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「e-motorsports」と飲酒プレイについて

 ツイートすると角が立つようなことをこっそり書いていこうというこのnote。前回レースマナーについて書いたら思いのほか読まれてしまい、ほとぼりをさますべくしばらく大人しくしてたのですが。
 以前からもやもやっとしていたことについて書かれた記事を目にして、言いたかったことを記すいい機会かなと思って筆をとった次第です。
 で、その記事がこちら。

 非常に良記事だと思います。飲酒が「e-sport」で与える影響がどれくらい大きいのかを具体的に論じた記事は、私自信は始めて読みました。

 私がグランツーリスモを始めてSNS等である程度知り合いも増えた時期に、内心感じていたのは「レースゲームで接触などのマナーに煩い人は多いのに、一方で飲酒プレイには非常に寛容である」ということ。よくビールの缶の写真などがアップされているのを見るたびに、よくみんな酒飲んでプレイできるなと思っていたのが正直なところ。

 私は小心者ですから、レースに出れば楽しみつつも人に接触しないようにかなり気をつけているので、酒を飲んでプレイすれば絶対に操作や判断が甘くなり、アクシデントのリスクが高まるのにどうして?と。
 一緒にレースに出るプレイヤーへのリスペクトを欠く行為でないかと思うのです。

 で、飲んでデイリーや公式戦など見ず知らずの他人と一緒に走るレースに出ていて、更にはツイートとかでレースで接触された模様などを晒していて「(相手の)マナーがなってない」などと騒いでいるのを見ると、個人的にはもう訳がわからんと。これは価値観が違うんだなと受け止めざるを得ない。

 たまに「自分は飲んだほうが運転(ドライビング)が冴える」みたいなことを言ってる人がいますが、どれだけ嫌われてもこれだけは書きます。それだけは絶対に言ってはいけない。
 かつて数十年前はリアルの酒場でそういう発言をする人たちがあちこちにいたのです。そういう人たちが居酒屋から飲酒運転をして帰り、その途中で悲惨な事故を起こしてきました。それを繰り返す中で遅まきながら社会全体の取組が進み、ようやくそういう発言がリアルの場から駆逐されつつあるのです。いま、プロドライバーが上記のような発言をしたら、まちがいなく業界から永久追放でしょう。

 一人でやるオフラインの練習やタイムアタックなんかは飲んでもいいと思うんですね。後は本当に気心の知れた仲間とだけ走るときとか。
 私はどんなにSNSで親しくしている方でも、アクシデントはできるかぎり避けたいので自分は飲まないですが、そういう仲間内だけで走る時に他の人が飲んでいても、それはまあ許せるというか、さほど気にならない。

 ただそれは私がグランツーリスモを「ゲーム」だと捉えているからだと思うんですね。レクリエーションとしての「ゲーム」なら、飲んでのプレイも一定許容されると思うんですが「スポーツ」として考えたらどうなのかというのはまた微妙で。
 「e」も含めた”スポーツ”と”ゲーム”の違いについてはこれまた色々言いたいことがあるのですがそれはまあ別の回にするとして。

 いまレースシム界隈を見ていると「e-sports」(又は「e-motorsports」)としての取り組みに力を入れているように私からは見えます。
 「e-sports」という新しい言葉、コンセプトをアピールすることで、注目が集まり、ヒトとカネが動き、この界隈の発展につながっていく。それは経済社会に生きる一人の人間としてよーくわかるのです。

 ただその方向で進めていくなら、飲酒プレイについてはもう少し界隈の意識を高く持った方がいいんじゃないかと思っています。
 現在も、クルマ業界の企業さんが何らかの形でスポンサードしているオンラインのレースイベントは少なくありませんが、そのレースに飲酒したプレイヤーが参加していたらどうでしょう?
 あの業界がどれだけ飲酒運転をセンシティブに捉えているか知っている方は賛同いただけると思うのですが、個人的にはかなりシュールな状況のように感じます。リアルとシムの共通性、親和性をアピールすればするほど、この話は重いテーマになってくる。

 この界隈が発展していこうとするなら、既存のクルマ業界との関わりは不可欠でしょうし、一緒にクルマ文化を作っていく、その一翼をお手伝いするんだという気構えも必要だと思います。
 ただ、そういう「e-motorsports」としての方向に一層進んでいくのであれば、参加するプレイヤーも含めて、飲酒プレイについての意識を変えていく必要があるのではないかと感じています。