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今時の4Kの超解像度は,過去と現在の距離を縮めてくれる / エッセイ

シン・仮面ライダーを鑑賞したことをきっかけに,特撮作品にハマり,DMM TVやYouTubeで特撮動画を2、3ヶ月間漁っていた.そんな中,とんでもない画質の帰ってきたウルトラマンの動画をYouTubeで発見した.

なんなんだ,このキモい画質は.いや,褒めているつもりだ.

ウルトラマンや怪獣の造形などの質感は,まるで自分がそこにいたかのような錯覚をしてしまう.しかし,帰ってきたウルトラマンの放送は1971年.当時はフィルムで撮影していただろうし,こんなに綺麗なデータなど残せるはずがない.そんな話題を1人で盛り上がっていると,私が所属している研究室の留学生が上の動画を見て,「これ,中国で流行っているやつですね」と言い出した.詳しく話を聞いてみると,オリジナルで画質が良くない特撮動画を,ピクセルの間を補完することで解像度を上げる4Kアップスケーリングして高画質化するのが,中国の動画共有サイトBiliBiliで流行っているらしいのだ.高画質化の動きといえば,デジタルリマスターとかその類を今まで見てきたことがあるが,経験的には「ああ,まぁ確かに良くなってるかも?」みたいな感想だったので,この4Kのウルトラマンにびっくりした.

「4KHDRのディズニー・ピクサーの過去作もビビるほど綺麗だよ」

話の途中で,研究室のボスが割って入ってきた。3DCG作品で有名なディズニー・ピクサーだが,4Kという言葉が生まれる前の作品の4KHDR映像がとにかくすごいからと熱弁された.

なので休みの日,久しぶりにディズニープラスに再契約し,子供の頃に見ていたカーズとトイ・ストーリー1を久々に鑑賞.もちろん,4KHDRで.

するとどうだ.

うげっ!なんじゃこりゃ!

再生しただけで,衝撃が走った.鳥肌が立っていたと思う.それはノスタルジーを感じるストーリーとかではなく,明らかに昔見た映像では見えなかったテクスチャや空気感が見えたのだ.もちろん10~20年前の作品であるから,モデル自体に古めかしさを感じたが,そのレンダリング画像の美しさは現代に劣らないものだった.

そもそもこれは本当に4Kアップスケーリングによる技術なのだろうか?ここまでくると,もはや再度レンダリングをかまして作品を再構築しているのではないか.そういう疑問がよぎるが,ただでさえ4K画像を最初からレンダリングするとなると,おそらくコストもかかると言う点から,4Kアップスケーリングに違いないだろう.

となると,いよいよこれまで解像度というのは,時代の技術の進歩に大きく依存していたところだったが,今,時間の流れから解放するような画像処理技術というのがここに実在するようになった,と考えてみると,特撮・映画を通して情報系技術のロマンを感じたものである.

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Tonaliです.
普段,芝生による動画表示の実現を目指した研究活動を行なっています.

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