COVID-19 グラフ詰め合わせ

報道があるたびに「ホントかな?」と調べてみたことの詰め合わせ。

■感染者に占める無症状者の割合

最近は言われなくなったけど,一時は「感染者のほとんどは無症状か軽症」を「ほとんどは無症状」と読んでた人が多かった。発表データが比較的詳しい奈良県のデータで調べた。

無症状者割合

全体では19.6%と約20%(4/16時点では18.7%に下がってる)が,属性で分けると「家庭内」と「クラスター」では35%と1.5倍近い。つまり濃厚接触者を追いかけると無症状率が高い。
無症状とは,一般には「症状が出ないで治る人」と理解されているが,検査陽性時の無症状とは「本当に症状がでていない」「自覚症状はないが肺が曇る等の症状がある」「これからあとで症状が出る」「検査の誤判定」の4つが考えられる。濃厚接触者の場合は,「検査の誤判定」がけっこう多いのではと疑ってる。
PCR検査をすれば感染/非感染を正しく判定できると思っている人が多いけど,ベイズ統計の教えるところでは「感染率0.1%の集団を感度70%,特異度99%のPCR検査を行った」場合,陽性と判断された人が正しく陽性である確率は3%しかない。なぜそうかはネットで調べてほしいが,専門家委員会が「事前確率(この例で言えば感染率)を高める」と言っているのは,診断精度を上げるため。都道府県から出る陽性率は,市中の感染率ではなく,事前確率にあたる。「怪しい」と思われる人を検査しているからで,これが高いほど「正しく陽性である」確率は高くなる。

■若者は割食ってる?

世代別感染率

そういう意見もわからないではないけど,図にみるように東京では20代の世代感染率は70代の4倍高い。今ではもっと差がついてる。ジジババのカラオケが感染を広げているのではなく,20代の活動度の高さによる。同じく専門家会議が警戒しているのもこれ。
病院や施設や家庭での感染者数が多いから,ここが感染を広げてると誤解している人も多いけど,これらの場所は寝床がありメンバーが固定されていて長時間過ごすため,感染経路が特定されやすい。他の可能性を排除できるから,見かけ上そうなっている。誰かが外からウイルスを持ち込んだから感染が広がるのであって,ウイルスが湧いているのではない。
実際に最も多いのは「経路不明」で,半分近くがこれ。他の可能性が排除できない市中感染がもっとも多い。

■入院者

感染者数と入院必要者数

新規感染者数と,第3波のピーク入院者数で規格化した入院者の動き。第3波はもう言及しないけど,第4波では感染者数が比較的少ない東京のほうが余裕がある。全国(主として関西)は急速に立ち上がってる。

■東京は大阪のようになるのか?

東京と大阪

東京と大阪は人口が1.6倍違うので,大阪の感染者数を1.6倍して東京都重ねてみた。去年の11月末も大阪はやばかったけど,このときは知事の動きが速く,時短要請やレッドゾーン宣言が効き,年末に向け感染者が減少。年始のピークも低く抑えた。
今は補正しなくても大阪のほうが多いけど,増え方が急峻。そろそろ頭を売って欲しいところだけど。さて,東京は大阪の後を追いかけるのか?

東京と大阪

緊急事態宣言解除前日の感染者数で規格化し,解除後の日数でプロット。大阪はすごく大きくなるので縦軸は対数。4/16時点で東京は低めに推移しており,傾きが緩やか。4/12の週からは違いが顕著になっている。
この差が行動パターンなのか変異株によるのかは分からないけど,なんとかこのライン上で頑張ってほしい。いや,減ったらもっと良いのだけど。

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