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ワインとネオン。


変化はグラデーションを伴うのが常だと思っていたけれど、最近は色使いが荒くなってきたのだろうか、それとも自分がそれを捉える解像度が加齢による視力の低下と共に下がってきたせいだろうか、ついこないだまで自粛だ何だと言ってたのに、いつの間にか夜の街は人で溢れかえっているように見えて、その変容ぶりに少し慌てている。

その変化自体はとてもいいことだと思うのだけど、今まではこんなご時世ですからとオンラインで済ませてきたものが、いつの間にか足音や息遣いまで聞こえるくらいに近くにいて、さあさあどうぞと言わんばかりにあまりに次から次へとやってくるので、少し胃もたれを起こしそうになっている今日この頃。

先日、2年半ぶりくらいに駆り出された接待の帰り、大して味のわからないワインをしこたま飲んで少しふらつく足どりで駅へと向かいながら、夜もふけているにもかかわらず、いつまでも明るい都会の夜に、GWに実家のある滋賀県に帰った際、JRの最寄駅から実家まで夜の道を運転した時、道の暗さにびっくりしたことを思い出した。

田舎の夜は真っ暗で、ヘッドライトの光は手前しか照らさない一方、都会の夜はギラギラで、ずっと先までピカピカ光っている。
どっちにしたって足元ばっかり見てるなあ、と思いながら家路を急いだ。

翌朝の自分はしっかり酒臭くて、4ヶ月の息子がちょっぴり「お前誰やねん」という顔をしていたように見えて少し凹んだ。

お客さんと何万もするワイン飲むより、気心しれた友達とサイゼリアで300円くらいのワイン飲んでる方が楽しいなと思ってしまう自分はやっぱり味音痴かも知れないと思った。






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