初心者に光るセンス_20200619
(この記事は旧「清水裕幸」公式ブログの2020年06月19日の記事です。)
今日、美唄の講座に行った時に見つけた作品なのですが、ほぼ初めて作った人らしく
もちろんろくろではなく、手捻りで作ったようです。
なんか雰囲気あるんですよねぇ
わかります?
全体的なバランス、歪み具合、高台の削り具合など、一般的に素人の方々は削りまくる傾向があり、その上サンドペーパーで磨いたくらいにして手を掛け過ぎて、手作り感も何もなくなってしまうんですが、この作品はそれをしていない。
高台を含め、作り味が残っている。
女性であることはわかりましたが、会ったこともないのでアドバイスのしようもありませんが、この無作為な作風を是非伸ばして欲しいと思います。
手を掛け過ぎないといっても、ただ他の人が真似をしてもこの雰囲気にはならないと思います。
初めて作ってこれを作ったとするのなら、きっとこの方がもともと持っているセンスなのでしょう。
だんだん薄くしたい、とか綺麗に作りたいとかありきたりな欲を出さなければこの作風を保てるのかもしれません。
生徒たちを教えるとき、それぞれの性格やセンスはみな違うのでそれを見極めて伸ばしてあげたいといつも意識します。
大胆なものが得意な人(当然ながら雑とは違います)、根気よく緻密なものを得意とする人、
ろくろはそうでなくても造形的なセンスのある人、ろくろのような感覚的な感性を持っている人などなどいろいろです。
なので、その人の長所を伸ばしてあげると、他の人と比べて自分は下手だとか、ダメだとか考えて、モチベーションを落とさなくて済むのです。
でも、たまにこのような興味深い方がおられるのです。
まー二度目も三度目も同じような雰囲気のものを作れるかはわかりませんがね。
いずれにしても、プロでも素人から刺激やドキッとさせられることもあるのです。
販売している陶芸家のものを見ても多くの場合、心を何かを感じることは少ないものです。
実に面白い!
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