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IXYをハックしてみよう

IXYでもRAWで撮影できるよ!

ということで前回からの続き。
熱が冷めないうちに解説しましょう。

IXY、特に流行りのIXY Digital系列は10年以上前の機種だけあって格安で手に入ります。ですが機能は非常に限定的で、画素数も少なめ。最新のカメラに慣れた皆様にはとてもとても不便に感じるかもしれません。
私が使っていて特にしんどかったのがホワイトバランスで、私の個体特有のものだと思いますが色味、特に青が強い時のホワイトバランスがやばい。めっちゃ青、真っ青になる時が多々ある。それはそう、地元の中古屋さんのジャンクコーナーから引っ張ってきた機体です。正常動作は最初から期待しておりませぬ。
で、コストかけずにどうにかならないかなーと思ったので調べてみたら、RAWでも撮影できるじゃないですかぁ。

まずは解説

そう、CHDK、Canon Hack Development Kit、だそうです。
こういうWikiサイトを見るとネット黎明期、怪しさ満載の海外サイトの情報を探していた頃を思い出してワクワクするわけです。
さて、こいつなんなのー?ということですが、Canonカメラに適用できる改造ファームウェアです。もちろんこの文言から分かる通り全て自己責任。比較的新しめのカメラにも対応しているようなので、気になる方はリストからチェキです。注意点ですが、販売国によって型番が結構違うので、リスト検索する前に一度海外版の型番を調べてから挑みましょう。

動作としてはシンプルで、動作中のカメラを改造ファームでソフトウェア的に上書きして、本来操作できない機能を操作可能にしてくれます。わーいGeek!
RAW撮影はもちろん、ISO上限やシャッタースピード調整、動画関連の調整もいけるしやる気になればストロボの発光回数やタイミングもいける。トーンカーブの調整なんてのもあってよりどりみどり!

こいつのいいところはカメラ自体のファームを上書きするわけではなくて、動作中に割り込むイメージで機能していること。電源切れば元通りだし、逆に言えば電源入れるたびに割り込み動作が必要(起動の仕方で調整可能だと思われる)。

動作させるまで

そんな便利なCHDKですが何度も書きます、自己責任です。間違っても新品購入したIXYなどでやってはいけません。修理保証外になることでしょう。
概ね用途としては中古購入したIXYをこれでいじって、自分好みの環境構築というのが正しい。よろしいか。

では動作までですが、Wikiの通りやってね!っと言いつつ、何点か注意点。まず基本英語なので読めない人は翻訳かけるか諦めてください。性質上カメラとSDカードいじるので操作次第で最悪セーブポイントからやり直しのパターンもあります。現実にはセーブポイントはありませんけど。
次に、SDカードです。基本的にSDカードにCHDKを入れて、「カメラ起動後にハックさせる」=Firmware Updateか「カメラ起動時にハックさせるか」=BootableSDの二択です。ちなみに僕の環境だとBootable SDは作れませんでした。Mac環境だとファイルシステムの関係でしんどいようなので、起動後にハック、Firmware Updateさせています。

ってことで、準備ですが、CHDKの最新ファイルをダウンロードしてきて、解凍してSDカード(事前にカメラ側でフォーマットしておきましょう)に入れてあげるだけ。カメラ側の操作は後ほど解説。
ここでもMacが悪さをして、私は一度積みかけました。CHDKの解凍を特定のアプリでやらないと文字コードの関係で動作してくれません。

あとはSDカードに入れたFirmwareを、カメラから起動するわけです。が、もちろん基本はそんな動作許してくれないので、on/offではなく再生ボタン(ここは機種次第で変わってくるケースあり)で起動し、メニューの一番下(ここも屋根)からファームの上書きです。3秒くらいで上書きしてくれてC HDKのFirmwareでIXYが動作します、やったね!

制限とか気をつけること

カメラの年代次第でSDカードのファイルシステムがFAT16なのか、32なのか。SDカードの容量がいくらだったらいけるのか、などなどが決まります。結構めんどいのでリンク参照です。カメラの製造年代が2011以前、2010以後で別れていて、FAT16なら問題なし、32なら選ぶ、みたいなイメージです。基本古いIXYで運用すると思われるので、FAT16で運用するば問題なし。

あと、多分面倒ないのはBootableSDの作成なんですが、Mac環境だと書き込めるアプリも動作が不安定なのでうまくいかず、Windows環境だとまた違う気がします。
実はこんくらい?手順さえ守っているならあまりリスクはない気がします。

何ができるようになるの?

Geek、かつリスクを背負ってこんなことする必要あるの?っていうとあるんですよ。
まずは、IXYは基本Auto運用ですが、F値やSSなどなど、自分でいじれます。要するにマニュアル、しかもフルで撮影できる!これは強い。

IXYを使っていて一番しんどいのは、ボカしたい!のにボケない!みたいなオートならではの事象。ここでCHDKを入れていれば颯爽と(メニュー掘り下げるの手間だけどっ!)F値いじって撮影できます、SSも同様、ブラー欲しい!にも対応できます。

あとはMotion検知も対応しています。雷撮影とか大好物な人にはもってこいじゃないでしょうか。.luaとかいじるようなので僕は触ってませんけど。

やっぱRAWが最高

あれやこれやと記載しましたけど、RAW記録が一番僕的にありがたいです。
IXYのじわっとする感とか考えるとjpegももちろんいいのでしょうが、僕はSnapもポートレートも色味をある程度整えて写真にしているので、基本RAW運用です。
特に基本アンダー目で撮影しているので、最新機だと大丈夫なのですが、IXY910クラスだと影が潰れること潰れること。その対策を探したところ見つけたGeekですが、誰かの役に立てば幸いと文章を書いています。




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