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回し読み

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ぺけぽん
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#新しいお月見

我が家にお月さまがやってきた

2020年7月のある日、突然キューブ状のダンボール箱が届いた。20cm×20cmの大きさで、少し重みがある。amazonではない。日頃本ばかりが届く自分には珍しいかたちの代物だった。 ワレモノ、ガラスのラベルが貼られたその荷物をおそるおそる開封すると、中から白くとろりとした月があらわれた。 ああ、そうだ、待っていたのだ。注文ボタンをそっと押した今年の1月から。 いや、もう10年以上前から。私はこの日を待ち望んでいた。 *** eclipse(エクリプス)。 月食や

欠ける、満ちる、食べる。

中国や台湾では、どこも欠けていない満月を「円満・完璧」の象徴ととらえている。中秋節の満月の日に、家族が日本の正月のように集まり、食事をしながら満月に見立てた丸い月餅というお菓子や、文旦という果物を食べる習慣がある。 引用:https://www.gldaily.com/inbound/inbound2611/ *** 理由なき否定ほど、腹の立つものはない。 結婚前に勤めていた職場の上司は「なんか違うんだよね~」が口癖だった。 タバコ休憩が趣味の二回り以上年の離れた上司

【小説】月が綺麗な夜もある

ヤマザキくんとは同じ塾だった。 母親がママ友から「厳しいけど成績を上げてくれるイイ塾よ」と聞いてわたしを送り込んだ英語の個人塾だ。会話なんかまったくやらないで千本ノックみたいにひたすら英語の長文を読むだけだった。成績が上がったかどうかはわからない。 ヤマザキくんは小太りでそんなに背は高くなく、ちょっと目にはいじめられるタイプに見えた。が、そうではない。よくしゃべる子で勉強はできた。少人数のこじんまりした塾は成績のいい子ばかり集まっており、その中で彼は居眠りしていても一番難

暇な子供とママを助けてくれた「胡麻団子」。

今年の夏は、家にいるばかりで退屈。 「お外で遊びたいーー!!」という息子。暑いし、公園は密になるかもしれないし、日に焼けちゃうし、母ちゃん行きたくないな〜。笑 でも家遊びはマンネリ気味。どうしようか。 そんなとき、ひらめきました。お家で「胡麻団子」をつくってみたらどうだろう? コロコロとあんこを丸めたり、柔らかなお団子の皮をこねるのは、子どもにとってはまるで「食べる砂遊び」。 しかも揚げたてのアツアツの美味しさは、とてもお店では味わえない!最高です。外側はカリカリの香ば