マガジンのカバー画像

日替わり

309
日記。
運営しているクリエイター

2023年2月の記事一覧

ごみ

ごみは捨てなさい
そういうこと。

朝起きなさい夜寝なさい
ごはん食べなさい
そういうこと。

できるだけたくさん
作りなさい
たくさん殖やしなさい
そのほうが偉いから
そういうこと。

むだなひとは捨てなさい
ごみは捨てなさい
いいひとが生きなさい
そういうこと。

青空のふるいにかけられた
内臓たちが
すきまからこぼれて
垂れさがっている。
痛そう。
汁にされて海に還った
体たちのために
ただ

もっとみる

わあひかり

うわべだけのほほえみがわたしだけれどもぶきよう、必要なときできない。黒く汚れた心のぶぶんを切りとるんだけれどもぶきよう、きれいなぶぶんまであっ、また切っちゃった、治療するたびに本体が減ってるよねもだめかも。 

きみのたばこを一本もらった。
風と指のつめたさ。
灰がちになったぶんから雨に滲んでいく先端の葉。呼吸にあわせて明滅する、白く乾いた羽根になって墜落する蛍かわいいよ。生まれてはじめてよかった

もっとみる

καταστροφη

水や炎がのぼるところまでのぼったあとはあふれたりもえつきたりすることと似た静けさ、このまま最後まで貫きとおそう。ひともじぶんも傷つけていないのだったらなにをしたっていい。ひともじぶんも傷つきやすい手段しか残されていない不自由な現在が気持ち悪い。でもそのままでわたしは充分に生きていこうと決意した。同時にいま死にかたが決定した。

わたしが説きたい言葉をすべて裏返しにしてべつの道徳を汚い字で書きくださ

もっとみる

風孕み

音のでないようにそっと
両手で感情をさしだしました。
だんだん優しくなっていく、
だれもにらまずにすむ。
なくさなければならない部分
守ってあげられなかった。
穴だらけの体に風がくる、
もうすぐ春になる、
またやわらかくしてくれる。
はじめからぜんぶ嘘なら
果物を憐れむ用はない。
この木を枯らす。
この実の胤を抱え
各季節の風を孕む。
言い換えれば
それがわたしの天命。
音と文字だけを産む
わたし

もっとみる

時を超える呪い

ほとばしる命の飛びちったのを避けた。ぼたっと床に着ちする。噴き出し口からつぎつぎに流れだしてとまらない命がこわい。
止まって。
いつかぼくたちも全員いっしょくたになる。

重ね合わせられた肉の襞を指で外側に押し分けると周りの肉質よりも青白い、しこりのようになった部分が開かれる。結ばれた糸たちを丁寧にほどいてから予め敷いておいたタオルのうえにおいて滴る水を吸わせる。

砂肝を八つ並べる。
不吉な色を

もっとみる