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子どもたちが住んでいる地域を歩く

 今年度うちの学校では、新たに地域確認日というものが設けられた。これは以前あった家庭訪問を少し簡略化し、子供たちがどんな場所に住んでいるのかというのを見て回るものだ。昨年度末に導入の話があったときには、正直かなり反対していた。今更自分たちの仕事量を増やすような事はやめて欲しかったし、そんなに意味があるのかとも思っていた
 しかし、実際にやってみて、個人的にはかなり良い取り組みなのではないかと思思った。僕は子供と一緒に下校し、地域確認をしている。その時に子供たちとできる会話が面白いのだ。
 子供たちの中でクラスと言う場はパブリックな場所という意識があることがわかった。しかし、下校中は完全なプライベートな様子になっていた。クラスではそこまで大はしゃぎしていない女の子が、下校時は大騒ぎ。めちゃめちゃ面白い話をたくさんしてくれた。そして普段では言わないような個人的に考えている話もしてくれることで、その子の見えないところが見えたような気がする。
 また、一緒に帰ることで「ここは誰の家なんだ」とか「ここでよく遊ぶんだ」とか「ここにこの前こんなものがあったんだ」と言うような話をしてくれることがとても面白い。何より、子供は先生と一緒に帰れると言う特別感をとても楽しみにしている。

 しかし一方で授業が全然進まないと言う課題もある。地域確認日の日は4時間授業になってしまうので、6時間の日であれば午後の2時間がカットされてしまう。正直、地域確認は子供たちと一緒に下校して学校に戻ってくるだけであれば30分で終わる。それをうちの学校は 小学校は4月の5時間なので、その4月中に何度か行えば良いのではないかと思った。

 そもそもこの地域確認日自体がいるかどうかと言う議論にもなりそうだが、個人的にはやってみて良かったなと思った。子どもたちが住んでいる地域をぶらぶらと散歩することで色々と思いつくこともあるし、肌で感じることもあった。環境は人をつくると言うのだから、子供たちがどんな環境で過ごしているのか、それを知る事は重要なのではないかと自分の考えを改めるようになった。

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