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宮守を覗いてみよう。




遠野市宮守ってどんな場所なの?


 遠野市は、「日本の永遠のふるさと」としていつまでも日本人の心のよりどころのような場所であり続けています。遠野の農業は、そうした美しい心の風景を映し出している大切な営みであります。翻せば、農家が減ってしまうと、美しい風景が失われてしまいます。実際に、遠野の農家数は年々減少傾向にあり、耕作放棄地が増えています。それでも遠野における農家の営み=農業は、景観をはじめ社会的価値が大事にされており、農家は重要な存在です。
 
 宮守村は、2005年にその遠野市と合併しました。昔も今も変わらず、宮守には、大切にしている生活基盤があります。それは、「1集落1農業」。宮守の人々は、自然に寄り添い、自然と共に生きています。きれいな水も、おいしい空気も、森が育んだ贈り物。自然の恩恵の上に預かる豊かな生活が、ここにはあります

宮守村章


地域と暮らすライフスタイル


 実際に宮守で生活を始めた人に、宮守での生活についてインタビュー形式で伺い、率直でまっすぐな言葉を聞くことができました。宮守を知る、入り口になればと思います。

今回、インタビューした樋口さん
9月16日の遠野まつりに向けて、神楽を練習中


神奈川県生まれ。JICA青年海外協力隊の「環境教育」隊員として、ミクロネシアに派遣予定。JICAのグローカルプログラムの参加者として、岩手県遠野市宮守の「宮守川上流生産組合」で研修中。はじめて宮守に来て、生活している。


1. 宮守に来る前、どんな心境でしたか?

 心境は、東京の暮らしとは別のところで期待していたので、楽しみの方が大きかった。ルーティン化していた仕事から離れて、地域との関わりや地元の人との交流から感じる、新しい生活感のある暮らしをしてみたかった。

2. 実際に来てみて、第一印象はどうでしたか?

 棚田の景色が本当に綺麗でした。また、ほとんどの家に、農機具の収納用のスペースがあって、農業が生活基盤になっていること。米や野菜を育てるための田畑は、仕事場でもあり、生活空間のようでもありました。歩いていると、いろいろな場所から、話し声が聞こえてくるような、賑やかな雰囲気があります。

3. 来てから、2ヶ月が経ちました。心境の変化はありましたか?

 想像以上に、地域コミュニティの強さに少し驚いています。宮守の中に、あまり娯楽がない分、近所との会話を楽しみにしている人が多いです。特に、私のような外から来た人は、話題になりやすい気がします。また、仕事の合間や休憩時間は、それぞれ持ち寄ったものを共有して、楽しんでいます。私自身も、仕事しながら生活している感覚があって、充実しています。

4. 生活面について、伺います。宮守ならでは、特徴的なポイントはありますか?

積極的なシェア文化があります。なぜ、積極的かと言うと、旅行や観光で買ってきたお土産までシェアします。宮守には、お互いがほとんど家族や友達のように思っている人もいます。自給自足ではなく、自分のものは宮守のものという意識を持っている人もいるので、生活基盤の不安定な人には心強い存在です。

5. これから、宮守に来てみたい人に、メッセージをお願いします。

 個人的に、宮守という場所以上に、地域の人々に魅力を感じています。狭いコミュニティの生活で培ってきた知恵は、生きる術となっています。是非、宮守の生活を体験してみて下さい。


宮守のここを推したい


これから宮守に来る人に向けて、樋口さんに、「推しスポット」を聞きました❗️

わの里

 障害を持った子供たちが、これからも宮守で生き生きと働ける場所をつくりたいという想いから誕生した。今年の6月には、併設のカフェがオープンした。若者にとって、憧れのカフェの店員になることができ、働くモチベーションになっている。店内は、落ち着いた雰囲気で居心地の良い空間になっている。また、店内から宮守の美しい棚田を眺めることができる。


どっしりとした佇まいに、おしゃれなレイアウトのギャップが魅力


「こんな素敵な場所があるなんて」
樋口さんが最上級の賛辞を送るカフェ


宮守川上流生産組合

 2004年に設立した農事組合法人。農畜産業、林業の他、野菜や果物を加工している。また、組合直営の産直「サンQふる郷市場」は、名物の馬刺しやどぶろく、ジュースを販売している。宮守の農業、自然豊かな美しい風景を守り続けるリーダー的存在。その地域主導の集落営農は、全国でも珍しく、注目を浴びている。
Online-shop「山あいの手仕事屋さん」も運営しているので、ぜひ宮守の旬物を見つけて下さい❗️


ジャムやジュースなど、加工品の種類が豊富


宮守を丸ごと楽しめる組合直営の産直



夏祭りの伝統芸能(神楽、大神楽、さんさ踊り)

 踊りながら、各家を回る門かけを繰り返し、上宮守にある宮守観音という神社に向かう。神楽以外に、太神楽やさんさ踊りがあり、その場所から疫病や悪霊を払うとされている。ほぼ全員参加の宮守の人は、祭事というより夏祭りのお祭り気分で、踊りを楽しんでいる。地域の伝統文化を間近で体感することができる。


その時に宮守にいる人は、全員参加の伝統行事



日本のふるさとを表すような一枚



直近のイベント

 今月末、30日(土)に開催される「新・農業人フェア2023」に遠野市が出展します。場所は、池袋サンシャインシティになります。これまで、私たちの活動の軸になっていたホップに加えて、今回はわさびも紹介する予定です。もちろん、その他の農作物の就農についても、ご相談できます。こういった遠野の農業を話題にできるイベントに参加できるのは、非常に楽しみです。会場で、遠野の農業の可能性を共有しましょう。お待ちしております❗️


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