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だいすきなアイドル・根本凪さん

大阪城ホールという大きなステージで歌って踊る姿。

それが私を一瞬で虜にした。

なんでかはわからない。
それまで、アイドルに対してそんな風にときめいたことはなかった。

歌って踊る、かわいい存在というアイドルの漠然としたイメージ。

それだけじゃない、気持ちや強い意志、覇気、自分の持っているものすべてで挑んでいるんだと そのかわいいお顔にはそんなもの全部が宿っていて、それを感じた瞬間から、どうしようもないくらいに惹きこまれた。

それまで立ったことのなかったであろう大きなステージで、新メンバーとして急にお披露目されて、オタクたちに値踏みされて、予想していたかもしれない現実を目の当たりにして、それでも、歌って踊っているときはずっと笑顔だった。

美しいアイドルだ と思った。

この子のことを応援したい と思った。

私は元々、二次元のオタクだったから、現実にだいすきな存在がいる感覚にびっくりした。

そして同時に、こんなに幸せなことがあっていいのか とか毎日思っていた。

だってだいすきな存在が、今日も同じ時間に、空間に、世界線に生きている。

リリイベに初めて行って、一緒にチェキを撮った時、本当にびっくりした。

本当に目の前に等身大で存在していることに。

だいすきな笑顔を浮かべただいすきな存在が一緒に写ったこの世にたった一枚のチェキ。

そして、当時のマジクソ芋オタク野郎の見た目の私が推しと一緒に並んでいるのが無理すぎて、せめて推しと同じ世界線に生きていることに胸を張れるような人間になりたい なんて思って、初めて自分の人生にちょっとした目標ができた。

推しにとっての私はただのオタクで、それ以上でもそれ以下でもない。

それを分かっていてなお、そんな目標を抱いていた私を、友人家族は不思議そうに見ていた。

でも当たり前じゃない?

「アイドル」という平等に無償の愛をくれる神様みたいな存在に対して、その「オタク」としてならば、用意された場所で、用意された大義名分のもとに、こちらの気持ちを直接伝えられるんだから。

私は「アイドル」の推しに惚れたんだから、じゃあその「アイドル」の推しを一番都合よく享受できる「オタク」でいたいと思った。

推しが私に幸せをくれて、人生を良くしたいと思えるきっかけをくれた。

そんな存在になってくれた推しには、もう恩を返し続けるほかないじゃん?

推しのことを照らすペンライトのひとつでいることが、「アイドル」である推しには一番の恩返しだと 私はそう思ったから、それでい続けた。

でも、正直言って返すのは無理だった。

それくらい、貰いすぎたから。

だいすきな人がいることが、こんなに人生を幸せにしてくれるなんて本当に思っていなかった。

だいすきな人が笑顔でいてくれたらいいなと思うときがこんなに幸せなものだなんて本当に思っていなかった。

ライブに行ってもらえる幸せは、私に宇宙すらも救えそうな元気を与えてくれたから、またライブで推しに会える日まで、得た幸せを胸に抱いて生き延びようと思えた。

推しは自分で、アイドルとしてだけでなく趣味を活かしてこんな仕事がしたい、こんな夢があるってよく笑顔で話してくれていたから、それが叶ったときには何様だよってくらい喜んだ。

だいすきな推しへの気持ちを伝える方法として、私がよく選んでいたのはイラストだったけど、推しがそれを見てくれて、それをだいすきだと言ってくれたとき、このなんの生産性もないと思っていた趣味が、とてもとても大切なものに変わった。

推しの映像や写真を見れば、ちょっと追い詰められているときでも幸せになれて、がんばるか・・・なんて思えて、私が単純野郎だっただけなのかもしれないけど、街で見かける緑やミントグリーンが何よりもかわいく美しく見えて、また幸せになれた。

かわいいものを得るたびに、素敵なことがあるたびに、推しに聞いてよってしたくなって、聞いてよってしたいから、素敵を自分から作りに行く生活をしていた。それすらも幸せだった。いつも聞いてくれてありがとう。

推しにあげるお手紙の便せんを選んでいるときの私を見た友人は、こんなに楽しそうにしている私を初めて見たと笑って、推しのことを素敵な人なんだろうね と言ってくれた。

会いに行くたびに、気持ちを伝えるたびに、笑顔で「ありがとう」と言ってくれたし、私が目の前の壁に対する弱音をめちゃくちゃ吐いたりしていたとき、私なんてたくさんいる推しのオタクのひとりなのに、「がんばってね」「応援してる」と伝えてくれた。

私は幸せだった。

生まれてきてからの時間のなかで、絶対に、推しのことを思って過ごしたこの数年間が一番幸せで、一番輝いていたと言い切れる。

そんなに一人のアイドルに熱心でい続けられるってすごい なんてよく言われていたけど、推しがいつも素敵な夢を叶えて見せてくれるから、推しが私に追いかけたいと思わせ続けてくれていたから、私はそれについて行き続けただけだから、私は何もすごくない。

アイドルとして、幸せを私に与え続けてくれた推しがすごかった。

アイドルとして、やさしさで私を救い続けてくれた推しがすごかった。

アイドルである推しがだいすき という気持ち以上のものなんて何もない。


推しは今、アイドルではない「根本凪」になろうとしている。

私にとっての推しは、今のところ「アイドル・根本凪」だし、これがブレることはない。

だって私が惚れたのは、ステージの上の根本凪さんだったから。

オタクに掛けてくれる優しい言葉以上の説得力を、根本凪さんのステージパフォーマンスから感じていたから。

でも。

推しは、自分のやりたいことや第二の人生についてよく話していてくれていたし、そんな姿を見ていたときの私は、「推しがアイドルをやめてしまう」ことへの哀しさ以上に、「推しが夢を持ち続けている」ということに感動していたし、勇気をもらっていた。

だから、推しがそれに向けてまた走り出すんだと思ったら、やっぱり私も、そんな推しを応援し続けられる自分でいたいと、勇気をもらってしまう。

これだけ私を幸せにしてくれた推しには、だれが何を望もうと、私以上に幸せになってほしいし、これだけ私を幸せにしてくれた推しがいるのだから、私も絶対に幸せになりたい。

今までもらった幸せは消えないし、一緒につくった思い出も記憶も体験も全部私の心の中で綺麗に光り輝いている。

私はどうしようもなくアイドルオタクだし、ステージの上での推しがすごくすごく大好きすぎたから、そこから抜け出すのには絶対に時間がかかると思う。今は正直言って、推しとの思い出が全部過去形になってしまうことに耐えられないし、ずっとまたライブで会える日を楽しみにしていた日々が続いていたから、最後の思い出が遠い過去のままで終わってしまうことがどうしようもなく悲しくて苦しくてつらい。

でもそれは私のわがままだ。

これまで推しに縋り続けて推しに甘え続けた私のわがまま。

だいすきだから、今は冷静になれなくて、わがままが頭をよぎり続けてしまうけど。

だいすきだから、推しには自分の納得のいく道を進み続けてほしいし、笑っていてほしい。

道がたくさんあるのならば、推しが笑顔でい続けられる道の方が良いに決まっている。

『笑顔から自信はきっと生まれるから』
『大丈夫きっと見つかるから、誰もが君らしいって思うそんな道が』

って、推しのだいすきな315プロのアイドルも歌っているし。


根本凪さん、本当にあなたのことがだいすきです。

これからのことはなにもわからないけど、ねもちゃんがアイドルとして与えてくれた幸せは、ずっと私を動かし続けてくれると思います。

それだけの幸せを、あなたは私にくれました。

4月末までの「アイドル・根本凪」としての残りの期間、まだまだ幸せをもらいたいし、返しきれないけど、もらってきた幸せをできる限り返したいです。

アイドルになってくれて、本当にありがとう。

こんなオタクにたくさん優しくしてくれて、幸せをたくさん与えてくれて、本当にありがとう。

だから、これからもよろしくお願いします。


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