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体操服のかべ。


毎年、我が子の成長を感じまくれるらしい運動会。

私は毎年せつなくて、
ひっそり泣いている。


運動会に取り組むためには、
まず練習がいる。


練習をするためには、
体操服に着替える必要がある。

そして、体操服を着続けながら
ダンスをしたり、
運動をしたりする力がいる。

「暑い」「日差しの痛さ」
「先生だけ日陰」
「先生の大きな声」
「怒られてる間の待ち時間」
ぜーんぶ受け入れて練習する。


自分が小さい頃、
そんなもんなんだろうと
言われるがまま、
しないと怒られるし、
なんとなくやってきたこと。

終わると「頑張ったね〜」と褒められる。

達成感と共に
いろいろあるけど、これでいいんだ。
と思っていた。


だけど、
体操服の素材のチクチク、
自分が好んで来てきた服を脱ぐこと、
決まった体操服になぜ着替えないといけないのか、

我が家のむすこ、そーさんはまずそこでひっかかるらしい。


ほぉ、なるほど。

結果毎年、私服で参加し、
好きなかけっこやリレーのみ参加して終了。

しかも、足が速いもんだから、
突然私服の人が参加してきて、ぶっちぎりでゴール。

「体操服着てくるの、忘れちゃったのかな〜」
「え、あれ誰?」

応援席の親たちのハテナが
聞こえてくる声と共に見える(笑)


そーさんは毎年すごく満足気だ。
うん、これでいいのだ。

これが我が子の運動会なんだ。


参加できるように配慮してくれた先生方に精一杯感謝しながらも、


周りの子の成長を見て、
ギューっと胸が締め付けられる。

もう涙が溢れて、
耐えられなくなりそうになって、
そーさんの笑顔を見つめる。

結局涙が流れて、
最近はマスクが吸い取ってくれてありがたい。

いろんな形があっていい。
小さな「嫌」も、「参加したい」気持ちも
大切にする君は、

周りの大人を気にして全部我慢することを選んできた、私の先生だ。


これからもあなたの勇姿、見守らせてもらうね。


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