𠮟り方(子どもと関わる方むけ)

これは過去に別のところでお話しした内容を転記しております。

叱り方についてですが、年齢と成長段階にもよりますが基本は「前向き」「状況分析」「次どうするか」です。 なんで失敗したのかを自分なりに考えさせます。(忘れ物なら今それはどこにあるか、遅刻ならその理由)納得できれば「納得した。それなら仕方ないね。」と伝えます。

その上で次どうするかを考えてもらいます。時間の許す限り自分から話すのを待ちます。
表現が苦手だったりフリーズしてしまう子なら、一旦切って「後でまた聞くからそれまで自分なりに答えを考えておいてね、誰かに聞いてみてもいい」と伝えます。
不安な場合は念のため近くの友達や大人にさりげなくフォローをしてもらうよう頼んでおくとよいです。 そして後で聞いて答えられたらそれを認めて評価します。
「君ならきっと答えを出せると信じてた。とりあえずそれでやってみよう。それでだめだったらまた次の手を考えればいい。」

普段からよく子どもには
「当たり前のことを身に付けるのは大変。だから焦らず沢山失敗しながら少しずつ覚えていけばいい。途中叱られたり注意されたりして嫌な思いをしながら覚えることも小さいうちは大切さ。」

「それは大人も同じで失敗をするもの、そんな時は君たちが代わりに私たち大人を優しく注意してあげてほしい。」

「大人もみんな考え方やり方が違う。でもそれは悪いことではない。いろんな人がいるってことはそれだけ沢山の答えを知ることができるからね。迷った時は誰の言うことが自分にとって良いのか、考えて選んでみればいい」

ということを言っているので、こういう頭を使わせる叱り方をしても答えをしっかり返してくれるようになります。

さらに効果を高めるには常に褒めることも大切。

「頑張ってるね・大きく字がかけてるね・たくさん書いてるね・髪型服装おしゃれね・歩き方姿勢がいいね・鉛筆の持ち方うまいね・忘れ物いつもしなくてすごいね」

学力が心配なくらい低かったり、小4位までは勉強についてはあってるかどうかは最初は全く評価しなくていいもです。「それよりはそれをしていることそのもの」を褒めようと意識すればそんなに難しくないと思います。

褒めるところがないと思う人は「その子の現段階の能力に対し求める基準が高すぎる」可能性があります。赤ちゃんが立ったり初めてしゃべった時と同じくらいハードルを下げてあげるといいと思います。

勉強は知らないものを知る本来、楽しいものですからまずはそれを覚えさせることが最重要ということです。
そしてメタ認知(周りから自分がどう見られているかをどれだけ意識できるか)を鍛えるために「男・女」を意識するような「かっこいい・かわいい」を遊びの中でも使います。

小さい子・幼い子は常識がまだないので説得の時「普通・常識・周りの子は・みっともない」という言葉を使うより「カッコ悪いよ・可愛くないよ」を使った方が納得します。 また、「私は悲しい・うれしい」と叱る人の気持ちを伝えることは、理屈でそれは悪いこと、行儀が悪いと伝えるよりも浸透しやすいです。

そして子どもにとって親は神様のようなものなので「家族の一員として、大好きなお母さんお父さんを助けてあげられる位成長できるといいね。」も大変有効です。

ただし、これらはいずれも小さいころより蓄積された愛情がどれくらいあるかで効果が変わるので、幼少期に子どもの存在が揺らぐような出来事(離婚・親が頻繁に変わる・ネグレクトなどの虐待・触れ合いが極端に少ない・デジタル機器による子育てを長期に受けたなど)で愛情不足の反応が見られた場合は、とにかく愛情の器を作り(または器の穴を修復する)、そこに愛情を注ぐことに集中します。

私が今まで見た中で特に印象に残っている子は、小学二年で発する言葉が極端に少なく、特に感情表現の言葉では怒と哀を伝える方法が「ヴ〜」だけでした。 どんなに言葉を尽くしても伝わらず、自尊心や愛着もないので褒めても逃げて、注意しても怒ったりないたりして「しねしね」と繰り返す状況でしたので、当時の先生と親に了解を取ってまずは膝の上に乗っけてひたすら読み聞かせをしました。 ぬくもりを与えながら言葉のバリエーションを増やしていく作戦です。
2か月くらいで穏やかになって褒め言葉を受け入れられるようになったので、そこからは親と連携して遊びの中で卓球や武道を教えながら男らしい自尊心を育てました。4か月くらいで卓球は自分より下手な子に「俺も最初は下手だったから大丈夫だよ!」と言えるくらい成長してくれました。

私がそこにいたのは半年だけで、あれから数年経ちましたが、立派に上級生をやっているそうです。 これはたまたま連携のとれる先生方とご理解とご協力が全部整ったから短期間で出来た珍しいケースだと思いますが、とても勉強になった経験でした。

長い人生の中でたった数か月で彼にとってはきっとほんの一瞬、きっともう覚えてないでしょうが私はそれでいいと思います。良かった過去と今を比較して「前の先生の方がよかった」と今の先生にいうより、常に今の先生と未来志向で前進していく方が前向きですから(^^)

その子とは、俺たち男はどんな時も常に前を向くくらい強くなりたいね!「男前」っていうのはそういう意味だろうし! なんてことをいつか卓球しながら話した気がします(~V~)

私がいつも彼らに言う話がもう一つ。

俺は君らに好かれるためにこの仕事をやってはいない。君らに好かれるために中途半端に接して大事なことを教えられずにあとで後悔する位なら、嫌われてでも叱ったり注意した方が絶対後悔はしないから、だから君らは俺を嫌いになっても俺が君らを好きだったら関係ないから遠慮なく嫌っていいぞ。


叱る上で大事なことは「どんなに怒っても君たちのことが好きなことは変わらない」ということをいつもちゃんと伝えていくことだと思います。そして怒ったり叱った後はそれを引きずらないようにし間違ってたら謝ります。(叱られたあとも全く態度が悪かったら別ですが) そしてその子のメンタルに応じてほかの人との連携を適切にとることです。片親なら親戚や自分の子とよく遊ぶ友達、先生とコミュニケーションをとって「家でOOについて厳しく叱ってへこんでるかもしれないので、フォローお願いします」など打ち合わせを電話やメモでできる関係を作れば大丈夫です。

良くコミュニケーションを取ってくれる方は私の指導スタイルも欠点もわかっているので、私が指導を失敗たかなと思っても、家でそれが生きるように子どもに話してくれています。 褒めるのも叱るのも一人の人間で完結させないことが、子育てや教育で無理をせずよい指導をするコツです。みんなで共育していきましょう!

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