに必要な機能はなんだろう?

一応、上の機能はメーカーWebを見て機能解説を見て選定しました。
どうでしょう、意外と最新技術ってポートレートに要らなくないです?
個人的に優先したいのは、サイズ感>画素数>フォーカス、くらいなもので、他は割とどうでもいいです。

現在のメイン機はLeicaですが、jpegに少し色を足してレタッチしています。この点を考えるとjpegの色味は必要かもしれませんが、ないならないで自分でやるかなーと思いますし、連写は間違いなく要らないです。
フォーカスはメイン機のLeica M11はマニュアルです、Q3はそこ重視して購入しましたが。画素数は6,000万画素ですが、撮影のほとんどはMサイズの3,000万画素でやっています。サイズ感は最高ですね、GRクラスのがあればよりいいのですが。連写はほぼしません、歩かせる時に使ったりしますが他は単写です。

ということで、カメラ側の技術は、あくまで撮影者を補助する目的で進化しています。ので、写真のアウトプットに対してできることは意外と少ない。ある方の名言ですが、「カメラなんか映ればなんでもいい」、確かにその通りだと思います。

僕個人の感想ですが、カメラを買い替えたからと言って写真自体は良くならないし、むしろカメラの外の方にコストをかけた方がいいケースが多いように思います。
例えば撮影するスタジオとか、自分のために旅行をする、写真集を買ってみるなどなど。僕も含めて、アウトプットに迷っている人のほとんどは自分の絵に迷っていて、カメラが解決できる部分ではないです。

ここに至るまで、後述するぐらいの機種/メーカーをわたり歩ってきました。
理由はまあ色々あって、センサーの緑被りが嫌で脱出したり、動画撮りたくなってあっち行ったり、うっかり借りたらなんかよくなって購入したり、そしたら重いのが気になって出国したり、コンデジ最強!とか思ったけど持ち出すのはやはり最高がいいよな!とか思ってフラフラ購入したり、飲み会でノリで購入したり、画素数最強!とか思ったら重すぎて死にかけたり、予備機まで考えて運用し始めたらかばんが・・・etc etc

こんな僕だから言えることがあると思うんです。
まあカメラの場合、リセールバリューがある程度の期間保証されているので、いうほどしんどい感じではないです。そういう意味では最新機でやりくりしてるのは強いかもしれません。

僕は撮影体験を重視する

僕個人、SONY>RICOH>SIGMA>FUJI>NIKON>Leica>PANASONIC>OLYMPUSみたいな流れでカメラを変遷してきました。現在のメイン機はLeicaですが、予備機/案件機はPanasonicにLumixです。
Leicaの撮影はなぜか満足度が高く、今のところ一番しっくりきています。
価格もしっくりきていますが、シャッター押すまでの感覚やファインダー越しの雰囲気が好きなんですね。

さて本題。
この記事の対象は機種買い替えを考えている人に向けています。新しい絵を求めていたり、好きなあの人が使っているからこれを使おう、飽きてきたから次の機種、新しいのが好き、色々な理由で買い替えがあっていいと思います。思いますが、その機種、本当にあなたに必要でしょうか?


なんでこんなことを書くかというと、カメラって始めた頃は本当に楽しくて、まずはシャッター押してるだけで最高だと思うんです。そこからアウトプットの方に関心が移って行って悩み始めるルートが非常に多い、特にポートレート。
そう僕ですね、上の変遷を見ればその通り、だいぶあちこち行きました。でもそんな僕だから言えることがあるッ!

僕が受ける相談の中でよくあるのが、やはり高価なカメラを買った方がいいですか?というもので、それは即座にNOと伝えています。ネタで煽って楽しむ場合もありますが。

高価なカメラを買ったとしても絵自体に反映はされ辛いし、劇的な変化はシャッターを押すまでの数秒でしかありません。あくまでカメラの中が便利になっただけで、その他の部分、特に使用者に依存している部分、悩んでいる部分は変わらないのが現実だということは伝えておきたいです。現に、エントリー機で撮影している方は多いですし、僕なんかよりもしっかり撮影されてる人はたくさんいます。
あくまでカメラの中の便利さが上がる、この点は本当に留意してほしい。

そんな悲しい僕がカメラ選びで重視してるのはフィーリングです。
シャッターの間隔、音、フォーカスの速さやリングの回しやすさ、グリップの感じ、そしてプレビューの表示。撮影している間の感覚がどれだけ快適かによって、撮影の質は結構変わるものだと最近思います。
あとはセンサーで、そこにかかるフィルターやら色々あるのですが、ぶっちゃけ、そこの違いはほとんど見分けるのは不可能ですし、そこの違いよりはカメラの外の方が影響が大きい。

最新機種はかっこいいし、持ってるだけで満足感も高いと思うので、迷わずいける人はじゃんじゃかGOしましょう。それが業界の発展につながります。

一方で迷ってるけど何で迷っているか不安な方。
ちょっと足を止めてみましょう。
それがカメラの中なのか、外なのか、撮影の中なのか前なのか、あるいは後なのかをしっかり考えてみてください。
その要素の分解はいつかやってみますが、そこが本当にカメラの中の話なら、すぐにでも欲しい機種にGOするべきです。
でも、そこがカメラの外、撮影の中だったら少し考えた方がいい。そしてカメラの外で撮影の外なら、そこは多分、一度立ち止まるべきです。

良いカメラは何か。
それはもちろん最新機種です。
ですがあなたにとって良いカメラが違う場合はほとんどですし、良い写真を望むなら撮影を構成する要素の中で、カメラに搭載されている技術が関与する部分は本当に一瞬です。その一瞬で快適さが手に入り、それが必要なものならばそこに価値はあると思います。が、そうではないなら、その外に目を向けてみる必要はあるんじゃないでしょうか。

良い写真ライフを。

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