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ギックリ腰になったとき:筋肉は裏切らない

◆ギックリ腰の恐怖に怯えた生活

 誰が言ったか覚えてないが「筋肉は裏切らない」というのは本当で、長年悩まされたギックリ腰の恐怖から最近開放されました。

恐怖は突然やってくる

 結婚してすぐの33歳で初めてギックリ腰を経験して以来、慢性的な腰痛と数年おきに起きる突発的な重症で数日間動けなくなる生活。
 セミプロの腰痛持ちを自覚してましたが、そんな生活から50代後半で開放されました

 そんな私が長い経験を公開して、腰痛持ちのお役に立てればと思います。

 結構軽く

「ギックリ腰やっちゃいました〜」

なんて言う人がいますが、殆どの場合は軽い捻挫のようなもので、神経が直接脊椎に触れてしまう本当のギックリ腰の痛みを知らない人が殆ど。

 まあ、あんな痛みは経験しない方が良いです。正直、人生観も変わります。叩かれたり、切ったりした痛みでなく、神経をダイレクトに攻撃する痛み。同種の痛みは、初めて直腸の問診を受けた時に無理やり指をねじ込まれた時以来ですw。

 ギックリ腰発症して床に倒れて動けなくなったとき、寝返りどころかちょっと角度を変えるのも無理になったときの無力感と自分の情けなさ、虚無感は、神経系の痛みを経験しないと理解できません。
 一度やってしまうと、咳はもちろん、くしゃみが一番の恐怖です。
花粉症持ちが花粉の時期にギックリ腰をやったら悲惨だと思います。

◆伸びる回復期間

 初ギックリ腰のときは、3日間寝込んで会社に復帰して、帰宅時に家族に車で来てもらい、そのまま知り合いのカイロプラティックに連れて行ってもらいました。その後1週間くらいは痛みが残りました。
 それ以降、慢性的な腰痛、軽いギックリ腰に加え、だいたい数年おきに重症系のギックリ腰をやってましたが、年々回復に時間がかかるようになりました。

 初めては3日で仕事に復帰できたけど、7〜8年前に重症だったときは、自室の床で倒れた場所で6日間30センチくらいしか動けませんでした。そしてその後も恒常的な痛みに半年以上悩まされました。一番最近は、2021年の春に比較的軽いやつ(でもちょっと杖ついてました)。

◆あっ、ギックリ腰!まずどうするべきか?

自称セミプロのギックリ腰患者から言えるのは、

まず冷やすこと

です。

 絶対に温めてはいけないです。初期のギックリ腰って炎症を起こしているので、とにかく冷やすこと。自分は、アイスノンを当てて2〜3日冷やします。感覚無くなるくらい冷やしてます。

 どうにか炎症の痛みが収まってきたら、とにかく安静にするしかないのですが、恐らく腰回りの筋肉が固まってきていて、それに引っ張られて神経を刺激するので筋肉を緩めるために温めるのはあり。

◆ギックリ腰発症時のハイライト

 発症中に困るのが寝返りとトイレ。寝返りは体からひねろうとすると激痛が走るので、コツは手でどこかを掴んで体を引き寄せるように動かすことです。もちろん痛いのですが、このほうがいくらかマシです。

 そして一番の課題はトイレ。小用は素直にシビンを使いましょう。無ければペットボトルです(笑)。

 寝返りがなんとかなるくらいになったら、ここでやっとトイレに行ける感じでしょうか。初期の炎症が収まった後に一番痛みが出るパターンが、背骨に上下方向の圧力が掛かった状態です。

 移動のコツは

 背骨を立てずに移動すること=四つん這いでゆっくり移動することです。出来るだけ背骨を拗じらないように移動すれば数メートルであれば移動できるはずです。

 トイレまでたどり着くと、次の関門は体を便座の上に移動することです。

 おそらく四つん這いで移動することができれば、背骨を床に平行に近い形でゆっくり腰を上げるまでは、誰でも出来ると思います。ここからが最難関です。

 便座に登ったとしても、上半身を立てると共に、体幹に激痛が走ります。私も最初の時は、一度ギブアップしました。

 いま体に何が起きているのかといえば、上半身を立てると共に背骨に圧力がかかり、脊椎間が詰まり神経を圧迫している状態です。これが死ぬほど痛いのです。

 ここで出来ることは、腹筋・背筋に力を入れて、少しでも背骨が重力によって縮むことを阻止することです。呼吸を停めて力を込めて脊椎間のスペースを維持するイメージ。正直頭の血管がキレそうになります。健康状態によっては危険かもしれません。高血圧とかの人は無理かも。

 体を立てることを少しでも楽にするには、サポートベルトを巻いて腹圧を利用することです。これはウエイトトレーニングとかで使われているテクニックなのですが、

サポートベルト無しだと

 腹圧をかける⇒骨格がないので腹回りが広がる⇒背骨が固まらない
  となり、背骨が安定しません。

なのでウエイトトレーニングでは、骨格のない腹回りにサポートベルトを巻いて腹回りが広がるのを防ぎ、そこに腹圧を掛けてベルトの反発を利用して背骨を固めます。

ベルトを利用することによって

 腹圧をかける⇒ベルトの反発が掛かる⇒背骨が固まる
  
これによって背骨が安定します

 腹圧の掛け方についてはトレーニング系の動画を参考にすると良いです。適切なベルトについては、事項にまとめるので参考にしてください。

◆備えあれば憂いなし

ギックリ腰を発症してしまってから”アレが無い、コレが無い”と騒がないで済むように、いざギックリ腰を発症した時にあると便利なもの四選。

  1. サポートベルト
     整体とかで医療用のベルトを薦めて来ると思いますが、個人的にはあまりオススメではないです。医療用は値段の割に効果がいまいちでコスパがよく無いです。
     いままで使って良かったのは、スポーツ用のウエストベルト。オススメはスキーやモトクロスで利用されているバタフライのついたベルト本体の締め込みに加えて、補助の調整幅が便利。元々激しいスポーツで使う想定なので、通気性や耐久性も良いです。固すぎず、終日装着しても違和感ありません。
     最近見つけたのが、筋トレで使われているシークのトレーニングベルトでナイロン製のものですが硬めの芯が入ってます。これは上記のものと比較して柔軟性は無いのですが、痛みが酷い時にトイレ等移動する場合に伸びないので腹圧をかけやすく、神経が脊椎に当たるのを避ける助けになると思います。価格、耐久性ともに高コスパで最後に重症のギックリ腰を患ったときに、このベルトを持っていたらトイレにもっと早く行けたと思います。

  2. トレッキングポール(杖)
     移動する時にポールがあると助かります。初めてのギックリ腰のときに、父のハイキング用ポールが便利だったので、以来愛用しています。折りたたみや収縮式だと携帯に便利で、私は出張時に万が一を考えてスーツケースに常備しています。
     選び方は、スキーのストックのようにストレートなハンドルでは体重を預けにくいので、ハンドルがT字になっているもの。

  3. アイスノン
     これはいつも2つ冷蔵庫に入れてます。発症直後はとにかく冷やすので、一つが温まったらすぐ交換です。

  4. しびん
     神経が脊椎に当たると動けないでトイレにいけないことは想定できます。腰に不安がある人は購入しておきましょう。情けない話ですが、初めてのギックリ腰の時に3メートル先のトイレにいけず、ペットボトルに用を足しました(涙)。奥さんがペットボトルの口をギザギザにハサミでカットして出してきたというオチ付き。


◆究極の予防とは

 普段から姿勢に気をつけることですが、デスクワークやスマホ利用など、体の関節周りに良くないことは多いのが現状。

 初ギックリ腰では、カイロプラティックに行きましたが、ここは以前ラグビーで肩を炒めた時に通った気心のしれている医院でした。回復期の補助としては良く予防という観点では一定の効果ありも、ちょっとコスパ良くないのが事実。
 ギックリ腰をやってしまうと、回復に向けて体中の筋肉が張ってしまうので、それを緩めるためにはカイロや整体はとても有効なのですが、その状態を普段から維持するには定期的に通う必要もあり、時間もコストも掛かり過ぎます。

 YouTubeとかでエンタメ的に整体やカイロプラティックが紹介されていて、一時こんなところに通ったのですが、一定の気持ち良さはあっても、それほど改善は見られなかったです。なので、個人的にはどれも効果は無い(薄い)という結論です。

 個人的に確実に効果があるのは、エクササイズ系でこれは断言できます。

  • ウォーキング
     腰に負担を掛けずに筋力を上げることができますし、腰回りの筋肉、関節をほぐすことが可能。実際ウォーキングを始めてから、太もも・臀部の筋肉が柔らかくなり、腰回りが攣るような感覚がなくなりました。

  • 筋トレ
     最近はウォーキングは気が向いた時だけで、主に筋トレに移行しましたが圧倒的に効果があります。今では以前は避けていた重いものを運ぶとかも気になりません。副次的な効果として体の柔軟性も多少向上していて、若い頃から出来なかったウンコ座りが出来るようになりました。アラ還で踵が地面につくようになったのは驚きです。また全身鍛えているせいか、酷かった肩こりも改善しています。

 ランニングも有酸素運動として優秀なのですが、試しに走ってみると腰への衝撃が伝わり、あまりギックリ腰には良くないという印象があるので避けています。

 普段通っているジムでは、鍛練というメーカーのマシンが置いてあって、筋トレ目的のマシンの他に、メンテナンスラインという体のメンテナンス系のマシンがたくさんあります。地味な動きのマシンもありますが、驚くような効果もあって、20年以上前に骨折した肩の後遺症とか膝の柔軟性とか、確実に効果があります。いつも筋トレ開始前にストレッチを兼ねてこれらのマシンを使っています。

 具体的なトレーニング内容については、別の機会にと思いますが、基本的な下半身のエクササイズ、スクワット、レッグプレス、レッグエクステンション当たりが中心です。


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