『今日の夢』

 軽い角材を片手に、松明で照らされた洞窟を走る。
皆で、突撃していた最中だった。
何かわからないそれを目指して、緋色に照らされた足場の悪い洞窟を、どたどたと音を立てて進んでいく。穴はギリギリ二人が走り抜けられる大きさだった。

 しばらく走っていると少し開けた空間に出た。そこは他の洞窟との合流地点のようだった。
突如として、正面にハイレグアーマーな槍兵士が現れた。
持っていた角材でぶん殴る。
しかし角材はに軽々と砕かれた。飾りみたいな甲冑に負けた。
相手はびっくりしているようだったが、効果は今ひとつのようだ。
唯一の武器を失った僕は、女が持っていた槍を強引にひったくる。
なかなかに良い長さの槍だ。
試しに構えてみると、ポニーテールのその女は言った。
「私から槍を取ったら、ただの女の子になっちゃうよ?」
無視して先を急いだ。
武器をなくしたあいつは助からないが、構わず走った。
ひどく疲れていたが、体は壊れたおもちゃみたいに機敏に動いた。


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