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無料でAIに作詞作曲をさせたい


  • はじめに

これはAIの有用性を「なんかそれっぽいものを作り出す」目的に限定して活用しわずかな自己満足を得たい人間が書く文章のようななにかです。ひとつひとつの言葉を命を削って紡ぎ出す人、内から湧き上がる表現欲を音楽に託す技術を突き詰める人は不愉快に感じる可能性があります。

  • この投稿で書きたいこと

寝っ転がって何かを創り出した気分を味わう怠惰な時間をそれらしく飾りたて、中年が精神の鎧に潜り込ませた承認欲求をダダ漏れにしたいです。



chatGPT に作詞してもらおう

「chatGPTは嘘を教えてくる」という話を聞いたことがあります。
これには単純な学習データ不足が考えられますが、興味深いのは
「正解が存在しない世界の嘘とは何か」 言い換えると
「嘘は正解の存在しない世界において何か」
という点です。

ここに至って、「嘘とは新しい視点である」そして「新しい視点は表現の種である」と考えました。◯✖️クイズの✖️を一から生成する作業と類似しています。

そんな難しいことを考えなくても、lyricの作成はchatGPTにアシストしてもらえればいいよ、という話もあります。

chatGPTに世界を広げてもらおう

表現の種があれば、chatGPTは指令に沿って容易に世界を広げてくれます。
例を挙げて説明します。

Q.「海老で鯛を釣る」という諺の意味を教えてください
A.「海老で鯛を釣る」という諺は、物事が本来の目的や手段から逸れている状況を指し示しています。具体的には、適切でない手段や方法で望んだ結果を得ようとする行為を批判的に表現したものです。

とある中年とAIのやり取り

嘘ではないが微妙にニュアンスが違う情報です。この情報を種に指令します。

  • 「海老で鯛を釣る」という諺と同義の英文を教えてください

  • 具体的な使用例を英文で示してください

  • この英文を使い、200字程度の文章を作成してください

  • 社会の矛盾に対する哀しみをより強く表現してください

  • 一人称の視点で再構成してください

  • より退廃的にしてください

指令を繰り返すことで微妙なニュアンスの違いは膨大な情報を搭載し、まったく予期しない世界を広げていきます。

chatGPTに歌詞にしてもらおう

ここからAIが本領発揮してくれます。下記のような指令を難なくこなします。

  • この文章を歌詞にしてください

  • 口語表現にしてください

  • 小学5年生でも分かる言葉を使ってください

  • スラングを多用してください

そんな中でも最強の一発指令があります。これで一気に歌詞が完成します。

韻を踏んでください

hey yo, men

Suno に作曲してもらおう

楽曲を生成するAIにお任せします。まったくゼロから歌詞やジャンルをランダム生成して楽曲作成することもできますが、Custom Modeで3つの要素を指定することで任意の歌詞を元に楽曲を生成してくれます。

  1. Lyrics

  2. Style of Music

  3. Title

Lyricsはせっかく作ったものがあるのでそれを使います。多くの人間に表現を届けようとしない限りTitleなんて飾りなので自分がわかればなんでも良いです。
ちなみに曲のサムネも自動生成されます。

MetaTagを調べて楽曲のジャンルを決めよう

作成される楽曲のジャンルはStyle of Music で決まります。AI任せでもいいですし、MetaTagで細かく指令もできます。ちなみにLyrics内でMetaTagを用いて、前奏、メロ、サビ的な指定もできます。MetaTagはすべてが公開されているわけではなく、ユーザーが様々な実験をしている最中のようです。
もしかしたらより前衛的な音楽ジャンルも指定できるのかもしれません。

曲の時間に気をつけよう

無料で使える範囲での話ですが、作成される曲の時間は「1分20秒」です。
(2024.3.24補記 v3から「2分」になりました)
(2024.10.16補記 v3.5から「4分」になりました)
なのであまり歌詞が長いと途中でブツ切れになります。
ブツ切れの続きを作りたい場合は、メニューの
Continue From This Crip で曲の続きを「1分」作成できます。
Extendで任意のカウントから曲の続きを「2分」作成できます。(v3.5で確認)
これを繰り返していくことでプログレのようなクソ長い曲を作ることも可能だと思います、たぶん。4分くらいまではいけました。

欠点を回避しようと足掻こう

ほぼ100%、曲の最後がブツ切れになります。私はとても気になるので最後を無理やりセリフっぽい歌詞で終わらせたりして仕様の抜け道を探っている最中です。
(この事象はv3.5でほぼ解消されました)

ソングライターを気取ろう

さてここからはAIの成果を横取りして中年が承認欲求を満たす時間です。
代表作を厳選したコンピレーションアルバムです。

to catch a carp with shrimp(1:28)

rap core はものすごくざっくり言うとミクスチャーロックです。
「海老で鯛を釣る」からこの曲ができたことでchatGPTが作詞できることを知り
そして「韻を踏んでください」が最強の指令と気づいた曲です。

geniusesxXxx(1:30)

90年代キッズの大好物、メロコアです。
グランジやガレージパンクに派生させることもできるようです。
この曲はchatGPTのログが残っていないのですが、怒りと絶望により反体制的な要素を加えようとしている形跡がありました。パンクだからですかね。

what's your deal?(2:07)

パーカッションとか入ってゆるく踊れそうな曲なんかないかなーと試行錯誤して
たどり着いたのがafrobeat でした。案外メジャーなジャンルのようです。
この曲は陽キャと陰キャの多重人格者が人格の出入りを繰り返しそれぞれが友情や愛や仲間について語っているさまを、第三者が裏から常に「お前ずーっと何をしゃべってるんだ」と言っている歌です。

monster house exhibition(1:50)

サイバーポップです。ネオかどうかは分かりません。テクノポップでもっと電子音が目立つ曲を探っていたらたどり着きました。この曲は住宅展示場を不法占拠している人がわざわざローンを組んでマイホームを持つ人々を痛烈にディスり、まずお前が住宅展示場から出て行けと言われる歌です。

cli cla(2:01)

最後に日本語ボーカロイド曲です。日本語はとにかく「てにをはの“は”」を認識させるのがとても難しいです。ちなみにこの曲の入りはLylicsにないフレーズですが、このように未知の言葉が紛れ込むことがしょっちゅう起こります。世界中の人が同時に生成処理したら混乱するのかもしれません。先日は「チャンネル登録お願いします」という言葉が紛れ込みました。
この曲は地球外生命体が制圧した世界で、地中海性気候をコケにする歌です。


私は音楽のジャンルに詳しくありません。
「言語化できない楽曲のイメージを総当たりで試して言語化する」訓練のため、chatGPTに列挙させた「過去数十年において発展した新しい音楽ジャンル」を
片っ端からStyle Of Musicに突っ込んで試すSuno百人組手を実施中です。


  • おわりに

この投稿のヘッダー画像は、LINEお絵描きばりぐっどくんが無料生成したものをB612で加工しています。


AIの生成結果はどこまでが著作物で著作権は誰が所持するんでしょうね。

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