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年中休業うつらうつら日記(2023年10月7日~10月13日)

23年10月7日

せいうちくんは1人でフルートのお稽古に行った。
私は薬でとろんとして過ごした。
鈴木マサカズの「ケーキの切れない非行少年」と「『子供を殺してください』と言う親たち」を読んだので、ちょっと気分がどんより。
息子が平均的な知能を持ち、会社を辞めてぶらぶらしていた頃もアクティブに外に出てコントやってて全然引きこもらなかったのは、今にして思えばありがたい。
そんな彼ももうじき結婚式だ。感慨無量。


綺麗ごとを言うわけではなく、人間は好きなことがあって大事な人がいて幸せを追求する心があればそれで十分だと思う。
せいうちくんみたいに「彼自身の幸せの尺度」をまったく考慮されず、親と同じ幸せを追求していると思われるのは自分自身の人生を生きているとは言えなくてつらいし、私のように「幸せでいる」と(精神的に)頭から水をぶっかけて「アンタの幸せなんて絵空事。バカバカしい」と否定されるのもつらい。
せいうちくんの好きな言葉は「身の丈に合った生活」。
今ちょっと身の丈を越えそうだから、早く慎ましい老後に突入したいものだ。


結婚記念日のお祝いにせいうちくんに買ってあげた「ブラックジャック腕時計」、生産注文らしく時間がかかって、4カ月たってやっと届いた。
サイズにあまり選択肢がなかったため、せいうちくんの細身の手首にはやや大きすぎる。
今度町の時計屋さんで間のパーツを抜いてもらって調整しよう。
ブラックジャックの顔を表現した、間にギザギザの線が入って2色に別れた分かれた盤面とか、小さなダイヤル部分にさりげなくつけてある青いリボンタイがそれっぽい。
3時のあたりの盤面にメスがあるし、秒針のお尻はピノコのシルエット。

実はこの時計を待ってる間に、「未来少年コナン」の時計の広告が入るようになってしまった。
空と海を表す青い盤面下の方にバラクーダ号が停留し、秒針にはアジサシのティキがついててずっと動いている。
もしかしてこっちの方が良かったかしらん、と恐る恐る聞いてみたら、
「素敵だけど、ちょっと可愛らしすぎる。僕はブラックジャックの方が好き」との答え。
よかった。

このシリーズからウルトラセブンやら仮面ライダーからポケモンからもう50種類ぐらい出ているとは知らなかったよ。
サイズを直したら、休日に遊び心満載でつけてもらいたい。

せいうちくんが大好きな「藤枝梅安」が映画になった。
サブスクに降りてくるのを待っていたんだが、今日の19時からフジテレビで地上波初放送があった。
ところが20時からだと思い込んでいたうえ最初の1分ほどに間に合わなかったため、気づかずに途中から観始めてしまった。
終わって、「妙に短いねー」といたら、せいうちくんが、
「もしかして19時からやってたんじゃないの?!」と言う。
調べたら確かにそうだった。

なので観てなかった前半を録画で観て、ああ話がつながった、よかった、とおしまい。
トヨエツと片岡愛之助のコンビは無駄にいつも一緒にいて、2人とも男の色気がむんむん漂っていて何とも尊かった。
不埒なことを考える気になれないぐらいいいもの観た感じ。

しかし時代劇チャンネルの営業方針は許せない。
第一部をフジテレビで見せちゃってから、翌週の第二部は時代劇チャンネルに加入してないと観られないなんてあんまりだ。
エサで気を引いて、一気に釣り上げる作戦なのだろうか。
この事態を回避するためには「Lemino」という聞いたことのないサブスクと契約して無料期間にサクッとぐらいしか見るしかないようだ。
人生はますます厳しくなっている。
情弱として丸損の生活をしているんじゃないかととても心配になる今日この頃。

23年10月8日

11月末の沖縄での息子の結婚式に、彼は絶対呼びたい人がいる。
寝込みがちだったり薬でふらふらだったりした実母の私より面倒をみてくれたシッターさん「おばちゃん」だ。
同じく魂の父と仰ぐ「おじちゃん」は7年前に突然の心筋梗塞で亡くなってしまった。
だからこそ、残ったおばちゃんに自分の晴れ姿を見てもらいたいのだろう。

おばちゃんも夏ごろ計画を話した時にはとても乗り気でいてくれたのだが、帰省などで飛行機に乗って8月にコロナに罹り、9月にはインフルエンザに罹ってしまったものだから、もう遠出は怖くなってしまったらしい。
「息子くんの結婚式、是非出たいと思ってたんだけど、今はコロが怖いから」(おばちゃんは「コロナ」を「コロ」と言う。なんだかより怖そうだ)

それならそれで、すでに一緒に何度か訪問している若夫婦がきちんと挨拶に行くのが筋だろう、と我々も合流しておばちゃんちで17時に待ち合わせ。
小雨が降っていたので迷ったが、自転車で行った。
帰りにもっと降ってくるようなら若い2人はタクシー代を渡せばよかろう。

公団住宅の廊下を歩いていたらにぎやかな声が聞こえてきた。
息子たちはもう来ているらしい。
結婚式に欠席する話はもう終わってしまった模様。
もうじき80歳という年齢も考えて、とても残念だけど出席は見合わせることになった。
おばちゃんはとてもすまなそうで、息子は本当にがっかりした顔をしていたが、
「おばちゃんの健康が一番だもんね」と健気に言っていた。

いろんな思い出話を聞いた。
赤旗の集会で式根島に連れてってもらったとか、おばちゃんの親戚と一緒に東京タワー見に行ったとか。
そう言えば、島に行った時には小学校低学年の息子から「体育館みたいなところでみんながなつかしい歌を歌っていて終わらない。眠い」と「小僧の寝床」の落語みたいなことを電話で言ってきてたなぁ。
「なつかしい歌」と言っても息子になつかしいわけもなく、おばちゃんに聞いたら「労働者歌集」みたいなものからどんどん歌っていたらしい。
「立て万国の労働者」みたいなやつですか、と聞くと、そうなんだって。
子育てと思想信条は別にしておける聡明なおばちゃんなので、息子は別に赤くなることもなくすくすくと育った。

また、おばちゃんはかつて我々が住んでいたこの街に非常に詳しく、実に様々な人とつきあいがある。
夜勤の時に子供を預けていた日赤の婦長さんとおばちゃんは親しく、せいうちくんが遅くに迎えに寄ったら、「息子くん、全身に湿疹が出てね。アトピーだと思うけど、婦長さんが時間外だけど病院連れてって薬くれたから」といつのまにか全部終わっていたりした。
その息子、おばちゃんちの常連でよくお泊まりをさせてもらってたMくんはもっともよく息子と一緒にいた子だろう。
息子もお泊まり多かったから。
せいうちくんがヘルペスで1週間入院した時なんか、ランドセル持ってっておばちゃんちから学校に通ってたものだ。
それぐらい私の健康状態は悪く、1人では息子をみることができなかった。

医者になったそのMくんも先日結婚したそうだし、息子が先日出席してきた保育園からの幼なじみRくんは3年前にデキ婚してその後コロナで式ができないでいたが、9月に3年遅れの式を挙げたそうだ。
もちろん子供はもう3歳になってしまっていて、親子3人での式かと思ったら、なんと奥さんのおなかには赤ちゃんがいるそうだ。実質家族4人での結婚式。
「あいつ、度胸あるよなぁ」と息子がしきりに感心するのは、これからの世の中に2人も子供を送り出すことか、経済的な問題か。
彼は堅気のサラリーマンだから大丈夫だろう。
お母さんは保育園の園長さんやってるんだし。

息子の結婚式には保育園からの幼なじみが上記のRくんを含めて3人来る。
スライドショーのための写真を探しておいてほしい、と頼まれたが、ちょうどその4人が小さな紳士といったいで立ちで並んで写っている保育園の卒園式の写真があったので、「これは絶対使ってほしい。だって全員がその式場にいるんだよ。スゴイことだよ」と熱心に推しておいた。
息子も「やっぱりここは思い出の多い地元だよなぁ」と感慨深そうだった。

おばちゃんからご祝儀をもらって、若い2人はとても感謝していた。
引き出物のかりゆしも、あとで届けたいそうだ。
あいかわらずいろいろな食べ物を「これも持ってきなよ。ほら、息子くん、これも食べるでしょ。奥さんも、食べてね」と渡され、彼らの荷物袋はぱんぱんになっていた。
小一時間でお暇したが、雨がまだ少し降っている。
「折り畳み傘持ってますから」と言ってもおばちゃんは、
「いくらでもあるからさ」とビニール傘を2人に渡してくれた。
自転車の我々にも「カッパ、貸そうか?」としきりに心配してくれたが、2人とも防水の上着を着ていたので丁重にお断りした。

先に帰ってお茶の支度をしていたら、2人が徒歩でやってきた。
さすがに思ったより早い。若いから歩行速度が速いんだろう。
息子にとっては幼い頃駆けまわった町並みで、さぞ懐かしかっただろう。


せいうちくんが昼から切ってタッパーに入れておいてくれた「手巻き寿司の具」をお皿に並べ、私はタイマーで炊きあがってるごはんで酢飯を作る。
アメリカの従姉がこの夏遊びに行った姪っ子を通して「息子くんにもあげて」と言っていたアラスカサーモンのいくらを、やっと彼らも食べられるわけだ。
義弟から「あちこち配っちゃったから、もうない。息子にはせいうち家に送った分を分けてあげて」と言われていたんだが、冷凍パックひとつ分しかなかったので小分けにして送るのは難しかったのだ。
量は本当にたくさんあったので、正直、手巻き寿司でいっぱい食べたあともまだ2人で1回「いくら丼」ができるぐらい残ってる。

食後の片づけをせいうちくんと息子でしてくれて、腰を浮かしたり座ったりして気を遣っているMちゃんには、
「うちは男衆(おとこし)が働くの。気楽にしてね」と言っておく。

片づけが終わったので、我々からお風呂をいただく。
「ベルセルクの42巻、早く出ないかね」と2人が話しているので、
「もう出てるよ。データ化してある」と言ったら、たちまちどう探し当てるのか私のiPad miniを持ってきて、データ入れて読み始めた。

そして入れ替わりに2人がお風呂に入ってる時になにか「すごーい。これはすごいねー」と言ってるのが聞こえたので、どうしても気になって、
「聞こうと思ったわけじゃないけど、聞こえちゃって気になるの。何がすごかったの?」とMちゃんに聞いたら、
「えー、なんだったかなぁ。あっ、ベルセルクがすごかったんです!」って答え。
息子よ、人の持ち物であるiPad miniをジップロックにも入れずに浴槽に持ち込むな!

さて、いよいよ今晩最大のイベント「犬神家の一族」1976年石坂浩二版の上映会だ。
プロジェクター出してきて、Fire Stickで観た。
2人とも、余りにも有名なのに1回も観たことがないから、と楽しみにしてくれていたらしい。
息子によれば、先に「クレヨンしんちゃん」のテレビスペシャル版で「酢乙女家の一族」というパロディを観ているので、スケキヨの足もスケキヨのマスクも、なんなら猿蔵の存在まで知っているそうだ。
「初めてパロディの元を観るよ。楽しみだなぁ」って。

始まったらいきなり引き込まれたらしく、「カット割りがスゴイ」「画面のバランスがいい」などと口走り始めた。さすがはヒッチコックを愛する男、市川崑に出会うの巻である。
でもこれ、最後の死体の背中に「スケキヨ」って書いてないから、「斧(ヨキ)」で殺した、って三種の神器が説明されちゃった手抜き作だよ。
岸田今日子の演じた盲目のお琴の師匠は実によかったが。

とちゅうでバースティケーキ。
9月に30歳になってるMちゃんの分もプレートに名前を書いてもらった。
ローソクは30歳を記念して3本。
一緒に吹き消す瞬間が実にいい写真になった。
息がぴったり、とはこのことだ。


プレゼントに選んだサーモポットはとても喜んでもらえた。
今、ワーキングホリデーに行くために荷物を減らしているはずだから形のあるものを贈るのは危険だと思ったのだが、サーモポットだったら寒いノルウェーを散歩する時に役立ちそうで。
そう言ったら、息子が、
「あれ、カナダにしたの、言ってなかったっけ?」。
全然聞いてないよ。
なんでもカナダの方がワーキングホリデーの募集が多いらしい。

まあいい、カナダも寒い時は寒いだろう。
イエローナイフという土地からオーロラが見えることを確認し、我々の来年秋の旅行先は急遽カナダに変わる。
やっぱりプリンス・エドワード等に行くべきかね、「赤毛のアン」の熱烈な愛読者としては。

深夜過ぎに観終わって、2人とも「こういう話だったんだねー」と感心することしきり。
息子はアマプラ×角川の無料期限が過ぎるまでに他のも観まくりたいそうだl
パネルで仕切ったいつもの狭い空間に布団を2枚敷いてあげて、おやすみなさい。
みんな、明日は起きたら2023年の吉岡秀隆版「犬神家の一族」だぞ!

23年10月9日

みんな10時ごろ起きて、カレーを食べてから「犬神家の一族」をもう1本。
Mちゃんは「こういう解釈もあるんですねー」と感心していたが、息子は「どうしようもない映画(いや、ドラマだけどさ)に何時間も使ってしまったあとの無表情」になっていた。
しばらくして元の笑顔に戻っていたが、しきりと、
「昨日観たのはあんなに素晴らしかったのに、台無しだ。画も薄っぺらいし、クソだった」と悪口雑言を限りを尽くしていた。
映像の好みは本当に人それぞれだ。

午後2時ごろになって2人が帰ったあとは、我々ぐったり。
息子は実家だから自由気ままだろうが、朝早く起きてしまったのか食卓にぽつんと1人で座っていたMちゃんが印象的で、気の毒だった。
飾り本棚の本とか、自由に見てね、と寝る前に言っておけばよかった。
息子の妻と言えども他人。お互いに優しく気を遣い合ってはすれ違う。

我々が運命的な出会いをしてその後ずっと幸せに暮らしているように、息子たちも奇跡のように出会ってつきあい始め、今、結婚式の準備をしている。
髪を伸ばしたMちゃんはとても可愛く、これをアップにして式に臨むのか、と気持ちが引き締まる。
しかし「かりゆしウェディングだから」と向こうのおうちのお母さんやお姉さんはもう美容院を探して予約し、セットしてもらうのはやめる雰囲気のようだ。
それなら私だけ張り切っても仕方ないから、せっかく結い方のバリエーションが出るように伸ばしてきた髪だが、一番楽で似合う段カットに戻すか?
結婚式はみんなが悩む大事な行事である。

23年10月10日

息子の誕生日。
もうお誕生会をやってしまったので特に何もしないが、お祝いメッセージだけは送っておいた。
「30年前、まだ『体育の日』だった頃の晴れ渡った日の早朝に生まれました。あなたの人生がこれからもずっと明るい光に包まれていますように」
「ありがとー」と息子らしい返事が来た。

結婚式の電子招待状をもらったので(最近はそういうサイトがあるのね)ちちろんせいうちくんも私も出席にしたわけだが、問題は娘だ。
病棟から動けないとは言っても、彼らの結婚式に何らかのかかわりを持たせてあげたい。

息子に、「娘ちゃんの分も招待状くれない?欠席になるけど、そちらの記録に何らかの形で娘ちゃんの名前が残ったら嬉しいな、と思って」とメッセージを送ると、
「うん、出させてもらうよ。Mちゃんとも話し合ってて、娘ちゃんの病室と会場をZOOMでつないで娘ちゃんも参加してる時間を作りたいねって言ってたんだ」。

それはとても嬉しい。
Mちゃんまでそんなことを考えてくれてるとは。
実際問題、娘は自由に眼球を動かして画面を追うのが苦手だし、何が起こっているのかわからないだろう。
病棟の看護師さんたちに負担をかけてしまうから、今回は気持ちだけいただいておくよ。
障碍者として手当をもらっている娘から、いくらかご祝儀も出してもらおう。
これで彼女も家族の一員としてちゃんと式に出席した気がする。
結婚式の写真ができたら、娘ちゃんに見てもらうからね。

23年10月11日

心療内科の通院日。
その前の時間帯にギターのレッスンを入れてある。
「住職」と心の中で勝手に呼んでいる先生はやはりミュージシャンであり、教師タイプではないのであれこれやりにくい面も多かった。
しかし今回で2人きりのレッスンは終わり、あと2回残っている分はせいうちくんとフルートの先生も入って通しで稽古するつもりなので、住職の機嫌を気にする必要はもうない。

彼が気難しくてよかった面は、簡単なギターコード譜を書いてきてしまうぐらい熱心なので、こちらは「2カポのG」でやりたいのに全8回のうち4回目ぐらいまでは「5カポのC」を強要されて辛かったため、なんとしても2カポのGの楽譜で弾き切れるようになって「難しすぎますから、簡単にしましょう」という申し出を黙らせるのが一番のモチベーションになったこと。
今回、ギターはほぼ完全に弾き切ったので、
「よっぽど練習したんですね。弦を見ればわかります」とついに理解を取りつけた。

これから歌を乗せて行かねばならず、どうも私は「い」の音でフラットしてしまう癖があるようだ。
DmからDにぽんぽんと弾く綺麗なところを、
「ギターに気持ちが行っちゃうから音が下がるんですよね。口角を広げて思い切り『いー』と発音すると下がりにくくなります。それに、コードも簡単にDだけで弾きましょう」と言われても言い返せなかった。
次までにこのコード進行をモノにして、「い」の音に気をつけて、思い通りのコード進行でやってやる、とひそかに闘志に燃えている。

さすがに最初は「こりゃ人前で演奏するのは無理でしょう」ってレベルだったのを、家での猛練習で何とか人様にお聞かせでできるところまで行ったので、住職はかなり驚いていた。
「今のなんか、もうそのまま本番でいいですよ。お客さんも、どこ間違えたとか全然わかんなにと思いますよ」と言ってもらえた。
あと2回の合同レッスンとその後結婚式本番までのひと月ぐらいの空白の時間、すでに固くなり始めている左手の指先がもっと固くなるまで練習しよう。

レッスンが終わるとギターをかついで心療内科へ。
あいかわらず恥ずかしいのでギターは待合室に置いておいて診察室に入る。
せいうちくんが今とても忙しいこと、その支えになれないことの辛さなどを訴えると、
「あなたがいるから彼は頑張れるんですよ。人間、何かのために頑張る時はスゴイ力が出るもんです」と諭された。
それでも情緒的にピンチなのはよく理解してくれてるようで、
「じゃあお薬は4週間分出しますね。それで3週間後でいいですか?」と聞かれて意気込んで、
「2週間後でお願いします!」と言ったらすんなり通って、2週間で4週間分の薬をゲットしてしまった。
言ってみるもんだなあ。

おかげで帰ってからせいうちくんが仕事を終えて帰宅するまで、薬をのんで安らかに眠れた。
しかし、夜のんだら6時間眠れるほどの量の薬を昼にのんだからと言って、どうして2時間で目が覚めてしまうのだろう?
やはり人間は夜に眠る生物なのか?

23年10月12日

アマプラ×角川の無料体験期間が過ぎようとしているのに息子まで金田一耕助にハマってしまったようなので、同じアマプラで1カ月99円で2カ月のお試しができるKADOKAWAチャンネルに乗り換えた。
息子の方でもさっそく他の犬神家を観たりしているようだ。(「らせん」に浮気するヒマがあるようだが)

せいうちくんは金田一をとりあえず卒業して、仕事人シリーズにどっぷり漬かっている。
津川雅彦の「必殺橋掛人」なんてしらなかったぞ。
いろんな梅安をひとまわりして、また今は金田一。
今夜のは西田敏行だった。
渥美清同様、落ち着いてて人の話をよく聞ける有能な金田一だ。
石坂浩二や古谷一行はドタバタしすぎているし、一世を風靡した横溝正史シリーズも今観るとグロイだけのギャグになってるからなぁ。


息子妻Mちゃんが今読んでいるという柏木ハルコの「健康で文化的な最低限度の生活」(既刊12巻)を読んだ。
要するに生活保護の窓口の人たちの苦労話だ。
不正受給や貧困ビジネスが後を絶たない中、1人1人の利用者に向き合って問題を解決していく正しいマンガ。

我々も娘が生まれた時、どこに行って何を頼めばいいのかさっぱりわからず苦労したが、とにかく役所の窓口に行って、現在受けられる支援をどんどん頼んだ。
もちろん生活保護同様、向こうは出さずにすめば出さないでいたい援助のようで、難航した。
しかし、いったん福祉や医療につなげてしまえばその中での融通はわりと効くし、いいワーカーさんや施設に当たればけっこういろいろしてくれる。

「生活保護を受けているなんて恥ずかしいから、早く就労したい」と言ってる人が多いが、私だったらじゃんじゃんもらっちゃうかも。
もちろん不正受給やそのための偽装離婚はしないよ。

23年10月13日

せいうちくん出社。
ヒマにまかせて未読だったマンガをいろいろつまみぐいして過ごす私。

「オメガバース」というエロのジャンルがあるのは知ってたんだが、笑えるエロの鬼才、嶋木あこが「殉国のアルファ」というマンガを描いていた(既刊5巻)。
男女の性にそれぞれα、β、Ωという特質があり、αは眉目秀麗頭脳明晰で社会のリーダーになることが多く、Ωは個人の能力は低いものの男性でも出産できるのとαの子供を高確率で産むことで希少な存在。
情欲抑制剤を使わないと制御できないほどの性欲の中で、男女×α、β、Ωで入り乱れてあれこれ起こるので、たいへんエロだ。

これまでビビッて手を出さなかったのんだが、さすが嶋木あこ、上品に仕上げてくれている。
しかも時代はフランス革命前。なんでアントワネットはイギリスに嫁いできたのか?
現代からタイムスリップしてきたΩの少女フランに恋をしたイギリス次期国王アーサーは、Ωの王女アントワネット(実は男性だが、Ωなので子供は産める。心配ない)を娶り、αの子供を期待されているが、フランへの想いにとまどい、妻(?)に手を出せない。
βのフェルゼンはアントワネットにもてあそばれている。(さすがにオスカルは出てこない)
革命の立役者、αのマクシミリアン・ロベスピエールはΩのフランと「生涯のつがいの誓い」を立てたいと思いつつ、フランをめぐって国王とバチバチやってる。

アーサー王伝説やケルト、ドルイド神話などのオタクが一緒にタイムスリップした仲間にいるのでなんとかうまくやっているが、魔術師マーリンは「未来はいつでも可変である」と語る。
非常に面白いので、いつか機会があったらブックオフでお手に取ってみてほしい。
でも、オメガバースの世界はエグイのはエグイのでご注意を。


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