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年中休業うつらうつら日記(2023年10月14日~10月20日)

23年10月14日

今日はせいうちくんだけでフルートのレッスンの日なので、送り出して寝ていた。
そしたらなんでか30分ぐらいで帰ってきちゃった。
往復するだけでそのぐらいかかるだろうに。

なんでも、フルート担当の可愛い女性、我々がひそかに「小顔ちゃん」と呼んでる先生が、レッスン日を1日間違えていたらしい。
せいうちくんは早起きしてスタジオに行って、ただの無駄足であった。
もちろんその分の補講は別の日にやってもらうし、8回のコースだがなんならおまけして9回やってもらえないか、と頼んでみたらしい。
「次回、相談しましょう」ということで終わってるみたい。

前夜の定例ZOOM飲み会では闇雲にスーパーで半額シールを貼ってもらいたい、と言うか、貼ってなければ買わない勢いの「ハーフ・プライサー」たちが熱弁を奮っていた。
先週から始まったよしながふみ原作の「きのう何食べた?」ドラマ化第2弾ではゲイの弁護士シロさんが、よさげなカレイふた切れに目をつけたが、向こうの方から半額シール貼り器を手に店員さんがやってくるのを壁際に隠れて今か今かと待ち受けていたら、うっかり目が合ってしまい、店員さんは「むむっ?!」という感じで立ち去ってしまった。
次の瞬間、半額シールは貼っていないまでも安くておいしそうだったカレイのパックは、別のお客さんが華麗にカゴに入れて去ってしまった。
ハーフ・プライサーたちよ、これ見て涙を流せ!

先日、先輩がFBのアカウントを乗っ取られたとのことで、見に行ってみると確かにアイコンもプロフィールも違う。
本人のおススメに従って旧FBのフレンド関係を切り、新しい方でつながった。
自分の過去の投稿も全部消えてしまうらしいし、おっかないものだなぁと思っていたら、ZOOM飲み会でここ10年ぐらい会っていないSくんのアカウントが乗っ取られてる、という話でもちきり。

いつの間にかやはりアイコンは変わっているし(なんか露出の多い美女になっていた)、シンガポール出身だし、なんかもういろいろアレである。
問題は、本人が乗っ取られたことに気づいていないのか、またはSくん一流の年月のかかった仕込みによる単なるネタか、と論議がわかれたところ。
なんだかそんなこともやりそうな人なんだよなぁ。
Kくんとか普通にメッセージ出して「LINEではお話ししないんです」という返事をもらって、うーん、これまたギャグなのか何なのかわからない。

結局、親しいYちゃんが電話をかけて確認したのと、私が出したメールに返事が来たのと両方で「完全になりすまされてる状態」であるとわかった。
やはりネットの世界では何が起こるかわからない。
用心のしようもないが、なるべく気をつけよう。

ZOOMであんまり金田一耕助の話ばかりするもんだから、喜んでいるのはマニアのUくんだけで、他の人からは、
「そこまでたくさん観たんだったら比べて考察して、休日講座で発表してほしい」と言われた。
まあこの3週間ぐらい、ほぼ金田一耕助の話しかしてないからなぁ。
もっと豊富な話題を心掛けるよ。

「ウィルスは冷凍したら死ぬのか。生物である以上水分を含んでいるはずで、冷凍すれば退治できるはず」という議論が白熱し、長老が、
「理系のやつはおらんのか。Hくんが理系じゃなかったか」と言ったとたんに当人のHくんが現れた。
彼の話をしていると本人が召喚されるケースが多い。
実はハッキングしてずっと聞いてるんじゃないか。
ウィルスの話は興味がなかったので、私はその辺で落ちた。

晩ごはんはせいうちくんが買ってきてくれたカツオの冊を使って「カツオの混ぜ寿司」を作る。
5mm厚さに切ってショウガ醤油に漬けておいたカツオをシソの細切りとしょうがの細切りと一緒に冷ました酢飯に混ぜ、見た目は茶色いのでお客さんにはお出ししないが大好物だ。
せいうちくんはこれを一切食べない。
「嫌いなの?」と聞いたら、
「カツオの生臭さが少し苦手なのもあるけど、とにかくキミにたくさん食べてほしいから遠慮する」と言って湯豆腐やサバ味噌缶をつついている。
どうも彼は、私がこんなにカツオが好きなのは心臓の筋肉に何かいい働きがあるのではないか、と考えているらしい。
4合炊いてたくさん余ったのでタッパーに入れて冷蔵庫。
明日の私のごはんにしよう。

23年10月15日

せいうちくん、昨日先生にすっぽかされた分のフルートのレッスン。
やはりペナルティとしての9回目はさすがに無理だったそうだが、スタジオ使用料、1回1100円を本来生徒さんが払うところを次回に限り「小顔ちゃん」が出してくれるというところで手を打ったようだ。

今度はちゃんとレッスンしてきたので帰ってきたのは昼頃だった。
2人でギターとフルート、私の歌を全部入れて、5回ぐらいやってみた。
これが案外疲れる。
特にギターにかけている右腕が疲れてくるのだ。
本番は1回だから、そこにすべてを投入しよう。

夜はそろそろ金田一も飽きたので、先期やっていた「ブラックポストマン」を観始める。
「おっさんずLOVE」以来、田中圭が好きなのだ。
特に今回はメガネをかけていたのでより私好みであった。
困っている子供たちが「ネバーランドの悪魔さま」にある特定のポストに願い事の手紙を投函すると、悪魔さまが問題を解決してくれるという都市伝説。
田村由美の「ミステリと言う勿れ」にも、親に虐待されている子供が家の外壁に炎のマークを描くと助けてくれるという話があったが、今の児童はそんなに逼迫しているのか。

と思ったら、「ブラックポストマン」ではむしろお母さんと助けたい、お父さんを助けたいといった手紙が届く。
決していじめや虐待にあった子供が書くわけではないらしい。
よかった、世の中まだそこまで荒んじゃいない、とほっと息をついた。

今夜はたこ焼き。
私は自分の分には種を流し込んだ段階でしょうゆちょっとずつ入れる。
ソースや鰹節をかけて食べはしない。
でも60個も作るのでたいがい半分以上が余り、翌日の私のおやつやごはんになる。
その時はせいうちくん仕様のしょうゆ抜きたこ焼きはやはりたこ焼きソースに鰹節、ついでにマヨネーズをかけて食べる。
いかにも体重に悪そうだ。

23年10月16日

松本光司の「彼岸島」全33巻、昔セットで買ってずっと電子の山に埋もれていたのだが、そろそろ読んでみよう。
気味悪い話だが、なんと終わってない!
続きの「彼岸島 47日後」のセットを買う羽目になった。
16巻で2250円だからそれほど割高ではないが、もっと頭が痛いことにそれでもまだ終わっていなかった。
「彼岸島 48日後…」というのが41巻まで出ているらしい。しかもまだ連載中だ。

決して好きなマンガではないのに、長編をコンプリートすることに熱意を傾けてしまう性癖のため、せいうちくんと交渉して9800円のセットを買わせてもらうことにした。
そのあとさらに新巻を追っかけて行かなきゃならないのかぁ…

息子は読んでるそうで、妻のMちゃんは全然、なんだって。
うちの電子本棚に入ったら嬉しいそうなので、頑張って自炊しよう。
明日あたり届く41巻をさばいてスキャナ通すのはなかなかヘビーな作業である。

ついでに長いことほっといた三浦健太郎の「ベルセルク」、彼が亡くなって森恒二が後を引き継いだ42巻が出たので、買うついでに読み始めた。
最初は北斗の拳の武器使用版かと思ったよ。
3巻ぐらいでつらくなって、これまた買いっぱなしの成田美奈子の「花よりも花の如く」に浮気した。
5巻ぐらい読んで戻ってきたら、あれ、この丸い物体「ペヘリット」ってどこかで見たぞ。
過去の読書記録を見てもそれらしいものは読んでないが、一応「呪術廻戦」とか「ラ・マキューズ~ベルサイユの美容師~」などをパラパラ読み返す。ないじゃん。

相当頑張って探したが見つからないのであきらめて「ベルセルク」をもう1回最初から眺めてたら、なんと1巻ですでに出て来てたのだった。
それを他のマンガで読んだと勘違いしたのだ。
数巻も記憶がもたない、ってどうしたらいいんだろう。
私がいつもいつも長編を読み返したり、最新巻が出ると1巻から読み直したりしてるのはひとえにこの記憶力のなさが原因だ。

23年10月17日

コロナの後遺症で元気がないのが治ってきたのか、あまり遊びに行ってないからか、はたまた金田一耕助の観すぎか、もしくはせいうちくんの仕事が忙しすぎてあまり平和な雰囲気じゃないからか、どれか、またはいくつかが複合してのことだと思うが、なんだかとっても飽き飽きイライラしている。

11月末には沖縄の結婚式に行くんだし、普段の週末だって図書館ぐらい出かけた方がいいだろうし、そもそもせいうちくんの忙しさと言ったって2週間で金田一耕助を20本ぐらい観る時間はあったわけで。
自分でもわからないこのもやもやを持て余している。
「例によって、日記が書けないからじゃないの?」と聞いてくるせいうちくんは面憎い。
それでもこの仕事のひと山が終わったらまたハイゼットを借りて車中泊の旅をしようと約束してくれた。
行き先に関しては、Gくんに連れてってもらってそのあともう1回2人で行った温泉のある道の駅で全然かまわないそうだ。
2人とも、同じところに何度も行く方がむしろ安心で好きみたいだ。
なんならGくんの1人朝カラオケに乱入しようかとも思ったが、朝カラが安いサービスは平日のみだろう。
土日を使う車中泊ではおそらく朝カラ乱入は無理。

今日も整形外科に行く以外に外出なし。
ドクターの診立てによれば、腱鞘炎に関してはほんの少しこぶしが強く握れるようになったらしい。
「鎮痛ジェル塗って、様子見てね。膝と腰用のシップも出しておくからね」でおしまい。
家からすぐだから、まあいいんだけどね、通い詰めても。

23年10月18日

ドラマ「ブラックポストマン」観終わった。
ただし最終話の途中からソファでぐうぐう寝てたので、せいうちくんに、
「もう事件は全部解決したよ」と言われて驚いた。
あとで1人でもう1回観ておこう。

いろんなサブスクの無料期間が終了する前に、「金田一耕助の冒険」はぜひもう1度観たい。
「犬神家の一族」を1976年に発表してからたった3年で自己パロディ映画が作れるようになった角川の実力はスゴイ。

角川以前にも金田一耕助物があった、しかも白黒だった、主役は片岡千恵蔵だった、といったことを知ったが、話はひどい。
まず金田一耕助はソフトハットにりゅうとした背広を着こなしてまるで明智小五郎だ。
そして話は原作と全然違う。
大事な要素なんてどんどん飛ばされる。
要するに「正統派探偵もの」を作ってただけで、それを横溝正史の猟奇趣味を利用して原作通りの冴えない金田一を出したのが角川映画だったのだ。
しかし白黒の金田一の銃撃戦も、妙に癖になるなぁ。


波津彬子の新連載がコミックスになったので、波津彬子大好きなKちゃんに自慢しようと写メを送った。
Messengerで会話をするうち、驚くべきことが判明した。
9月にはKちゃんもコロナに罹っていたそうなのだ。
9月と言えば我々も含めた定例ZOOM飲み会メンバーあたりから6人も罹患者が出て(しかもお互いの接触はない)全員が絶賛後遺症中の頃だ。
やはり増えてるんだなぁと当たり前のことを考えた。

23年10月19日

「ベルセルク」が面白くないと思った件、息子が「ガッツの少年時代あたりから面白くなるよ」と教えてくれた通り、面白くなった。
「彼岸島」といい「ベルセルク」といい、気持ち悪いものが大量に出てくる長編ばっかり読んでいるのも身体に悪かろうと、美しい能の世界、成田美名子の「花よりも花の如く」を間にはさみながら読んでいる。


成田美名子はデビュー当時から抜群に絵が上手く、「エイリアン通り(ストリート)」「アレクサンドライト」などではアメリカの文化をふんだんに取り入れてカッコよくアメリカ生活の明るさを示してくれた。
大学に入って、教授をファーストネームで呼んだり、授業中に飲み物もっててもOKだったり、クリスマスやハロウィンにはロウソクを持ったキャロリングの一団が寮の窓の外で歌ってくれたり教職員の子供たちが「Trick or Treat!」を仮装して言いに来たり、ちょっと成田美名子の世界を味わえたものだ。

2003年から20年、ずっと描いてる「花よりも花の如く」だが、実に細かいところまでよく調べて会って感心する。
作者本人、年に百公演は行くのだそうだ。
同じ能ものでも嶋木あこの「ぴんとこな」より世界が深い気がする。

ただ、成田美名子の最大の欠点は絵が整い過ぎていてややもすると表情に乏しくなったり感情が伝わってきにくいところだろう。
個人的には非常に清潔感があって好きな絵なんだが、どうしても派手さに欠ける。
まあ押しも押されもせぬ大巨匠だから、私ごときが心配することでもないのだが。

読者としてお世話になってきたマンガ家さんが、どんどん年を取る。
こっちも老化しており、しかもひたすら馬齢を重ねているだけなんだから、平身低頭しているしかない。
今日もたくさんのマンガを描いてくれる先生たち、どうもありがとう。


小説家の方面にも感謝しておこう。
めずらしくハードカバーの本を買った。
東野圭吾の「あなたが誰かを殺した」と宮部みゆきの「三島屋変調百物語 九の続」と島田荘司の「ローズマリーのあまきかおり」、他の2冊はずいぶん前に買ったのに読んでない。
最後のは久々に変人探偵・御手洗潔が出てくるそうなので楽しみだ。
「三島屋変調百物語」はこんなに長くなるとは思わなかった。FBで入ってる読書のグループで教えてもらわなければ完全に見落とすところだった。
「あなたが誰かを殺した」は、過去作の「私が彼を殺した」とか「どちらかが彼女を殺した」を読んで予習しといたほうがいいのでは、と思わされるタイトルだ。
加賀恭一郎シリーズらしいので、ますます油断はできない。

あんまり調子が悪くて寂しいので、息子に「来られない?」と聞いてみた。
「大丈夫!」とのことで、夜、2人で楽しみに待っていた。
「20時から21時の間に行くよ」と言っていた彼が途中で「ごめん、21時過ぎるかも」と連絡してきて、実際に来たのは22時だった。
風邪気味なので、様子をみていたそうだ。
Mちゃんは数日前にインフルエンザに罹ったばかりらしいし。
それならMちゃんも心細いだろうし、息子も身体が心配だろうから、頼まなきゃよかったな。

カレーを食べて少し話したあと、37度の熱が38度まで上がってきたので、とにかく寝かせる。
カロナールものませ、氷枕を作ってやってリビングの隅に寝床を敷いたら、
「ありがとう。やっぱり家は落ち着くなぁ」と言いながら寝てしまった。

夜中に様子をみたが、カロナールのせいか熱は下がったようで、特に変な汗もかいていない。
ただの軽い風邪でこのまま治るといいんだけど。
明日はせいうちくん朝から出社なので、もし息子が起きた時熱があるようなら近所の病院に行かせた方がいいかもしれない。
せっかく来てくれたのに、全員にとって散々な夜だった。
家で1人のMちゃんにも申し訳ない。

23年10月20日

9時に息子を起こし、具合を聞いてみる。
「あと10分だけ」という得意の台詞をずいぶん久しぶりに耳にしたよ。
なんとか起き出して、熱は37度。
が、身体の節々が痛む、というような高熱の兆候はないらしい。
「具合が、中庸だなぁ」と言いながら昨日の残りのカレーを食べていた。

ついでにシャワーを浴びてさっぱりし、大宮の病院の予約が12時半にとれた、と言って、こちらの地元の病院に行く気はないらしい。
まあ、今後も治療を継続するなら住処の近くがいいだろと思い、10時過ぎに送り出す。
「また今度、もっと体調がいい時にまた来るよ」と言いながら帰って行った。

私は息子ともっと他愛ないことを話して不安を解消したかったのだが、昨夜はせいうちくんが仕事が大変だという説明を始めてしまったので、もっぱら彼と息子がしゃべってた。
「父さんもだいぶ人間らしくなったでしょう」と言うと、
「少し変わったね。やっぱり仕事のせいなのかな」
「10年ぐらい前には『人間未満、アンドロイド以上』って言ってたけど、その印象は変わった?」
「そうだね。ちょっと人間ぽくなった」
それはよかった。
あんなにそそっかしくて直情的な人を、なぜ精密であるかのようにとらえるのか。
せいうちくんが息子と話す時、どうしても「お父さん」ぶってしまうせいかもしれない。
今回は少し殻が破れてぶっちゃけていた、と。


息子がまだいた9時過ぎ頃、6月に買ったソファの搬入があった。
配送のにーちゃん2人が慣れた様子で古いフランスベッドのソファを運び出し、新しいソファを運び込む。
足の取り付けを終えて彼らが帰ったあと、息子は「でかいね。いくらしたの?」と聞いてきた。
「20万だよ」
「ふーん、立派なソファだね」
背もたれの上部が立ち上がって、首を預けてテレビを観られるところに感心したらしい。
「ちょっと部屋が狭くなるけど、お客さんが来ることなんて年に何回もないんだから、あくまで自分たちの心地よさを追求した」と説明すると、「それが一番だよ」とうなずいてくれた。

息子が去って新しいソファと残され、なんだか所在なくて座ってみたり寝てみたり、ヘッドレストを起こしてみたりする。
なんでも1人でやるとつまらない。
はやくせいうちくん、帰ってこないかな。

午後、息子から連絡があった。
「病院行った。インフルエンザだった」
うわー、昨日濃厚接触をした我々はどうなるのだろう。
今のところ熱のかけらも出る気配はないが。
なんとか無事に終わりたい。

お別れする時に、ハグしてくれる息子の肩に顔をうずめて、
「母さんは、悪い人間じゃないよね。生きててもいいんだよね」と泣きそうに言うと、
「お母さんはいい人だよ。とてもいい人だ」とギュッとしてくれた。
なぜ私は、ただ生きて行くだけに人の承認がいるのだろう。
私の生に意味がないと刷り込んだ人がもうお墓の下に入ってしまっているからかもしれない。

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