2024/03/29〜31

 もはや日記ではない。日記という制度が崩壊中。日記は目的そのものでもなく自制心のある人間になるためのリハビリの手段なので、まあいいでしょう。

 29日朝、七時十八分に起床。きのうと同じじゃないか。どうしても七時に起きられない。

 トーストに、ジャムのごとくごはんですよ!を塗りたくりかじる。しおっけが効いていてうまいのです。
 きのうの日記を書き、小説の推敲に取り掛かる。午後から友達とカラオケに行く約束をしたので、Spotifyで歌いたい曲を聞き流しながら。けっきょくカネコアヤノが好きだな。

 先日買ってしまったピンクと白のふわふわブラウスをはやく着たかったので、そろそろと袖を通す。日常にしてはかわいすぎるが、好きな服を着ていける日があるって幸福だ。

 午後一時に名古屋駅で待ち合わせ、オムライスランチセットを食べた。日替わりの和風オムライスが明太おろしだったのでラッキー。好きな食べものは明太子と納豆です。

 三時から夕方フリータイムで四時間ほど歌う。読書以外の趣味は断トツでカラオケだなとさいきん気づいた。急に遊びに誘われるのは心の都合があるのであんまり得意ではないが、カラオケならだいたい喜んで出かけていく。
 カネコアヤノの「愛のままに」を歌ったら友達に、好きなひとの前でこんなの歌ったらイチコロになっちゃうよ、と言ってもらい、ようし、いつかイチコロにしてやるぞ、と思う。

 森七菜ちゃんの「スマイル」はわたしの人生のテーマソングだ。とんでもないことだらけでも、にこにこでご機嫌に生きていくぞ。さいきん好きなひとのLINEの返信がそっけない気がして、でもたぶんそんなに深い意味はないので、そんなことを気にしてしまう自分自身のほうを立て直そうと思う。

 30日は小説の推敲に一日を費やし、31日締め切りの文学賞に応募完了。大学の卒業制作で書いた作品で、卒制発表会で発表もさせてもらったものでかなり思い入れと期待を背負っているので、受賞まではいかなくとも通過者の名前くらい雑誌に載ったらうれしいな。

 31日は午前中に読書をし、午後からバイト。

 2023年度は、元恋人に新しい恋人がいることを知るどん底の四月でスタートしたけれど、はじめて自分で本をつくって文学フリマに出店したり、ここ数年でいちばん満足のいく小説が書けて選考通過者としてはじめて雑誌に名前が載ったり、カルチャーセンターの短歌教室を受けにいってこんな若造なのに歓迎してもらえたり、東京に三回も遊びに行ったり、ずっと行きたかった京都にも岡山にも行ったり(日帰りだったのでどっちもまた行きたい)、授業がんばったら成績も四年間でいちばんよかったし、単位いっぱいとれたし、司書資格もとれたし、大学院も合格したし、夏にはじめてベレー帽を買ったら好きなものを身に着けることがどんどん楽しくなって、わたしには似合わないと思って着れずにいた服を買えるようになったり、人生で一番短いくらいに髪切ったり、知識ゼロの状態から日常的にメイクもするようになったり、シャッフル再生で適当にではなく自分が見つけて好きだと思った曲を聴くようになって、だれかがいいって言ってたものじゃなく、わたしが選んだわたしの好きなものを、わたしがわたしとして選んで、手に取ることができるようになってきた。はじめてバイトの後輩ができて、友達が増えて、前より明るくなったねと言われることが増えた。書き出してみたらなんていいこといっぱいの、最高の一年だったんだろう、よくなかったことは悪夢から目覚めるようにぜんぶ忘れた。
 22歳、大学四年生にして、わたしはようやくわたしを見つけたのかもしれない。大丈夫、わたしはあしたからも、生きていける。
 春だよ。


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