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月額880円でモリサワフォントが使い放題のサブスクを使ってみた


※記事中で紹介しているサービスは全て2023年5月時点のものです。


こんにちは。私は小説を読むのも書くのも好きで、小説同人誌も大好きなオタクです。
皆さんはフォントが好きですか?私は大好きです。本を選ぶ時は本文フォントで決めるくらいこだわりがありますし、ネットで見かけた同人漫画や小説本に有料フォントが使われていると「すげー!」となります。
時には有名企業のでっかい広告や商品パッケージに有名なフリーフォントが使われているのを見て「おお…」となったり。特にはんなり明朝とうつくし明朝体はかなりよく見ます。

フォントってデザインにおいてとても重要で、たとえば小説同人誌でもモリサワのリュウミンやイワタオールド明朝や筑紫明朝を使うだけで一気に商業本らしくなります。
昨今の同人誌界隈では「商業本っぽさ」を重視する風潮が年々強まっていますが、特に商業文庫本っぽい同人誌を作ろうとしている人達にはぜひフォントにもこだわってほしい〜。私のようなフォントオタクが大喜びするので(突然馴れ馴れしくなる)。

プロのデザイナーに装丁を依頼する人も増えてきたので、今では装丁に有料フォントが使われているのは珍しくはないですが、本文フォントはしっぽり明朝や源暎こぶり明朝のようなクオリティの高い無料フォントが根強い人気を誇っています。
一方有料フォントの人気どころと言えば、やはりモリサワフォントかと。

モリサワフォント、いいですよね。リュウミン、新ゴ、A1明朝など、商業漫画や小説に留まらず広告や商品パッケージデザインにも使われているものばかり。
写研フォントがデジタルで使えなくなってからは、フォント界はモリサワ一強になったのではないでしょうか。


ところで。
その最強のモリサワフォントが月額880円で使い放題になる、iPad限定の最強サブスクがある事をご存じでしょうか?


いきなり胡散臭い言い方をしてしまいましたが、私はモリサワの回し者ではありません。ただのフォントオタクです。
百聞は一見にしかずという事で、公式サイトをご覧下さい。

Morisawa Fonts、MORISAWA PASSPORTユーザー以外のお客様もモリサワ、タイプバンクブランドの人気書体から厳選された基本のフォントパックStandard Packをアプリ内課金 880円(月額)でご購入いただけます


ええ〜? モリサワ、タイプバンクブランドの人気書体から厳選された基本のフォントパックStandard Packが880円で使い放題? モリサワさんおかしくなっちゃった?

中の人がおかしくなったのか強火のiPad推しなのかは分かりませんが、とにかくiPadだと使えるそうです。
PCだと年額ウン万円を払ってモリサワパスポートに加入したり、一太郎プレミアムを購入しないと使えないあのリュウミンが、iPadだとなんと1000円出せばお釣りが来る上に他のフォントとセットになって使えるのがこのサブスクです。本当に中の人がおかしくなったのかもしれません。

「と言っても、使えるモリサワフォントなんて値段相応に精々5ファミリーくらいでしょ?」と思うでしょうが、そんな事もなくめちゃめちゃ豊富です。モリサワパスポートのスタンダードプランではなく厳選されたスタンダードパックなので幾分かボリュームは控えめですが、それでも880円以上の価値は十分あるラインナップ。
そのモリサワパスポート for iPadをサブスク契約して、実際に使ってみました。

ラノベ好きなのがバレる


モリサワといえばやはりリュウミン。小説本文で組んでよし、クリスタやイラレでロゴにしてよしのなんでもできる優等生なのがリュウミン。商業漫画でも使われてます。小学館系のモノローグでよく見るやつ。
私は漢字や英数字でフォントを判別するほどのフォント鑑定力は持っていないですが、ひらがな、特に「た」の鑑定力には自信があります。
リュウミンの「も」と「た」が好きすぎる。もっちりしていて美味しそうでいい。字書きのみんな〜、リュウミンLとRで食事シーンを書いてくれ〜。頼む〜。
本が好きすぎて本を食べてしまう某文学少女の気持ちがこの時ばかりは少し分かります。そういえばファミ通文庫もリュウミンLですね。

リュウミンオールドがなは写研の石井明朝オールドスタイル大がなに似ていますが、実は私はあまり好きではなかったりする…目がチカチカしてものすごく読みにくいのです。なので本文フォントが石井明朝からリュウミンオールドがなに変わってから、電撃文庫が読めなくなってしまいました。
変えるなら普通のリュウミンにしてほしかった。石井明朝は大好きでした。写研が復活したら電撃文庫には切実にこれに戻してほしいです。

リュウミンは一番軽いウエイトのLが色んなレーベルの文庫本でよく使われています。
が、私はMF文庫Jで育ったのでRも大好きです。Lより好きかもしれない。Rはソフトカバーやハードカバーの単行本でも使われているのを見ます。

ちなみにリュウミンLはかなり細いフォントであるが故に、同人誌で使うと印刷所によってはオンデマ印刷でも文字が掠れて読みにくくなるところもあります。
コミックモールがそれなので、コミモさんで本を作る人や視力に自信のない人はリュウミンRにした方がいいと思います。

掠れる印刷所はオンデマ補正(オンデマだと太りやすくなるからこそ、印刷時にフォントを細く補正している?)を掛けているんじゃないかなあと思ってますが、分からなければ印刷所に訊いてみたり試し刷りをするのが吉です。
でも太るところは普通に太ります。ちょ古っ都さんとか。


強調セリフにはリュウミンも使われがちなので、雰囲気に合わせてそっちも使うといいよ


モリサワパスポートfor iPadを活用できるのは字書きだけじゃない!漫画を描く人にも全力でおすすめします!
写研の時代が終わってからはどの出版社もモリサワに移行したので、このサブスクに入っておけば好きな商業漫画と同じフォントが使えるオタクになれます。私も漫画をバリバリ描く人間なら使い倒したかった。

ちなみにアンチックはリュウミンオールドがなと同じくひらがなとカタカナ専用なので、普通に台詞フォントとして使うには漢字用のフォントを合成フォントとして設定しなければならないです。クリスタでの設定方法を書いてくれている記事があるので参考にして下さい。



ちなみに、ジャンプで使われている台詞フォントはアンチゴシックというらしいです。
モリサワのアンチックと別のゴシック体を組み合わせたものをアンチゴシックと呼んでいるのか、それとも漢字フォント自体がアンチゴシックという名前なのかは謎。


本明朝ってどこで使うの?


出た!A1明朝!
タイトルロゴとしては『君の名は。』などが有名ですね。あと帯や漫画のアオリ文でもよく見るようになった。
A1明朝も石井明朝に似てると思います。「た」が全然違うから並べられたら分かるけど。どのフォントも「た」が一番特徴が出ると思う。
とても使い勝手がいいですが、ウエイトが1つしか無いのが玉に瑕。

フォークはウエイト小さいやつがジャンプ系の通話中セリフに使われてる気がする


あとはロゴやデザインに合いそうなものを。
モリサワフォントの中には小説本文に使えそうなものもありますが、常用外漢字が使えないフォントもあるので必ずPDF出力の際にチェックして下さい。不安ならリュウミンを使うのが一番安全だと思います。
全部は載せていませんが、もちろんスタンダードパックにはこれ以外にも綺麗なフォントや可愛いフォント、お嬢様っぽいエレガントなフォントなどがたくさん揃っています。多すぎて紹介しきれません。

これら全てが880円を払えば一ヶ月使い放題なのが、モリサワパスポートfor iPadです。正直ぶっ壊れてる。
iPadを持っている人は、モリサワの中の人が正気に戻る前にぜひこれで同人誌を出して下さいね。


iPadを持ってないiOSとWindowsユーザーの人には、フォントワークスが提供しているmojimoというサブスクをおすすめします。


字書きの人には小説本文向けの筑紫明朝が使える「mojimo-kirei」と「mojimo-select」、漫画描きの人にはアンチックセザンヌを含む「mojimo-manga」がおすすめ。こちらも月額数百円から使えちゃうお手頃なサブスクです。

筑紫明朝は『ひぐらしのなく頃に』や『物語シリーズ』の講談社BOXで使われているフォントなので、馴染みがあるかと思います。写研の本蘭明朝を思わせる安定感ともっちり感があるフォントなので私も好き。

ちなみにこのアプリはAndroidは非対応とのことです。残念。

同人誌はフリーフォント一強だからこそ、この神サブスク達を推させて下さい。個人的には有料フォントが使われている方がアガるので…。
まあ結局は自分の好きなフォントを使うのが一番なんですけどね。

やっぱりリュウミンRは美しい


タイトルはリュウミンBかUだったか…あと確かしまなみ。


これは鶴丸推しの友人にあげる用に作った本。写真ブレブレですみません…
印刷はちょ古っ都製本工房さんにお願いしました。ものすごく綺麗に刷って頂き感動です…!
無知なので黒ベタにマットPPをかけちゃいましたが、しっかり製本して頂けています。ペラ本1冊とはいえこれで送料込みで500円、しかも余部つきとか頭が上がらないです。ちょ古っ都さん大好き!
これとは別にオリジナル小説を本にするために今現在作業しているので、そちらも完成次第組版や装丁含めたレポを書くつもりです。


それでは皆さん、良い同人ライフを!


株式会社モリサワ(中略)は、2021年1月に発表した写研書体の開発プロジェクトにおいて、株式会社写研(中略)の代表的な書体である「石井明朝 ニュースタイル大がな・オールドスタイル大がな」「石井ゴシック」をOpenTypeフォントとして改刻し、2024年にリリースすることを発表します。

ウオアアアアアーーーーーーーッ!!!!!!

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