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「翔んで埼玉2」の未解決問題を考察する(その1)

あの衝撃の公開から4年。すべての埼玉県民が、いや全ての虐げられた日本人が鶴首していたと申しても決して過言ではない、あの大ヒット映画「翔んで埼玉」の待望の続編が先日公開されました。埼玉地区はもちろん関西方面でも映画館は空前の賑わいを見せているようで、公開から一ヶ月も立たずして100万人の動員を達成するなど早くもアカデミー賞受賞間違いなしとも言われております。
かくいう私も公開3日目に板橋のイオンシネマにて視聴してまいりましたが、前作に増して大変完成度の高い、映画史上に残る大作であるという感慨と感涙の涙を持って東上線に乗って帰宅いたしました。果たして、日本映画でこの本作に続く名作は現れるのかとも危惧しております。

しかし、私と同様、本映画を鑑賞された方々においては本作ではいくつかの謎が解決されないままであったという感をお持ちの方もいらっしゃったでしょう。確かに大変な名作ではありましたが、あまりにも名作であるがゆえに、謎を残したまま武蔵野線がネズミーランドに繋がったという大円団を迎えて終了してしまったことにはいささかの違和感を禁じえません。
そこで本日は、その残された謎についての考察を皆様と一緒に行っていければと思います。なおここから先は映画の壮大なネタバレを含みますので、まだ本作を鑑賞されていない方は今すぐアプリもしくはブラウザを閉じていただき、直ちにお近くの映画館に出かけられることをおすすめいたします。なおイオンシネマではハッピー55という55歳以上の方は割引になるという制度もあります。決してイオンの回し者ではありません。


謎1 三重県は関西から逃げたのか?


劇中で大阪府知事の横暴さを訴えるシーンで「だから三重は関西から逃げたのよ!」と放たれる言葉があります。確かに、本作では解放戦線に三重県は加わっておりませんし、三重は愛知県を中心とする中部経済圏を構成しているという印象はあります。
しかし、幼少期の社会の授業では、確かに三重は関西地方であると学習したと記憶しております。さすれば冥王星が発見後70年以上も経過して惑星の地位から陥落したごとく、三重もどこかの時点で正式に中部地方に編入されたのやもしれません。
ここは三重県のホームページに明確な回答が記されているに違いない、と思い意気揚々と訪問したところ、そこには下記のような衝撃の見解が記載されていました。

「結論からいえば、三重県は中部地方にも近畿地方にも属していると考えています。」

は?
どういうことですか? 中部でもあり近畿でもある、つまり東日本でもあり西日本でもある、ということですか。これでは、関ケ原の合戦で東軍につくべきか西軍に付くべきか、はたまた東西対応オールスター運動会でどちらの軍に属すべきか、三重県民は皆目検討もつかないということになるのではないですか。
そういう白黒つかない、どちらにもいい顔をするような態度では、古の寓話のコウモリのように鳥からも獣からものけものにされるやもしれませんし、小早川秀秋のように結局家康からも信用されずに非業の死を遂げるということにもなりかねません。ぜひともここは県として明確な態度を示し、170万の三重県民を路頭に迷わせないでいただきますと幸いです。
なお本作では、麻実麗の逃亡ルートに一瞬だけ三重の山奥が通るように記載されていたようですが、その前の「鹿だ。奈良に入った」という滋賀のオスカルの言葉と大量の鹿軍団(どこから集めてきたんだ?)が強烈過ぎて目に入ってきませんでした。

謎2 麻実麗はなぜ「滋賀の水没は百も承知だ!」と言ったのか?


これは、大阪府知事の横暴に耐えかねた主人公の麻実麗が「琵琶湖の水を止める」という最後の手段の遂行を告げたところ、「それでは琵琶湖の水が溢れて滋賀が水没してしまう!」と滋賀解放戦線のメンバーに言われたときに言い放ったセリフです。
ここは映画館で見て私が非常に違和感を持ったシーンなのですが、SNSを見ても同様の感想を持たれた方も多かったようで「あの心優しい麗様が、同士の滋賀の人たちをいじめるとは信じられない!」「よそ者の埼玉県民にそんなことを言われる筋合いはない。これだから埼玉県民は」「もう二度と草加せんべいは買わない」などというコメントが溢れていたようです。
しかしこれでは、埼玉県民である私も今後言われのないそしりを受けてしまう可能性があります。ここは名探偵であるシャーロック・ホームズ氏に登場いただき、この謎をぜひとも解明していただきましょう。

「はっはっは、簡単なことだよワトソン君。実は麻実麗氏は、だれよりも滋賀を愛している人間だったということだよ」
「え、だって彼は前作では草加せんべいを踏むことができずに、埼玉県民であることがバレてしまったはずだよね。なんで滋賀を愛する必要があるんだい」
「そんなの、映画でもうすでに答えが出ているじゃないか。彼の母親は実は滋賀で彼を産んだ。つまり彼は本当は滋賀県民だったんだよ」
「あ、、、そうか水に沈む滋賀の街は彼の生まれた街でもある。そこが沈んでしまうことは、彼が一番その痛みをわかっている、つまり滋賀県民の痛みは百も承知だ、ということか!」
「ご明察。ちなみに麻実麗を演じたGACKT氏は、実際に中学から高校時代は滋賀県で過ごしたらしいよ。まぁそこまで考えて今回滋賀を舞台にしたのかはちょっとわからんがね。はっはっは。」

劇中では飛び出しとびたの大活躍により無事滋賀が勝利を収め、その後水没から驚異的な復活を成し遂げた様子が描かれており、今回の映画を見るまで滋賀には真面目に琵琶湖しか無いと思っていた私も頬を伝う涙を隠すことはできませんでした。いや、私以外の埼玉県民も皆感動されたと思います。
ですので滋賀県民の皆様、埼玉県民を見かけた際には決して石など投げずに笑顔で温かい握手を交わさせていただければと思います。滋賀には琵琶湖以外にも飛び出しとびたがいるのですね。それ以外何があるのかはまだわかりませんが。

さて、ここまで2つの謎について考察してまいりましたが、あともう2つ謎があります。これはまた来週の記事にてお伝えすることにいたしましょう。


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