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自由と裁量、求められる立場なのか?

始業前にいつも意識しているツイート

このツイートがずっと心に刺さっている。

「スタートアップが一般化し過ぎて、自由な働き方とか裁量権ばかり主張して、大して結果にコミットしてない奴らが増えてる」

株式会社VOLLECTのCEO中島大志さんのツイートである。ベンチャー企業が好きな僕がたまたまTwitterで見たのだが、このツイートが今のスタートアップの現状を示しているとしたら、残念だ。

実はこの言葉が一番刺さった理由は、以前まで自由な働き方ばかりを重視していた一方で業績にコミットするという意識に欠けていたからだ。さらにこのような要求ばかりする就活生が非常に多いことに違和感を感じるからだ。

リモートワークが魅力だったけど

結果にコミットするとは平たく言えば、「企業の売上に貢献する」ということだろう。

これを意識して働いている人はどれくらいいるのだろうか?

以前勤めていたスタートアップでの話をしたい。そこでの業務はWeb記事作成で、リモートワークが可能だった。満員の通勤電車に乗ることでストレスを抱えることが嫌だった僕はリモートワークができる企業を探していたためそこでお世話になった。実際、リモートワークだと大学での空きコマに作業もできるし、そもそも通勤時間が無いので移動時間もない。ハッキリ言って働きやすすぎた。

しかし、僕が勤めてから3ヵ月でその企業は事業転換のため、僕を含めたインターン生全員を解散した。理由はただ1つ。

「満足いく結果が出なかったから」

勤めていた時も仲間のインターン生達とWeb記事のフォーマットについてや検索順位上げのSEO対策など話し合っていたし、社長もいつも結果にコミットするような雰囲気づくりに努めてくれていた。しかし、個人的にはリモートワークという働き方に満足しており、深く結果まで求めるということは正直考えていなかった。

裁量を求められる立場なのか

勤めていたスタートアップを解散してから痛感したことは1つ。

「結果にコミットしなければ、自分は企業に必要無い」

ちょっと考えが過激かもしれないが、この考えは間違っているのだろうか?

「そんなキツイこと考えていたら働く事が辛くなる」

「結果にコミットしなければ自分はいらない」というセリフを友達に言ったら、そんなセリフが返ってきた。内心「いや、働く事が楽しいかどうかは、自分が今やっていることが好きかどうかでは」と思っていたのだが、確かに結果にコミットしない人間をいきなり切るといったことは企業もやらないし、切られた側もかなりキツイだろう。

まあ、こんな考えを持っているもんだから、結果にコミットしていない人間が「自由な働き方」だの「裁量権」などを要求してくる意味が分からない。要求する選択肢として存在しても良いと思うが、選択できる資格があるかと言えば「ちょっとあなたは違うんじゃない?」と目を疑ってしまう。

新卒はノーバリューなのに

ゆとり世代だからか今の就活生は「自由」や「裁量」に関しては結構うるさい気がする。やたらと「残業もなく自由な働き方」やら「新規事業を立案できる裁量性」などを求めている学生が多い印象を受ける。

他方、働き方改革の波によってか、企業側もやたらと社内の「自由な働き方」を就職説明会やインターンシップで推してくる。

ハッキリ言ってほとんどの新卒はノーバリュー、つまり企業の売り上げにコミットできる能力など持ち合わせていないはずだ。正直、今の僕もそれに近い。

例えば、就活生に人気な「コンサル」「マーケティング」「エンジニア」の新卒業務について言えば、

・コンサル:新卒の2~3年は上司の資料作り
・マーケティング:実際にマーケ事業立案に参加できる新卒は約1割
・エンジニア:コードが書けても現場感覚が無いのでとにかく土方業務

何か企業の業績に即コミットできる人材などほとんどいないはずなのだ。
それなのに、企業側に働き方についてばかり要求する学生は正直「なにいってんだ?」という感じがする。まあ、企業側もそんな働き方を重視する学生に対し、よさげな労働環境をアピールするのもどうかと思うが。

自由・裁量は自分で作るもの

現在インターンしているスタートアップ企業で、僕の周囲で高いアウトプットを出している方々は非常に自由な働き方で裁量を持って仕事をしている。というか高いアウトプットを出せば出すほど、自由度や裁量性が非常に増している気がする。

企業が自由や裁量を与えるのではない。自由や裁量は結果へのコミット力で決まるのである。もし自由や裁量を企業が与えているならば、そこはしっかりした一定のアウトプットが出せる人間しかいないはずである。

従って、僕は現段階ではインターンしている企業に対し、自由な働き方や裁量を求めはしない。現段階ではノーバリューだから当たり前である。

以前よりも高いアウトプットを出せるようになってきており、売上に直接的にコミットできる手前まで今来ている。僕の場合、この売り上げへの直接的コミットができるか重要であり、自由な働き方や裁量などどうでもいい。

まずは今いる環境で結果にコミットする。自由だの裁量の話はその後で。