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松竹梅なら梅くらいの年末年始

あけましておめでとうございます。皆さんはどんな年末年始を過ごしましたか?

僕は年越し蕎麦を作ったり、初詣をしたり、あとはひたすら散歩をするなどして、「日本の正月 ベーシックプラン」みたいな過ごし方をしていました。スタンダードプラン」比較すると、おせち料理や親戚付き合いや年賀状などがオミットされている。画質も480pまでだ。ちなみにプレミアムプランの人は、おせち料理を自作して、写真館で家族写真を撮るし、4K UHDで4台まで同時視聴できます。さすがに例え方が雑すぎて、なんの話か分からなくなってしまった。

「お前はイベントごとが嫌いなのに、いっちょまえにベーシックプランで過ごすのかよ」とヤジが飛んできそうなので弁解すると、年末年始なんて他にやることがないだけです。ないですよね?
それに、年越し蕎麦を作るのは個人的な趣味でもある。2日前からカエシを寝かせておいて、昆布を一晩水に浸けておく。しっかりと出汁をとる。プラモデルにやすりかけをするのと同じで、こういうちまちまと作業に没頭するのは楽しい。普段は絶対やらないのに。今年は鴨南蛮蕎そばを作った。美味しかった。

初詣に関して言うと、僕の住んでいる地域では飲食店もスーパーもしっかりと正月休みをとっているから、元旦から暇つぶしできる場所が神社周辺しか無くなってしまう。やることも無いので暇つぶしにふらふらっと散歩をして、ついでにお参りをぱぱっとすませてしまうわけだ。
でもまあ、実際のところ、年末年始なんてこういう過ごし方が一番気楽でいいですね。
そう思うのは、僕の九州の実家の年越しが「プレミアムプラン」の年越しだからかもしれない。
12月30日頃を目処に、方々に散らばっていた家族たちが祖父母宅に集まってくる。それだけならいいのだが、日本酒やら焼酎の一升瓶を、敵兵の首のように自慢気に持ってくる。
どいつもこいつも荷ほどきより早くビールを空けはじめるし、床の間には各々が討ち取った生首……ではなく、”いい酒”たちがずらりと並ぶ。森伊蔵の入手経路の武勇伝が語られたりするから、あながち討ち取ってきたとは誇張表現でもない。国際線で買っただのなんだの・・・
あとは朝から晩までずうっと酒浸りである。元旦の朝から、30分足らずで一升瓶が3本空になる。一緒になって飲んでいると、とてもじゃないが休まる感じはない。じゃあ飲まなければいいという話でもあるが、言うまでもなく、しらふではとても付き合いきれない。もちろん楽しいっちゃ楽しいんだけど、ちょっと疲れてしまう。

では家族で年を越すならば、どういう過ごし方が理想か?これはなんといっても『動物のお医者さん』の西根家の年越しが一番です。
西根家では大掃除もしない、紅白観戦もしない、初詣でもしない。正月くらい台所仕事をするおばあさんを休ませるために、大学生のハムテルがおせち料理だけは作る。うーん、なんとも合理的というか、クールですね。で、唯一の恒例行事が、帰省した両親とおばあさん、ハムテルの4人でやる家族麻雀なのだという。この麻雀のシーンは、ルールを全く知らなくても読めてしまって大変おかしい。よかったらぜひ読んでみてください。

そんなわけで、年末年始はマイペースにのんびりしていました。たくさん散歩もしたし、本も読んだし、『一年の計は元旦にあり』の観点から言えば、そこそこまともな一年になる予感もある。もっとも、「元旦の過ごし方は自己申告制」というのが、この格言の肝なのかもしれない。

特に目標を立てるつもりはないが、今年はこういう「毒にも薬にもならない」ようなエッセイ的なものを週3ペースくらいで掲載したい。がんばろう。

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