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「違い」にどう向き合うか

 学級会で決めたドッチボール鬼ごっこを実践した。3チームに分かれて、体育館の隅には、それぞれのチームで当たった人が入る牢屋のゾーンがある。当てられた人は自分を当てた人が当てられたら復活できるというルールだった。僕のイメージでは、みんな走り回って当て合うのかと思っていたが、3チームに分かれたことと牢屋の位置が関係して、チーム通して牽制し合いながらのゲーム展開になっていた。相手の様子を伺いながら、攻める時と逃げる時の判断をできる面白い設定になっていた。これはきっと企画者は意図していない状況だったと思う。
 さて、子どもたちが企画し、話し合い、準備し、実践する学級会ではトラブルがつきもので、今回の実践でも見事に揉めた。揉め事の始まりは、ドッチボールあるあるの「当たった、当たってない問題」第2ゲームの終わりにそのことである子の感情が爆発。それに対しての相手チームの対応で、感情爆発の子のチームメイトはフラストレーションがMAX。そんな状態で第3ゲームを開始し、怒りを爆発させボールを当てる子や壁に当たる子。そんなクラスの様子を見ていて泣き出す子。まさにカオス状態。
 そんなクラスの状態を見てある子が
「先生、これこのまま続けるの?」
と聞いてきた。一瞬対応に悩んだが、僕がストップをかける程、暴力や暴言が出ていたわけではないので、
「企画者のチームの判断に任せるよ。」
と答えた。すると、その子は第3ゲーム終了の時に企画チームを集めて、
「ねぇ、これこのまま続けるの?」
と話しだす。すると、何人かが集まりだし話し合いが始まった。
「喧嘩起きてるのにこのまま続けていいの?」
「でも、せっかく企画してくれてんだからとりあえずやらない?」
「なんで、この一部の人たちだけで話し合ってんの?みんなで話し合わないの?」
「いや!まず、少人数で話さないと訳がわからなくなるし。」
うまく噛み合わない対立が続き、ある子が
「先生、話す時間って明日取れる?」
と聞かれたので、
「それは全然OKだよ。」
と答えると、とりあえず4試合目を始めた。
このやり取りの中、気づいて近くに寄ってくる子もいれば、我関せずで体育館でボールで遊んでいる子もいた。

 この一連のやり取りの様子を動画で納めて振り返りで見せてみた。
「それぞれの考えの違いが生まれた時に、対立が起きているよね。この違いに対してクラスとしてはどうやって向き合っていきたい?」
という問いを全体に投げかける。そして、近くの人と話し合ってもらい、全体でシェアをしてもらう。
「次に活かせるような話し合いができるといい。」
「違いをまずは受け入れることが大切なんじゃないかな?」
ポツポツと子どもたちからは言葉が出てきたので、それを価値づけして振り返りを終えた。
 子どもたちは話し合いと言っていたのに、僕の方が長く話してしまう振り返りになっていたことにかなり反省した。もっと、初めに焦点を絞らずにその時に感じていたことを出し合わせればよかった。

 学級会の実践や振り返りは何度やっても難しい。その場で出てくる子どもたちの感情や思考をどのように扱えばいいのか。ただ、改めてこれが面白いと感じている自分にも気づけた。

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